秋は行楽の季節といわれますが、それにふさわしい景色が身の回りにどんどんと現れてきます。楽しまない理由はありません。さぁ、お出かけしましょう、もちろん持っていくのはお弁当! 何がいいかな? 行楽弁当はふだんのお弁当とは違うよそいきの味。ワクワクする楽しさを感じます。行楽地ならではのグルメももちろん楽しみたいけれど、やっぱり景色を見ながらみんなで開くお弁当は格別です。ここは気張らずに気軽に秋の行楽を美味しく楽しんでいきましょう。


盛りだくさん! これぞ行楽弁当のお楽しみ!

家族や仲間で行く秋のハイキング。静かに季節の色に染まっていく山や里の風景は、日常生活から切り離された解放感に心も身体も解きほぐされてのびのびとしてきます。平安時代中期に編纂された『古今和歌集』にこんな歌を見つけました。

≪秋の野に 人まつ虫の声すなり 我かと行きて いざ訪(とぶら)はむ≫ 読人知らず

秋の野に人を待つという松虫の声がする。私を待っているのかもしれない、さあ尋ねて行こう。と秋の野へ出かける楽しみとワクワク感が松虫の声に託されて詠まれています。なんとも素朴な喜びの表現に心がホッとします。

自然をのんびり楽しみに行く、こんな時のお弁当はぜひ、みんなの大好きなものをたっぷりと詰め込んでいきましょう。ずっしりと重くなりますが、お昼時の笑顔を思えばなんのその。風情をまとわせたいと欲張るならば、思い切って重箱に詰めるというのも一工夫です。包みをといた時に上がる歓声が秋の野に響きわたることでしょう。そんな情景を想像するだけでも、行楽弁当は心楽しいものですね。さぁ、何時にしましょうか。


忙しくても秋を満喫! 手抜きもまた楽し!

毎日絶え間なく押し寄せる家事や仕事に追われて、とても秋を感じにお出かけなんかできない、という方もきっと多いことでしょう。そんな時は発想の転換をしてみませんか? いつも通る道すがら公園を見かけていませんか。そういえばちょっと足を延ばしたところに木々が豊かな公園があったな、などと思い出すことも。暑い夏に木陰を作ってくれていた公園の木々にもきっと秋が忍び寄っています。ぜひ秋の頃合いを確かめに、ほんのちょっとした時間をひねり出して出かけてみましょう。

そんな時はいつものボトルに飲み物を入れたら、家に買い置きのスナックやお菓子でいいじゃないですか。出がけにスーパーやコンビニにでも寄って見つくろうのも楽しいですね。気分を盛り上げてさぁ行きましょう!

≪野に遊ぶ少年の膝笑ひだす≫ 稲垣暁星子

≪駆ける子の両手はつばさ野に游ぶ≫ 山中敬子

自然の中に身を置けば心も身体も動き出すような気がしませんか? ここは流れに身を任せてみましょう。小さな子供たちにとっては夢のような時間になること請け合いです。「野遊び」は春の季語になっていますが、気持ちはどの季節でも変わらないのではないでしょうか。ひとりでもお子さん連れでも、その時見た景色が秋の思い出のワンシーンとなることでしょう。


オフィスでも秋を楽しんじゃおう! これも行楽弁当?

秋晴れの予感がするウィークデーの朝。こんな日は仕事をしている場合じゃない、と何度思ったことでしょう。まさに行楽日和。そろそろ色づいてくる紅葉を見に出かけたくなりますよね。とはいえ急には休めない、くさっていても仕方がありません。こんな時はオフィスでだって、ちょっとした行楽気分を味わっちゃいましょう。

こういう時のために、竹で編んだ籠や木を加工した曲げわっぱ、といった昔ながらのお弁当箱を用意しておきませんか? いつものおにぎり、いつものおかずを詰めるだけで気分はピクニック。まだ気温が上がる日もあるようです。おにぎりは酢を効かせ味はいつもより濃い目を心がけてください。汁が染み出してしまうものは控えましょう。

秋の草花を一本、デスクに差せば万全ではないでしょうか。コスモス? それともキキョウがいいかしら、そんなことを考えるだけでも心に余裕ができてきます

≪薄ら陽の醸す紅葉にぎり飯≫ 橋爪鶴麿

時間はひねり出して見つけるもの、とはよく聞きますがお楽しみのためでしたら簡単にできそうです。なんとなくストレスがたまっているな、などと気づいたらちょっと一工夫。爽やかな秋風から少しずつ進んで行く季節を日常生活の中でも楽しんでいきませんか。

情報提供元: tenki.jpサプリ
記事名:「 一気に秋へ! 爽やかな空気を満喫しながら美味しく楽しもう!