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梅雨の時期を彩る紫陽花(あじさい)。夏の季語にもなっていて、気象庁が行っている生物季節観測では、毎年、梅や桜(ソメイヨシノ)の開花の他、紫陽花の開花も観測しています。
あじさいは「装飾花」と呼ばれる「がく」が集まって半球や球状に咲きますが、装飾花の中心には、「真の花(しんのはな)」と呼ばれる部分があり、その部分が、2~3輪咲くと、紫陽花の開花となるのです。
紫陽花(真の花)の開花は、例年5月下旬から6月の初め頃にかけて。鎌倉のある神奈川県では、横浜で観測しており、平年は6月12日。また、関東甲信の梅雨入りの平年は6月7日頃です。紫陽花は、まさに梅雨の季節を彩る代表的な花と言えます。今年(2023年)はソメイヨシノの開花も平年より早く、季節の花が全体的に早い傾向にあるので、紫陽花の開花も早くなるかもしれません。
今回は、鎌倉の観光名所の中でも、北鎌倉周辺と江ノ電沿線の紫陽花スポットをご紹介します。
まずは、横浜方面から鎌倉方面に向かう一つ手前の北鎌倉駅。鎌倉駅と比べると、こじんまりとした駅ですが、あじさい寺として知られる明月院の他、鎌倉五山の円覚寺や建長寺などが集まっており、効率よくお寺巡りができる、おすすめの場所です。その中から、あじさい寺として知られる「明月院」からゆっくり紫陽花を楽しめる「東慶寺」、「浄智寺」をご紹介します。
①明月院
北鎌倉駅から徒歩10分ほど。臨済宗建長寺派、ご本尊は聖観音菩薩坐像。言わずと知れた「あじさい寺」として有名です。
境内にはおよそ2500株の紫陽花が植えられています。「明月院ブルー」と呼ばれるように、「ヒメアジサイ」という品種のブルーの紫陽花がほとんどですが、他の品種も楽しめます。
紫陽花の見頃の時期は、門から参道に向かってずらっと長蛇の列になることもあるほど人気のスポットです。そのため、明月院に行くなら、朝イチに行くことをおすすめします。
よ~く見ると、ハートの形の紫陽花に出会えることも!たくさんの紫陽花の中から、ぜひ探してみてくださいね。
②東慶寺
明月院からすぐ。縁切り寺として知られる東慶寺。紫陽花の花だけでなく、花しょうぶもきれいな季節。ただ、境内では撮影禁止となっていますので、ぜひ目と心の中にその景色を焼き付けて、楽しんでくださいね。
③浄智寺
臨済宗円覚寺派、鎌倉五山第四位の浄智寺。ご本尊は神奈川県の重要文化財にも指定されている木造三世仏坐像です。
境内では季節ごとに様々な花が楽しめます。6月は紫陽花をはじめ、崖に咲く、紫色の小さな花、岩煙草(いわたばこ)も見頃を迎えます。鎌倉江ノ島七福神のひとつである布袋尊など見どころもあり、静かでゆったりとした境内で、周辺の紫陽花スポットに比べると、ゆっくり散策が楽しめます。
鎌倉駅と藤沢駅をつなぐ、江ノ島電鉄線、通称「江ノ電(えのでん)」。沿線にも紫陽花スポットが点在しています。その中から「長谷寺」と「御霊神社」をご紹介します。
①長谷寺
長谷駅から徒歩5分ほど。本尊は十一面観音菩薩立像です。季節ごとに様々な花が楽しめ、「花の寺」とも呼ばれます。
紫陽花は、5月下旬頃から咲きはじめ、およそ2500株ほどの紫陽花が、山の斜面を彩ります。紫陽花の咲き乱れる眺望散策路からは、由比ヶ浜が一望できます。階段が多く、足元が悪くなることもあるので、散策にはスニーカーや滑りにくい靴がおすすめです。
所々にかわいらしいお地蔵さんがいるので、紫陽花とのコラボ写真も撮れるかも。
②御霊神社
江ノ電の線路沿いにある御霊神社。平安時代の武士・鎌倉景正が祀られています。神社の目の前の線路沿いには紫陽花が咲いていて、江ノ電と紫陽花とのコラボが楽しめます。御霊神社境内は撮影禁止となっています。マナーを守って撮影を行いましょう。
6月の鎌倉周辺は混雑が予想されるので、朝からの行動がおすすめです。朝の最低気温は20度前後ですので、朝からのお出かけも比較的快適に過ごせるでしょう。
また日中の最高気温は25度前後で、晴れ間が出ると、25度以上の夏日や30度近くまで上がることもあります。湿度も高く、蒸し暑くなるため、熱中症の危険も高まります。お寺の境内は木陰になる所もありますが、駅からお寺までの散策は、炎天下になることも。熱中症にならないように、ペットボトルや水筒などを持参して、時々休憩しながらこまめな水分補給を心がけましょう。
また、紫外線も強くなっている時期ですので、紫外線を遮ってくれる日傘や帽子、また急な雨に備えて、晴雨兼用の傘がおすすめです。雨が降るとひんやりすることもありますので、薄手のカーディガンや薄手のジャンパー、ジャケットがあると良いでしょう。
日本気象協会の最新の予想(2023年5月25日発表)によると、今年(2023年)関東甲信の梅雨入りは、5月30日頃で平年より早いの予想です。お天気の様子を見ながら、ぜひ、鎌倉散策の計画を立ててみてくださいね。