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ざっくり、こんな「さぬきエクスプレス福岡号」
「さぬきエクスプレス福岡号」を運行する四国高速バス(本社:香川県高松市)は、1988(昭和63)年に香川県内のバス会社数社が共同出資して設立された高速バス専門のバス会社。30年以上の歴史があり、安心して利用できます。
3色のカラーリングが施されたデザインに「Sanuki Express」のロゴが、ひと際目立ちます。
早速、車内を見てみましょう。
車内は、黒を基調とした3列独立シートが並びます。床がカーペット敷きになっているのは、四国高速バスの特長のひとつ。高級感を演出すると同時に、車内の静粛性を保つのに役立っています。客席定員は28名です。
シートは、大型のヘッドレスト(可動式枕)を搭載したタイプを採用。この大型ヘッドレストが、頭と首をうまく支えてくれる優れもので、個人的には気に入りました。もちろん、座り心地も快適です。
シートをフルリクライニングしてみます。かなり深く倒れます。
レッグレストとフットレスト(足置き台)です。フットレストは、靴を脱いで使用します。
各座席には、使い捨てスリッパと毛布(ブランケット)が備えられています。使い捨てスリッパは持ち帰ることも可能ですが、車内装備品の毛布は持ち帰ることはできません。
携帯電話やスマートフォンの充電に便利なUSBポートは、各座席のひじ掛け下に装備されています。
車内ではWi-Fiサービスも提供されています。使用の際は、リーフレットに記載されている設定方法に従って設定します。
窓側座席には、座席と通路を仕切れるカーテンが装備されており、周りを気にせずに眠ることができます。カーテンのセットは乗客自身で行います。
読書灯は、エアコンダクト付近に(中央列座席は前席上部に)設置されています。明かりが散乱するため、消灯時の使用は必要最小限に留めたいものです。
トイレは、車内中央部に設置。途中、休憩停車は2回ありますが、いざという時にうれしい設備です。
車内中央部(トイレ上部)には、セルフサービス式のおしぼりケースがあります。
この路線では、飲み物(缶飲料)のサービスが行われます。セルフサービス式となっており、車内最前部のクーラーボックスから1人1本受け取ります。
以上、「さぬきエクスプレス号」の車内を紹介しましたが、福岡~高松間約9時間の移動時間にしては、かなりのハイグレードな車内である印象を受けました。
「さぬきエクスプレス福岡号」の運行ルートは、下記の通りです。
福岡・北九州発
時刻 | バス停 |
---|---|
22:10 | 西鉄天神高速バスターミナル |
22:30 | 博多バスターミナル |
23:40 | 小倉駅前 |
↓ | |
5:47 | JR坂出駅 |
6:11 | JR丸亀駅 |
6:21 | 善通寺インターバスターミナル |
6:26 | 高速丸亀 |
6:47 | 高松中央インターバスターミナル |
6:57 | ゆめタウン高松 |
7:07 | 高松駅高速バスターミナル |
高松・坂出発
時刻 | バス停 |
---|---|
22:45 | 高松駅高速バスターミナル |
22:55 | ゆめタウン高松 |
23:05 | 高松中央インターバスターミナル |
23:26 | 高速丸亀 |
23:33 | 善通寺インターバスターミナル |
23:48 | JR丸亀駅 |
24:12 | JR坂出駅 |
↓ | |
6:20 | 小倉駅前 |
7:30 | 博多バスターミナル |
7:45 | 西鉄天神高速バスターミナル |
今回、私が乗車したのは、福岡発高松行きの便です。
西鉄天神高速バスターミナルの発車時刻は22:10。西鉄電車(天神大牟田線)、九州島内高速バス、福岡市内の西鉄の路線バスから乗り継いで利用される方は、こちらからの乗車が便利です。
西鉄天神高速バスターミナルへの詳しいアクセス方法は、以下のリンクを参考にするとよいでしょう。
夜にもなると、バスターミナルの近くには屋台の数々が勢ぞろい。乗車前に屋台でかるく一杯…というのもよいですね。ただし、くれぐれも飲みすぎにはご注意を。
「さぬきエクスプレス号」を含む高速バスは、バスターミナル3階乗車ホームから発車します。発車ホームには、乗車券カウンターのほか、待合室、トイレ、コンビニ(ローソン)、みやげ物店、スターバックスがあります。乗車前の飲食・買い物は、こちらで済ませておくのがよいでしょう。
