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一年の中で、最も気温が下がりやすいのが1月中旬から2月上旬にかけてです。これからますます寒さが厳しくなり、本格的な冬がやってきます。
地震によって電気やガスが止まったら、暖房器具が使えなくなる場合があり、長期間の停電が発生したら、室内にいても低体温症になるなど、死活問題となってきます。
2021年12月に国が公表した「日本海溝」と「千島海溝」を震源とした巨大地震による被害想定では、死者数が最も多くなるケースは、避難を始めるまでに時間がかかり、積雪の影響で移動が難しい「冬の深夜」となりました。想定される死者数は、日本海溝で約19万9千人、千島海溝で約10万人にのぼりました。
また、津波から逃れたものの、低体温症で死亡するリスクが高まる「低体温症要対処者」についても推計し、日本海溝で約4万2千人、千島海溝で約2万2千人の被害が推計されました。
冬に地震が発生した場合には「被害が拡大」するということが分かりましたが、対策を行うことで被害を抑えることが可能です。
〈資料〉内閣府:日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の解説ページ
非常時にすぐ持ち出すための防災グッズは、季節ごとに見直しが必要です。「冬バージョン」にして備えておくことが大切でしょう。
まずは、停電時に暖をとれるよう、持ち運びができるカセットストーブを用意しておくと良いでしょう。また、衣類は夏物になっていないか見直し、手袋や暖かい靴下、毛布、カイロ、帽子など防寒できるものをまとめておくと良さそうです。
食べ物は当然、温かいものが欲しくなりますので、カセットコンロで使用するカセットガスボンベを多めに用意しておくことも1つです。火を使わずに温かい料理ができる調理器などを備えておく方法もあります。
また、寒さを避けるために、車の中に一時的に避難するというケースもあると思います。車の中にも毛布や寒さをしのげるグッズを常日頃準備しておき、車の燃料は早めに給油をしておくことが防災につながります。
車の中での災害時の備えは、雪による車の立ち往生が発生した時などにも役立ち、冬の時期は特に重要です。
豪雪地帯では、積雪がみるみる増える季節になりました。
屋根の上にたくさんの雪が積もっている場合、地震の揺れによって、家屋の倒壊や、屋根からの落雪の可能性がより大きくなります。
屋根からの落雪は、人を巻き込んで事故につながる危険性があるほか、避難ルートをふさぐ原因にもなるため、注意が必要です。
冬に避難する際には、積雪や路面凍結、また吹雪によって見通しが悪くなることもあり、避難に時間を要します。自宅からの避難経路を事前に確認し、改めて冬はどういう所に危険があるのか、把握しておきましょう。
冬は、気温が低いため空気が乾燥しやすく、季節風によって風も強まる季節です。いったん火災が発生すると、延焼拡大などで火災のリスクが高くなるため、火災に気をつけなければいけません。
また、暖房器具を使用している冬に地震が発生すると、転倒などより引火し、火災が広がりやすくなります。暖房器具が転倒した際に、自動で停止する機能が備えられているものもありますが、停電が復旧すると再起動したり、配線の損傷から漏電したりして出火する通電火災にも注意が必要です。
暖房器具のそばには、可燃物を置かないようにして、避難の際には、必ずブレーカーを落とすようにしましょう。普段から、火の元の確認や消火器の設置場所を確認するなどを心がけて、いざ地震がきた時にも焦らずに落ち着いて行動できるようにしておくことが重要です。
ますます寒さが厳しい季節に入ります。ご家庭や身近な場所で、事前に対策できることがないか、冬の防災について考えておきましょう。