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日本とフランス、どちらも季節によって日照時間は変わりますが、その程度には差があります。それには、地球軸の傾きや緯度などの地理的な要因と、季節ごとの天候による要因があります。
地球は約23.5度傾いた軸で自転しているため、太陽の周りを公転する際、夏には北半球が太陽に向かって傾き、冬には反対に太陽から離れる方向に傾きます。このため、北半球では夏至には日照時間が最も長くなり、冬至には最も短くなります。
フランスが位置するのは、北緯41度から51度の間と比較的高緯度。例えば、パリ(北緯約48度)では、夏至の頃には朝6時前に日が昇り、夜10時頃まで日が沈まないため、一日中晴れた日の日照時間は16時間以上になります。
一方、冬至の頃は朝8時半過ぎに日が昇り、夕方5時頃には日が沈んでしまうので、日照時間は8時間程度と大きく減少します。[※1]
日本が位置するのは北緯約24度から46度と、フランスと比べてやや低めです。日本でも季節による日照時間の変動がありますが、フランスほど顕著ではありません。
例えば、東京(北緯約35度)では、夏至の頃は4時半頃に日が昇り、19時頃に日が沈むので日照時間は約14時間半、冬至の頃は7時前に日が昇り、16時半頃に日が沈むので日照時間は約9時間半です[※1]
このように、日本よりも高緯度に位置するフランスの方が、夏と冬の日照時間の差が大きくなります。
またフランスでは、地域によって違いはあるものの、一般的に春から夏にかけては晴れる日が多く、秋から冬にかけてはくもりや雨の日が増えます。この季節による天候の違いも、日照時間の差に影響を与えます。
特に日が長いこの時期(6〜7月)、日本は梅雨時期でくもりや雨の日が多くなりますが、梅雨のないフランスでは晴れる日が多くなるので、日本との日照時間の差をより感じることになります。
<出典>
[※1]国立天文台
https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/dni13.html
秋から冬にかけ、日の入りが早まるフランス。くもりや雨の日が多いため、日中でも薄暗い日が続き、ただでさえ短い日照時間は、より短く感じられます。
このように日照時間が短くなる冬の、フランス人の常備アイテムがビタミンDのサプリメントです。
ビタミンDは、日光を浴びることで体内で生成される栄養素であり、カルシウムの吸収を促進し、骨の成長や再構築に必要不可欠です。
日光を浴びる機会が少ない冬に不足しがちなビタミンDですが、フランス人はサプリメントを摂取することで補える、と考える人が多く、サプリメントを常備するのが一般的になっています。
また、フランス人は日頃から積極的に日光を浴びるよう心がけています。健康目的に加え、日焼けした肌の方が健康的だと考える人が多いのもその理由です。日傘やUVカット手袋などを使っている人はまず見かけません。
晴れた日には公園やカフェのテラスで過ごすなど、少しでも多くの日光を浴びる努力をしています。
晴れた日には日光浴、くもりや雨の日はサプリメントで栄養を補う、という意識がフランス人には根付いているようです。
フランス人は、日照時間が長く、レジャーを楽しむのに最適な夏が来るのを心待ちにしています。サマータイムの導入により、さらに長く感じられる夏の夕暮れは、彼らの生活リズムに大きな影響を与えています。
夕方から夜にかけては涼しい日も多い夏は、屋外での食事や散歩、スポーツなどを楽しむのが定番ですし、家族や友人と過ごす時間、海辺や山間のリゾート地でのリラックスした日々、フランス各地で開催される数々のフェスティバルや文化イベントなどが、彼らの夏を彩ります。
また、夏のバカンスは、フランス人にとって一年の最後のご褒美のようなもの。何ヶ月も前から計画を立てるほど楽しみにしていて、バカンスのために働いていると言っても過言ではないほどです。
バカンスは、単なる休暇ではなく、心身をリフレッシュし、日常の喧騒から解放される貴重な時間です。フランス人は、この特別な季節を最大限に楽しむことで、再び活力を取り戻し、新しいシーズンに向けてのエネルギーを蓄えます。
日照時間の変動は、人々の生活習慣にも大きな影響を与えています。 日本とフランスの違いを理解することで、異なる気候や文化に対する理解が深まり、より豊かな生活を送るためのヒントが得られるかもしれません。
これからフランスやヨーロッパを訪れる際は、季節ごとに大きく変わる日照時間にも注目してみると面白いですよ。
長い日照時間を活用して、遅い時間まで屋外で家族や友人と過ごすことができる夏。天気の良い日には公園やビーチ、カフェのテラスが賑わい、どこもかしこも夏の喜びに溢れています。
フランス旅行の際は、ぜひ現地のフランス人に習って、屋外での飲食やレジャーなどを十分に楽しめるこの季節を満喫してみるのもおすすめです。