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ゴルフでは、ホールごとに定められている規定打数を「パー」と呼び、規定打数ちょうどでホールアウトすれば「パー」、規定打数より1打少ない打数でホールアウトすることを「バーディ」と呼びます。
「バーディ」は英語で幼児言葉の「birdie(小鳥ちゃん)」といった意味で、さらにパーより2打少ない場合は、小鳥より大きな鷲を意味する「イーグル(eagle)」、パーより3打少ない場合は、鷲よりもさらに大きく飛翔力のあるアホウドリを意味する「アルバトロス(albatross)」と呼びます。
そして、パーより4打少ない場合の呼び名は、世界的にも最大級の大きさを誇る鷹「コンドル(Condor)」。つまり、パー5のホールでのホールインワンや、あまり一般的ではないものの、パー6のホールを2打で、パー7のホールを3打でホールアウトすることを「コンドル」と呼ぶのです。コンドルはほかにも「ダブルアルバトロス」や「トリプルイーグル」と呼ぶこともあります。
コンドルというスコアの意味を知って「そんな記録が現実にあり得るの?」と思われた方もいるでしょう。たしかに500ヤード先のカップに1打で決めることなど現実的ではありません。
しかし、公式に残されている記録では、2016年3月までに4人のゴルファーがコンドルを達成したとされているのです。
■史上初のコンドル
ゴルフ史上初めてとされているコンドルは、1962年、アメリカ・アーカンソン州においてLarry Bruceという選手によって達成されたもので、コースは480ヤード、「く」の字型のコースだったそうです。
■史上初3番アイアンによるコンドル
2度目のコンドルは史上初のコンドルから30年以上経った1995年、イギリス・クリストウでShaun Lynch選手が達成。馬蹄型にドッグレッグした496ヤードのコースで、史上初の3番アイアンでのコンドル達成でした。
■史上最長のコンドル
さらにその7年後の2002年には、アメリカ・コロラド州でMike Crean選手がコンドルを達成。過去の2例とは異なるストレートコースで、史上最長のホールインワン記録となる517ヤードのコースにおいて、ドライバー1打による記録達成となりました。このゴルフ場は「マイル・ハイ・シティ」と呼ばれる高地にあり、大気の薄さがスコア達成の一助となったともいわれています。
■史上最年少でのコンドル
そして、最新のコンドルの記録は2007年。オーストラリア・サウスウェールズ州でのJack Bartlett選手の記録です。Jack Bartlett選手は当時16歳。史上最年少でコンドル達成の記録を達成しました。
ここまでご紹介してきたとおり、現在、コンドルは過去4回しか達成されておらず、プロトーナメントにおいてコンドルの達成者は現れていません。パーより3打少ないアルバトロスの出現確率が100万回に1回といわれているため、コンドルが狙って達成できる記録ではないことは明らかでしょう。
しかし、奇跡のスコア達成のチャンスはいつ訪れるかわかりません。少しでもコンドル達成に近づくために、以下の2点を意識してみてはいかがでしょうか。
■狙いやすいコースを見極める
コンドルは狙って達成できるほど簡単なものではありませんが、過去に達成された記録に共通するのはすべてパー5でのホールインワンという点です。パー6やパー7でもアルバトロス達成は可能ですが、パー5でのホールインワンがもっとも現実的なパターンといえるでしょう。
また、4例中3例はすべてフェアウェイが大きく曲がったコースをショートカットして記録を達成しているため、コースの形状もコンドル達成のポイントであるといえるでしょう。
■飛距離を伸ばす
偶然コンドルを達成する場合でも、最低条件として飛距離は絶対に必要です。飛距離を伸ばすためには、まずヘッドスピードの向上が不可欠です。ヘッドスピードの向上には筋力アップも求められますが、正しいフォームでスイングすることも忘れてはいけません。
また、ゴルフスイングでボールにジャストミートさせることも大切です。正しい体重移動と、正しいスイング軌道を目指しましょう。
自分に合ったクラブを選ぶこともポイントです。パフォーマンスが向上してきたら、クラブ選びにも注目してみましょう。
コンドルはプロのトーナメントにおいてもお目にかかることのできないほどの貴重なスコアです。コンドル達成はあらゆる偶然が重なることで起こると考えられますが、コースの形状や飛距離を伸ばすことは少なからずコンドル達成の確率アップにつながるはずです。
コンドルの達成にはもちろんその日の大気の状態も大きく関係します。
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