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一年を通じて北の空に広がる「おおぐま座」は、春から夏にかけて空高く上り見頃を迎えます。クマの腰から尾にあたる位置で輝くのが「北斗七星」です。ひしゃくやスプーンのような形で並ぶ7つの星のうち6つが2等星のため、街明かりがあっても比較的容易に見つけられます。
北斗七星の柄にあたる星を結んでカーブを伸ばしていくと、「うしかい座」のアークトゥルス、「おとめ座」のスピカがあります。このカーブは「春の大曲線」と呼ばれ、春の星座や星を探す目印となっています。
この2つの1等星に「しし座」の2等星デネボラを加えた三角形を「春の大三角」と呼び、春の代表的な3星座を結んでいます。「冬の大三角」と比べるとひとまわり大きく見えるため、夜空を広く見渡す感覚で探してみましょう。
「おおぐま座」の隣に位置する「うしかい座」。細長い五角形に星が並び、その先端に輝くオレンジ色のアークトゥルスが目印です。猟犬を従えた巨人の姿を模した星座で、アークトゥルスには「クマの番人」という意味があります。
冬の星座「オリオン座」などが西の空に傾く頃、アークトゥルスが東の空に姿をあらわします。全天で4番目に明るい星で、春を代表する星といえるでしょう。
アークトゥルスの右下の方に目線を移すと、「おとめ座」のスピカが青白く輝いています。オレンジ色のアークトゥルスと白く光るスピカ。2つの1等星の、美しい色を楽しみたいですね。
春の星座といえば、1等星を含む「しし座」と「おとめ座」が挙げられます。一方、「かに座」は黄道十二星座のひとつとして知られていますが、暗い星が多く見つけにくい星座です。
かに座の見所は、カニの甲羅にあたる四角形に並んだ星の中にある「プレセペ星団」です。春の代表的な散開星団で、空の暗い場所では肉眼でも目にすることが可能。ぼんやりとした光のかたまりに見えますが、双眼鏡を使うと無数の星が集まっている様子を観測できるでしょう。1609年にガリレオ・ガリレイが、自作の望遠鏡で星の集団であることをはじめて確認しました。
「ふたご座」の1等星ポルックスと「しし座」の1等星レグルスの間に位置する「かに座」。明るい星を目印に、プレセペ星団を見つけてみましょう。
誕生星座は、実際の誕生日の頃は太陽の光のなかにあり、見ることはできません。この春、「かに座」「しし座」「おとめ座」生まれの方は、夜空に輝く誕生星座を探してみてはいかがでしょうか。
参考サイト
アストロアーツ「星空ガイド」
88星座図鑑