神姫バスの豪華バス「ゆいプリマOLIVIA」で瀬戸内海へ! 至れり尽くせりのバスツアーに驚き
瀬戸内専用ラグジュアリー・ツアーバス「YUI PRIMA OLIVIA」が登場!
2024年4月、神姫バスの人気ラグジュアリー観光バス「YUI PRIMA(ゆいプリマ)」に、妹分となる新型車両が登場しました! その名も「YUI PRIMA OLIVIA(ゆいプリマオリビア)」。YUI PRIMAより高速道路の走行を減らし、“さまざまな体験や日本の伝統・美に触れる特別な旅を”と造られた、特別仕様のツアーバスです。
車両デザインを手掛けたのは、「ななつ星in九州」などのデザインで知られる人気の工業デザイナー・水戸岡鋭治氏。1号車・2号車で内装が異なり、それぞれが世界で1台だけのバス車両となっています。
YUI PRIMAは日本全国を走りますが、YUI PRIMA OLIVIAは瀬戸内周遊専用の車両。車体のきれいなブルーは、瀬戸内海をイメージして作られた、YUI PRIMA OLIVIAのオリジナルカラーです。
バスの名前の「OLIVIA」は、瀬戸内がオリーブで有名なことと、ヨーロッパの女性名としてよく使われる「オリビア」の響きの優しいイメージから名付けられたそう。その名前の通り、YUI PRIMA OLIVIAは瀬戸内の魅力がたくさん詰まったおもてなしを受けられるバスなのです。
YUI PRIMA OLIVIAの車内の様子は……
ではさっそく、車内の様子をご紹介! 車内に足を踏み入れると、目に入ってくるのはYUI PRIMAのロゴ。それに穏やかな木目の調度品や豪華な天井、ゆったりした座席など、まるで豪華ラウンジのように上品な高級感が漂っています。
なお、今回撮影してきたYUI PRIMA OLIVIAは1号車。2号車も設備は同じですが、内装デザインが異なります。
座席は横3列(2+1)×縦7列、全部で21席。バス後方にはギャレーとトイレがあります。内装は天然木材がふんだんに使用されており、上質で温かみのある雰囲気。1号車では米松が、2号車はホワイトシカモアが使われています。
シートは足元も座席幅もゆったり。2列席も隣席との間は固定の肘置きで隔てられているため、隣席が気になりくつろげないということもありません。ヘッドレストは上下の位置調節や取外しも可能なため、自分好みに加減してリラックスできますよ。
座席のリクライニングは、通常の背もたれ状態からプラス10度ほど。これは体を起こすときに一番負荷がかからない角度なのだそう。乗客が観光地を元気にしっかり楽しめるように、座席の角度まで考えらえているのです。
座席の前面(前座席の背面)には、マチ付きのポケット3つ、荷物掛け、ドリンクホルダーなど、収納箇所がたくさん。一番上の部分には軽いものを引っかけられるようになっています。これは「車内では、メガネや腕時計などの身の回りのものを外して、ゆったりとくつろいでもらえるように」とのおもてなしの心から。
一番前の席のみ、前方はテーブル仕様になっています。
座席周りにはファイルポケットもあり、バスの諸注意や行程表、ドリンクのメニューなどが入っています。USBポートも1席に1つずつ。肘置きには折りたたみ式の机が収納されています。走行中はWi-Fiも利用OK。
どこもかしこも「ほんとにバスの中? 豪華すぎない?」と驚いてしまうほどのクオリティですが、個人的に一番驚いたのがトイレでした。バスの中にこんなに広くてきれいなトイレがあるとは!
さらなるこだわり! YUI PRIMA OLIVIAの特別感の秘密
座席周りが便利なだけではなく、さらに注目したいのが空間そのもの。優雅なカーブを描く天井には、一面に花の絵が描かれています。実はこの絵は、デザイナー・水戸岡鋭治氏がYUI PRIMA OLIVIAのために描いたオリジナルの図案。しかも1・2号車で図案が違うというから驚きです!
広い窓にかかるワイヤーロールカーテンは、御簾をイメージして作られたもの。網目の粗さは陽射しが眩しくないよう上下で異なり、下方は細目・上方は太目になっています。
車内で借りられるひざ掛けは、愛媛県の誇る日本三大タオルブランドのひとつ、今治タオルのもの。軽くて柔らかいのが特徴です。
YUI PRIMA OLIVIAの旅はラグジュアリー観光ツアー
これほど車内が豪華とあれば、ツアー内容も気になるところ。ということで、実際にツアーに参加してきました! YUI PRIMA OLIVIAのツアーは日帰りや宿泊つきなど複数あり、時期によってラインナップが変わります。もちろんすべて瀬戸内を巡るツアーです。
今回私が伺ったのは、直島への日帰りツアー! 7:30に神戸三宮を出発し、19:30頃に帰ってくる、約12時間のバス旅です。
実は私は普段からバスツアーにはあれこれ参加しているものの、専用ラグジュアリーバスでの豪華ツアーに参加するのは今回が初めて。わくわくしながら参加しました。
朝の参加受付はアテンダントさんへ。YUI PRIMA OLIVIAのアテンダントさんは、おもてなしのプロ。こだわりの詰まったバス車内の案内からツアー先の観光情報、万一の緊急時(体調不良など)まで対応してもらえる上に、英語対応もOKなのです。これはおもてなしがめちゃめちゃ手厚い予感がします!
