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「宵の明星」として、日の入りの後の西の空に輝く金星。6月4日に東方最大離角を迎え、太陽から見かけ上最も大きく離れます。明るさはマイナス4.4等からマイナス4.6等に達し、日没時の高度もより高くなるため、ひときわ目を引く輝きとなるでしょう。
金星の見頃は7月下旬まで続き、その後は次第に高度を下げていきます。8月12日頃には、地球から見て金星が太陽と同じ方向にくる内合を迎え、見ることができなくなります。8月下旬からは「明けの明星」として、夜明け前の東の低空に再び輝きます。
6月の満月は「ストロベリームーン」。ネイティブアメリカンが毎月の満月に付けていた名前に由来し、6月は野イチゴの収穫時期とされていました。夏至(2023年は6月21日)の頃の満月は、1年のうちで地平線に最も近い軌道を通ります。地平線に近い夕陽が大気の影響で赤く見えるように、出始めの低い位置にある月は赤みを帯びて見える可能性があります。
4月12日の合を挟んで、3月末から目にすることができなかった木星。6月に入ると、夜明け前の東の空に姿をあらわします。約マイナス2等の明るさで、低空でもよく目立ちます。
14日の明け方、4日後に新月となる細い月が木星に近付きます。久しぶりに目にする木星の輝きと、幻想的な月の共演を楽しみましょう。
18日に新月を迎えたばかりの細い月が、夕方の西の空で金星と火星に近付きます。明るく輝く宵の明星の上に月、月のすぐ左下に火星が並んでいます。
この頃の火星の明るさは1.6等から1.7等とあまり目立たず、赤い色も分かりにくいかもしれません。月を目印にして火星を探してみましょう。
・参考文献
『アストロガイド 星空年鑑 2023』 アストロアーツ
・参考サイト
国立天文台「東京の星空・カレンダー・惑星(2023年6月)」
アストロアーツ「2023年6月4日 金星が東方最大離角」