ゴルフにはさまざまなルールが存在しますが、初心者だけではなくツアープロでも判断に迷うことが多いのがショット以外の理由でボールが動いた場合です。

本記事では、意図せずボールが動いてしまった場合に、どのように対応すべきかをケースごとに解説します。


ゴルフボールが動いてしまう理由

ゴルフボールの重さは重いほど、サイズは小さいほど飛距離が伸びるものです。ただし、ゴルフボールは、英国の「R&A(全英ゴルフ協会)」や米国の「USGA(全米ゴルフ協会)」、日本の「JGA(日本ゴルフ協会)」によって、重さは45.93g以下、直径は42.67mm以上と規定されています。
重さと直径が規定されているため、極端に動きやすいボールがあるというわけではありません。
しかし、次のような理由から、意図せずゴルフボールが動いてしまうことがあります。

■風や水の力によってボールが動く

風が強い日や雨天時のプレーにおいて、ボールが自然に動いてしまうことがあります。プレーヤーが最も遭遇しやすいケースといえるでしょう。

■アドレスしたときにクラブが当たってボールが動く

アドレスをしたときにボールが動くことがあります。アドレスとは、ゴルフボールを打つ前にゴルフクラブを構え、基本姿勢をとったときに、意図せずクラブが当たってしまうケースです。
自然の力によるものではありませんが、こちらもプレーヤーが遭遇しやすいケースです。

■外的影響によってボールが動く

カラスがボールを持ち去るなどの動物による場合、ほかのプレーヤーの球が当たった場合、ほかのプレーヤーがボールを探しているときに気づかずに触った場合など、外的影響によってボールが動くケースもあります。いずれも頻度としては稀ですが、十分に考えられる原因です。


ゴルフボールが動いたときの対応方法

ゴルフボールが動く原因はいくつか挙げられますが、ゴルフボールが動いたときは自己判断せず、基本的なルールにのっとって対応する必要があります。以下では、代表的な対応方法をご紹介します。

■風や水の力によってボールが動いた場合

風や水など自然の力によってボールが動いた場合、プレーヤーにペナルティが課せられることはありません。
ただし、ボールが勝手に動いてしまったからといって、もとの位置にボールを戻してしまうと、誤所からのプレーとなり、2打罰が課せられてしまいます。

ゴルフでは「あるがまま」の状態でプレーすることが原則とされています。そのため、ボールが自然の力によって打ちにくい場所に動いてしまった場合であっても、ボールが動いて止まった地点からプレーを再開することになります。
どうしても「あるがまま」で打てない場合は、アンプレヤブルによって救済措置を受けることになるでしょう。

■アドレスしたときにクラブが当たってボールが動いた場合

アドレスしたときにクラブが当たってしまいボールが動いた場合は、たとえそれが意図していなかった場合でも、球が動いた原因はプレーヤー自身にあると判断されます。
このケースでは、1打罰が課せられ、ボールを元の位置に戻してプレーを再開します。
このとき、誤ってボールが動いた位置から打つとさらに誤所からのプレーとなり2打罰が課せられてしまいます。自然の力によってボールが動いたときとは対応が異なる点に注意が必要です。

■外的影響によってボールが動いた場合

外的影響によってボールが動いた場合は、原因はプレーヤー自身ではないため無罰です。ただし、自然の力によってボールが動いたときとは異なり、この場合はボールを元の位置、あるいは元あったであろう位置に戻してプレー再開となります。


ゴルフボールが動いたときの注意点

ここまでゴルフボールが動く原因とその対応方法について解説してきましたが、次の点にも注意が必要です。

■ティイングエリアでの対応

ティイングエリアでティアップしたボールが、ストロークする前にティから落ちてしまった場合は、ショットするまではインプレーではないと判断されるため、その原因に関わらず無罰です。ティをセットし直してプレーを再開します。
空振りによってボールがティから落ちた場合もボールがティイングエリア内であれば無罰でボールを拾い上げることが可能です。ただし、空振りは1打としてカウントされます。

■グリーン上での対応

グリーン上でプレーヤーが誤ってボールを動かしてしまった場合は、無罰となり、ボールは元の位置に戻してプレーを再開します。
また、グリーン上で自然の力によってボールが動いた場合は、マークする前であれば「あるがままに」プレーを続け、マークしたあとであれば無罰で元の位置に戻してプレー再開となります。


ボールが動いたときは原因ごとに落ち着いた対応を

グリーン以外の場所では次の3点の対応のいずれかになることを覚えておきましょう。

・自分が原因であれば1打罰かつ元の位置に戻す
・自然の力が原因であれば無罰かつ「あるがまま」でプレー
・外的な原因であれば無罰かつ元の位置に戻す

プレー中にボールが動いたときは、まずは落ち着いてその原因について考え、とくに自然の力が原因であるときに誤って動かさないことに注意が必要です。

また、「風が強い」「雨が降りそう」など、プレーの前にあらかじめその日の天気を確認しておくと、ボールが動いたときにもより落ち着いた対応ができるはずです。「tenki.jp」の「全国のゴルフ場の天気」であれば、全国各地のゴルフ場の天気をピンポイントで確認できます。より安心してプレー日を迎えられるよう、ぜひご活用ください。

情報提供元: tenki.jpサプリ
記事名:「 ゴルフでボールが動いたらどうする?正しい対応方法を紹介