アテンダントさんから挨拶や本日のツアー行程の簡単な説明を受けて、バスが発車。それからほんの10分ほどすると、「朝のお飲み物はいかがですか」とさっそくおもてなしの声が。YUI PRIMA OLIVIA車内では、ドリンクが好きなときに好きなだけいただけるのです!
座席脇のファイルポケットからメニューを出してみると、選べるドリンクは全部で10種類。そのうち2種類はアルコールです。
YUI PRIMA OLIVIAでいただけるドリンクは、ほとんどが神戸~瀬戸内ゆかりのもの。特にコーヒーは兵庫のスペシャルティーコーヒー専門店「BUNDY BEANS」がYUI PRIMA OLIVIAのためにブレンドした、神戸をイメージしたオリジナルコーヒー。ほうじ茶と煎茶は神戸元町の日本茶専門店「放香堂」による、YUI PRIMA OLIVIAのためのオリジナル茶です。
そのほか、愛媛の温州みかんジュースや瀬戸内のレモンを使ったレモンサイダーなど、瀬戸内へ行くなら絶対飲みたいジュースもバス内でいただけるのがすごい!
おいしいコーヒーやジュースを楽しみながらアテンダントさんの車内説明を聞いているうちに、約1時間で龍野西SAへ到着。こちらでの休憩後、出発の前に車内で小さな出発セレモニーが開かれました。
出発セレモニーでは微炭酸の日本酒かぽんかんサイダーを選び、みんなで乾杯! 走行中の車内では破損防止のため、飲み物は紙コップやプラスチックカップで出てきますが、停車中に乾杯する出発セレモニーではガラスのコップでいただけます。
さらに、ツアーのノベルティも朝のうちに配られるのがYUI PRIMA OLIVIA流。車内でさっそく使えるのが嬉しいですね。内容は、北播磨の播州織のハンカチ、徳島の藍染の風呂敷、姫路の香寺ハーブガーデンのハーバルハンドケアスプレーとリップクリーム。鼻セレブもついていましたよ。
車内の快適さがハイレベル!
バスの走行中、乗客はただ優雅にくつろいでいればよし! 車内はバスの中というより移動する高級ラウンジのようで、飲み物がなくなればおかわりを尋ねてもらえるし、ゴミが出ればさっと持って行ってもらえるし、今日の観光のオススメなどをアテンダントさんに尋ねてもOK。至れり尽くせりです。
さらにバス旅は車窓も楽しみのひとつ。瀬戸内へ近づくほどに、窓の外にきれいな風景が増えていきます。
今回のツアーの行先は、アートの島・直島。バスのままフェリーで直島へ渡り、家プロジェクトやベネッセミュージアムを訪れましたよ(ツアー内容はツアーごとに異なります)。
あれこれ歩いて体験して、疲れるほど楽しんでも、帰りは現地からすぐにバスに乗車できるのがバスツアーのいいところ。YUI PRIMA OLIVIAでは、おやつタイムも待っています!
登場するお菓子はツアー先の銘菓で、アテンダントさんがツアーごとに毎回セレクトしているとのこと。今回のお菓子は、直島には金の精錬所があるという話に因み、金箔が散りばめられたチーズケーキ「金山金箔チーズケーキ」が登場しました。
さらに、帰路になると増えたのがアルコールメニューのオーダー。日本酒は出発セレモニーでいただいた神戸の「福寿」のほか、愛媛の「石鎚」、兵庫の「盛典」と全部で3種類がいただけました。日本酒の種類は時期などで変わりますが、いつも瀬戸内の地酒が用意されるそう。
なんと、お願いしたら利き酒もOK! 3種類をひと口ずつ用意してくれましたよ。
最後まであれこれ楽しんでいるうちに、バスは神戸三宮に到着。「降りたくない~~~」と我儘を言いたくなるほど快適な旅でした。
アテンダントさん、運転手さん、お世話になりました!
YUI PRIMA OLIVIAでディープな瀬戸内旅を手軽に楽しむ!
YUI PRIMA OLIVIAは、瀬戸内尽くしの旅ができるバス。「ちょっと現地でおいしいものを食べて、景色を見てお土産を買って帰るだけの旅ではなく、もっと瀬戸内の魅力を知って楽しんでもらえるように」とのコンセプトの通り、車内での飲み物や食べ物から車外の観光・体験まで一続きのように、瀬戸内を感じて楽しめるのです。
また、車内設備の豪華さはもちろんのこと、アテンダントさんによる細やかなおもてなしの快適さも、YUI PRIMA OLIVIAの大きな魅力。旅の間のちょっとした疲れや不便がなくなることで、旅はこんなに楽しみやすくなるのかと驚いてしまいました。
ラグジュアリーツアーはちょっと贅沢かもと思っている人にも、これはぜひ一度乗って体験してほしい! ディープな旅を手軽に楽しめるので、これまでにない旅を楽しみたい人やバス旅初心者さんにもぜひおすすめです。
※取材協力/神姫バス
(陽月よつか)