- 週間ランキング
雪氷防災実験棟の中に入ると、奥に実験室が見えてきました。この実験室の中にあるのが降雪装置。大型の低温室の中に人工降雪装置が備えられています。この装置が世界で唯一、天然の雪に近い結晶の形の雪を降らす装置で、最大で1時間に1ミリの降水量に相当する降雪を再現できるものです。
実験室の中はマイナス20度の世界。しんしんと雪が降っていました。
『1時間に1ミリの降水量の雨』だと、どちらかというと弱い雨を想像するのですが、雪の場合は1時間に1ミリでもしっかり降っているという印象でした。あまり雪に慣れていない東京では、「大雪」だと感じる方も多いのではないでしょうか。
さて、ここで問題です。『1時間に1ミリの降水量の雪は積もると何センチになるでしょう?』
①0.5センチ
②1センチ
③3センチ
正解は…①~③全て〇です!
なぜ降る量は同じなのに積もる量に幅があるのかというと・・・その秘密は気温によるものでした。
1時間に1ミリの降水量の雪はおよそ1センチの積雪が目安とよくいわれますが、気温が0℃より高い場合は積もる量は少なく、1センチに満たないことがあります。その反対で、気温がしっかり下がっていると、積もる量は多くなります。1ミリの降水量でも3センチの積雪になることがあるのです。
雪に慣れない地域の方は特に、雪の予報と合わせて気温も確認するなど、雪への対策はしっかりしてくださいね。
協力:防災科学技術研究所 雪氷防災研究センター 雪氷環境実験室 根本室長
動画解説:安齊 理沙