明けの明星・金星、夜半の明星・木星が共に見頃を迎え、空気の澄んだ秋の夜空で美しく輝いています。「部分月食」「オリオン座流星群」といった天文イベントも見逃せません。
今回は、10月に注目したい星空情報をご紹介します。


【10月10・11日】明けの明星・金星と繊細な細い月が接近

夜明け前の東の空に、ひときわ目をひく金星の姿があります。明るさはマイナス4.7等からマイナス4.4等。24日には、太陽から最も大きく離れる「西方最大離角」を迎えます。この頃は高度が上がり、観測の好機となります。

10日から11日にかけては、金星に細い月が接近し、美しい眺めになるでしょう。10日に金星の左上に位置していた月は、翌11日には金星のやや左下に移動します。 近くにはしし座の1等星レグルスが輝き、3天体の共演を楽しめます。

画像:国立天文台


【10月22日】 「オリオン座流星群」が極大。観測の好機は21日深夜から22日明け方

ハレー彗星を母天体とする「オリオン座流星群」の活動が22日9時頃に極大になると予測されています。いちばんの見頃は、21日深夜から22日明け方にかけて。月明かりの影響はなく、条件の良い暗い空では1時間あたりの流星数は5~10個程度を観測できると予測されています。極大日の前後数日間は、流れ星に出合うチャンスがあります。

画像:アストロアーツ


【10月29日】明け方の幻想的な「部分月食」。日本全国で観測可能

月が地球の影のなかに入る現象「月食」には、地球の影(本影)が月全体を隠す「皆既月食」と、一部を隠す「部分月食」があります。今回は、月の直径の12.8%が地球の影に入る、わずかに月が欠ける部分月食になります。食の始まりから終わりまでを、ほぼ日本全国で観測することができます。

月が欠け始めるのは、明け方の4時34.5分。月は徐々に地球の影に入り込み、5時14.1分に月が最も欠ける「食の最大」となります。その後、月は徐々に地球の影から抜けていき、5時53.6分に部分食が終了となります。食が終わる頃の月の高度は大変低く、西の空が開けた場所から観察することがポイントです。

画像:国立天文台


【10月29日】東の空で満月と木星が共演

夜半に南東から南の空で強い光を放つ木星。この時期は、マイナス2.8等からマイナス2.9等の明るさで輝いています。28日と29日には月と木星が接近し、華やかな眺めになるでしょう。29日には満月と木星が並んで夜空を彩ります。

東の低空には、アルデバラン、ベテルギウスといった冬の1等星が姿を見せています。



・参考文献
『アストロガイド 星空年鑑 2023』 アストロアーツ

・参考サイト
国立天文台「ほしぞら情報2023年10月」
アストロアーツ「2023年10月22日 オリオン座流星群が極大」

画像:国立天文台

情報提供元: tenki.jpサプリ
記事名:「 夜明け前の幻想的な「部分月食」、好条件の「オリオン座流星群」を観測しよう