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月の大きさが変わる理由は、月自体が大きくなったり小さくなったりするわけではなく、月と地球の距離が離れたり近づいたりすることで起こります。目の前のパソコンやスマートフォンに自分が近づけば大きく見え、自分が遠ざかれば小さく見えますよね。それと同じことが月と地球の間でも起こっているんです。
2023年の中で月が地球に最も近づくのが、8月30日の夜を超えて、31日の午前0時54分ごろ。
そのあと夜が明けて31日の午前10時36分ごろに満月となり、今年の「満月」の中で「地球に最も近づく」瞬間となります。
地球に近い満月があれば、反対に遠い満月もあります。2023年の2月6日の満月が地球から最も遠い満月でした。この2つの時期の満月を比較すると、月が近づいたことで、8月31日の満月の方が視直径が約14パーセント大きく、光っている面積も約29パーセント広くなって、その分明るく見えるそうです。
実際のところ、8月31日の満月を見ただけで、それが大きいのか小さいのかが分かるぐらいに差はないそうです。しかし、地球との距離を比較すると、最も遠い満月と地球の距離が約40万6000km、最も近い満月が約35万7000kmという事でその差は約5万km。地球1周が約4万キロなので、地球1周と1/4の距離も月が近づくと思うと、はっきりと大きいのか小さいのかが分からなくても、月を見上げるのが楽しくなりそうです。
ではどうして、月は地球に近づいたり離れたりするのでしょうか?それには、その理由は、月の軌道とそれに対する地球の位置が関わってきます。地球の周りを月が公転しているというのは皆さんよく知っていると思うのですが、なんとなくまん丸の軌道で公転しているように思いませんか?実は、月の軌道は円ではなく、楕円なのです。更に、その楕円の中心から少しずれた所に地球が存在している為、地球から最も遠い月と最も近い月を見ることができるのです。
月の軌道が楕円であること月と地球の位置関係は、説明するのがとても難しいのですが、宇宙だけでなく地球上でも発生する、重力によって物が引き合う力の「万有引力」や、回転するものにかかる力の「遠心力」の力のつり合いが、月と地球だけでなく太陽なども関わってきた結果としてこの形になっているという事です。
宇宙の様々な条件が重なり合って見ることができる「スーパームーン」。月は晴れてさえいれば空を見上げるだけで簡単に観測することができます。ぜひ今年のスーパームーンをお楽しみください。
動画解説:工藤 佳奈子