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「バラ色の…」といえば、なんの憂いもない明るさや希望を感じさせる言葉です。でも具体的に「バラ色」ってどんな色かしら? とまわりの方々に聞いてみたら人それぞれ、心に思い浮かべる色には違いがあるようでとても面白く思いました。
一番多かったのがいわゆるピンクに代表される色。とはいえ人それぞれに濃い目のピンクだったり、淡く薄いピンクなど心の中は濃淡とりどりでした。共通するのはロマンティックで胸がキュンとするような、心がほっこりするような気持ちがする色だったことです。
≪ロココ美として極まれる薔薇もあり≫ 京極杞陽
また真紅こそ「バラ色」とおっしゃった方も。理由はバラがもっともバラらしい色だからとか。ご自分の意見を明確にお持ちのようでした。真っ赤なバラには情熱やエネルギーがあふれるポジティブな生き方に通じていくようにも感じます。
バラは現在真紅に代表される赤や人気のピンク、白、黄色、オレンジ、それに青や紫、緑、黒といった色もあり多様になっています。バラの持つ独特の存在感はここぞという日の装いや、お部屋のしつらえの演出にも大いに効果を発揮することでしょう。幅広い色の中からえらべるのは嬉しいことです。
美しいバラに必ずあるのが鋭い棘。実は「バラ」とは「いばら」のこと。棘のある草木全般をさす「いばら」が「うばら」「ばら」と音が変わっていったということです。つまり「バラ」はもともと棘のある草木をさしましたが、やがて美しいバラの花をさすようになっていったのです。
日本には中国原産の「庚申薔薇(コウシンバラ)」が古くに伝来し栽培されていたそうです。このことは「薔薇」が古典文学としておなじみの『源氏物語』や『枕草子』に出てくることから確認されています。当時は「さうび」と読み、鑑賞対象の花として栽培し楽しんでいたのを知ることができるのです。
ご存じのようにバラには鋭い棘があり、指を少しでも突くとひどく痛いものです。棘を意味する「バラ」の音に美しさを愛でた「薔薇」の字が当てられたということです。
花屋で買い求めるバラは、けがをしないようにあらかじめきれいに取り除いてありますので棘はありません。これに慣れていると棘のことを忘れてしまい、うっかり手を出したバラの棘にハッとすることがあります。美しい「薔薇」の花には棘の「バラ」も隠れているのです。
五月晴れ、心は浮きたち身体も伸びやかに活動したくなる心地よさがあります。五月は各地のバラ園で「バラまつり」が予定されています。しばらく中止を余儀なくされていましたが、今年はみなさんの期待の高まりもあり開催地ではたくさんのイベントを企画しているようです。
バラの咲く世界に一歩足を踏み入れるととりどりの色と豊かな香りにつつまれ、何ともいえない華やぎと幸福感が満ちてくるのを感じます。この季節ならではの経験といえそうです。それぞれの会場ではマルシェやコンサート、園芸相談など多種多彩なお楽しみが待っています。
いくつかの「バラまつり」をご紹介いたしますので、ぜひ参考になさってください。
◆東京都、四季の香ローズガーデン:2023年4月29日(土・祝)~5月28日(日)
【2023 ローズガーデン フェスティバル】
◆鹿児島県、かのやばら園:2023年4月29日(土・祝)~6月4日(日)
【かのやばら祭り 2023 春】
◆長崎県、ハウステンボス:2023年5月8日(月)~28日(日)
【ハウステンボス バラ祭】
◆埼玉県、与野公園:2023年5月20日(土)・21日(日)
【さいたま観光国際協会 ばらまつり 2023】
◆長野県、一本木公園:2023年5月27日(土)~6月18日(日)
【2023 信州なかのバラまつり】
地域によっては五月の終わりごろから始まるところもあります。開催はその時の状況によって変更になることもありますので、お出かけの際にはHPのチェックをおすすめいたします。
みなさんの地元にもきれいなバラが咲いている施設があるかもしれません。ぜひこまめにチェックをしてお気軽にお出かけください。