発車の10分前にはバスが入線し、乗車改札が行われます。
西鉄天神高速バスターミナルを発車したバスは、博多バスターミナルで乗車扱いを行なった後、福岡都市高速道路~九州自動車道を経由して北九州市内へ向かいます。
博多バスターミナルから1時間ほどで、JR小倉駅前の高速バスのりばに到着。こちらで最後の乗車扱いを行い、バスはいよいよ四国へ向けて深夜の高速道路をひた走ります。
途中の開放休憩は、消灯前と起床後の各1回実施されます。
消灯前の休憩場所は、関門橋手前の関門自動車道めかりパーキングエリア。こちらでは24:05から10分間停車しました。
めかりパーキングエリアは、トイレや自販機、売店、フードコートを完備しているパーキングエリアですが、この時間帯は売店、フードコートが閉店しています。また、停車時間も10分と長くありませんので、トイレや洗顔、飲み物の購入は早めに済ませましょう。
関門橋を背後に停車する「さぬきエクスプレス福岡号」です。
めかりパーキングエリアでの開放休憩が終わったところでバスは発車し、車内は完全消灯されます。消灯後は、休憩場所到着まで下車できません。
早朝の休憩場所は、瀬戸大橋手前の瀬戸中央自動車道鴻ノ池サービスエリア。こちらでは4:55から20分間停車しました。
鴻ノ池サービスエリアも、トイレや自販機、売店、フードコートを完備しているパーキングエリアですが、こちらのサービスエリアも深夜~早朝時間帯は売店とフードコートが閉店しています。また、停車時間も15分~20分と短いので、洗顔や飲み物の購入は早めに済ませておきましょう。
真っ暗な鴻ノ池サービスエリアに停車する「さぬきエクスプレス福岡号」です。
鴻ノ池サービスエリアを発車したバスは、瀬戸大橋を渡り、四国に入ります。
瀬戸大橋は、瀬戸内の島々が眺められる絶景ビュースポット。
さすがに冬季は真っ暗ですが、春季~秋季にかけての日が長い時期には、バスの車内から瀬戸内の島々がよく見えます。
最初に停車したのは、JR坂出駅のバスのりば。こちらで降車扱いと乗務員交代を行い、その後、JR丸亀駅・善通寺インターバスターミナル・高速丸亀・高松中央インターバスターミナル・ゆめタウン高松の各バス停に停車。終点の高松駅高速バスターミナルには、定刻よりも若干早い7:00に到着しました。
高松駅高速バスターミナルには、写真のような待合室も完備。快適な環境でバスを待つことができます。
福岡を発って約9時間、車内でくつろぎ、ひと眠りしている間にあっという間に着いた…そんな感覚の夜行バスでした。
高松に着いたら、まずはうどん! ということで、早朝からうどん屋を2軒ハシゴしてしまいました。
高松駅高速バスターミナルの近くには「さぬきうどん」の店が数軒あり、バスの発車前もしくは到着後に「さぬきうどん」を楽しむことができるのですが、今回は少し足を伸ばして、ことでん瓦町駅から徒歩10分圏内のうどん屋へ。
写真の釜バターうどんが大変美味しかったです。(食べかけの写真でごめんなさい)
その後、高松駅へ戻り、駅近くのうどん屋で2杯目を堪能。こちらも美味しくいただきました。
福岡(博多)~高松間をJRで移動する場合、新幹線と在来線を乗り継ぐ必要がありますが、片道普通運賃と新幹線特急料金(「みずほ」指定席利用)の合計金額は14,770円となります。(いずれも2020年1月現在)
これに対して、夜行高速バス「さぬきエクスプレス福岡号」は、福岡~高松間の片道運賃が7,200円~9,700円となっています。
さらに、「さぬきエクスプレス福岡号」には、「早割」および学割運賃が設定されており、これらを活用することで、福岡~高松間を学割なら5,500円、早割利用時は6,200円で移動できるのです。
もっとも高い運賃でも、JR新幹線と比較すると、新幹線+在来線乗り継ぎの7割以下の金額で移動でき、宿泊費が節約できること、さらには新幹線と夜行バス以外に直通の交通機関がないことを考えると、「さぬきエクスプレス福岡号」のコストパフォーマンスは高いといえるでしょう。
なお、「さぬきエクスプレス福岡号」は週末や繁忙期を中心に混みあいますので、乗車の際はできるだけ早めにご予約・ご購入をおすすめします。
今回は、平日の木曜日に利用しました。週末とは違い、比較的空いていたということもありましたが、ゆったりとした3列独立シートに、コンセント、Wi-Fi、通路カーテン、ドリンクサービスなどの充実した車内設備のおかげで、消灯後はぐっすりと眠れました。
という方に、「さぬきエクスプレス福岡号」は最適のバスだと思います。
(須田浩司)