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ウルフムーンとは、1月の満月のことです。
アメリカの農事暦では、月ごとの満月にそれぞれ名前がつけられています。ウルフムーン以外にも、シバザクラ(ハナツメクサ)が咲く時期の4月はピンクムーン、イチゴが実る時期の6月はストロベリームーンなどの名称があります。
これらの名称は、アメリカ先住民が満月に独自の名前をつけることで、季節の変化を捉えていた伝統に由来しています。また、ウルフムーンをはじめとする満月の名称は、その月の満月を含む1か月の呼称にも用いられていたようです。
アメリカ先住民が暮らす地域では、夜が長く寒い時期に1月の満月を迎えます。木々や低木が休眠期に入り、野生の花の種が発芽を待つこの時期は、生命を育む次の季節に備えて土壌を休ませる時期ともいえます。
静かな夜、地上では静寂を破るオオカミの遠吠えが響き渡ったことから、1月の満月の名称「ウルフムーン」が生まれたとされています。
国立天文台の暦要項(朔弦望)によると、2024年のウルフムーン(満月)は1月26日(金)午前2時54分となる予想です。天気予報や星空指数も参考に、新年初めての満月・ウルフムーンの観測を楽しんでください。
月の暦が存在する理由としては、月が平均約29.5日のサイクルで「新月→上弦→満月→下弦→新月」という満ち欠けを繰り返していることが挙げられます。月の満ち欠けは、月と太陽との位置関係の変化にともない、太陽に照らされて光って見える部分が変わるために起こるものです。太陽と月が180度離れたとき、満月となります。
月の満ち欠けのサイクルに当てはめれば、今後の満月の日時も予測可能です。次項では、2024年のウルフムーン以外の満月の日時を紹介します。
アメリカの農事暦による各月の満月の名称と、2024年の満月日時は次のとおりです。
1月 ウルフムーン 1月26日 午前2時54分
2月 スノームーン 2月24日 午後9時30分
3月 ワームムーン 3月25日 午後4時
4月 ピンクムーン 4月24日 午前8時49分
5月 フラワームーン 5月23日 午後10時53分
6月 ストロベリームーン 6月22日 午前10時8分
7月 バックムーン 7月21日 午後7時17分
8月 スタージョンムーン 8月20日 午前3時26分
9月 ハーベストムーン 9月18日 午前11時34分
10月 ハンターズムーン 10月17日 午後8時26分
11月 ビーバームーン 11月16日 午前6時29分
12月 コールドムーン 12月15日 午後6時2分
動物や気候、植物など、バリエーションが豊かですね。満月を見上げながら、遠い地で暮らす先住民が見出した季節の変化に想いを馳せてみるのも、粋な過ごし方といえそうです。
空気が澄んで見える冬に、天体観測を楽しみたくなる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
空気の透明度には、空気中に漂う塵や水分量の増減が関わっています。水分量が少なくなるほど、空気が澄んで見えるようになります。一般的に、冬は夏よりも空気中の水分量が少なくなるため、空気の透明度が増します。
ただし気温が低いため、冬の天体観測には防寒対策が欠かせません。マフラー・帽子・手袋・耳当て・カイロなどの防寒アイテムも活用し、暖かい服装で観測しましょう。天気予報で、気温や寒波情報などをチェックしておくことも大切です。
ウルフムーンは肉眼でも観察可能ではありますが、より鮮明に観察するために双眼鏡や望遠鏡を使ってもよいでしょう。双眼鏡は、三脚に固定することで手ぶれがなくなり、快適に観察しやすくなります。
ただし、月面に太陽の光が正面からあたっている満月の場合、クレーターの凹凸を鮮明に見ることはあまりできません。また、望遠鏡で満月を見るとまぶし過ぎるときは、長時間の観察を控えたり、製品オプションのムーンフィルターを併用したりするとよいでしょう。
1月の満月は、アメリカの農事暦でウルフムーンと呼ばれています。2024年のウルフムーン(満月)が観測できるのは、1月26日(金)午前2時54分の予想です。空気が澄んで見えるこの季節、夜空を見上げて新年最初の満月をじっくり観察してみませんか。
天体観測の際は、天気予報や星空指数も参考にしてみてください。また、観測に適した時間は明け方に近いため、冷え込みが予想されます。暖かい格好で、ウルフムーンの観測を楽しんでくださいね。
参考:国立天文台