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令和3年の山岳遭難件数は2,635件とお伝えしましたが、遭難者数は3,075名もいます。すべてが登山者というわけではないのですが、それでも遭難者の77.9%が登山者です。このような遭難に備えとして大事なのが、登山届(登山計画書)の提出になります。
登山計画書を家族や友人と共有しておくことで、遭難したときの救助が素早く行えますし、何よりも計画を立てることで、無理のない登山スケジュールを組むことができます。予防にもなり、遭難したときの備えにもなるわけです。
これを面倒だと感じて、提出しない人もいるようですが、いざというときに困るのは自分ですし、提出していないことで多くの人に迷惑をかける可能性があります。
登山届や登山計画書がない状態で遭難すると、救助する側もどこを捜索していいのかわかりません。必然的に広範囲を探すことになるので、発見が遅れてしまう可能性もあります。その結果、どうなるかは容易に想像つきますよね。
自分自身を守るため、周りの人に迷惑をかけないためにも、登山届は必ず提出してください。
令和3年における山岳遭難の概況
登山計画書や登山届は遭難したときの捜索をスムーズにしてくれますが、それでも登山道の距離が長い場合には、どこで遭難したのかわからないと、やはり捜索に時間がかかってしまいます。そこで役に立つのが、登山地図GPSアプリYAMAPの「みまもり機能」です。
みまもり機能では、登山中の位置情報をサーバーにアップロードし、その情報を家族や友人と共有できるので、いまどこにいるのかを把握してもらえます。この機能の素晴らしいところは、オフラインでも位置情報を共有できることです。
みまもり機能をONにするとYAMAPユーザー同士で位置情報の共有を行い、どちらかのユーザーがオンラインになると、すれ違ったユーザーの位置情報も含めてサーバーにアップロードします。これにより、遭難したときの捜索範囲の絞り込みがしやすくなるというわけです。
自分が遭難したときに助かるだけでなく、誰か他の人の命を助ける可能性もあります。すでに多くの人が利用して、みまもりネットワークが機能している状態ですので、登山するときにはぜひご活用ください。
みまもり機能とは|YAMAP
YAMAPの「みまもり機能」を使っていれば、遭難したときに捜索をスムーズにしてくれますが、遭難してすぐに救助されるわけではありません。場合によっては山で夜を過ごす必要もあり、滑落などの理由で遭難し、ケガで動けないことも想定しておく必要があります。
そこまで考えなくてはいけないの?と思うかもしれませんが、何が起こるかわからないのが登山です。遭難から救助までの時間を安全に過ごすために、エマージェンシーキットを用意しておいてください。
・エマージェンシーシート
・ホイッスル
・電池や予備のモバイルバッテリー
・LEDライト
・絆創膏
・消毒用アルコール
・テーピング
エマージェンシーキットとして、最低限用意しておきたいアイテムをリストアップしました。これらをひとつの袋にまとめて入れておきましょう。これらはどのような山でも必ず持っていき、あとは山の難易度に合わせて、食料や簡易テントなどを追加しておきましょう。
遭難は登山をする人なら、誰にでも起こる可能性があるトラブルです。自分だけは大丈夫と考えるのではなく、自分にも起こることだと認識してください。そして、少しでも遭難するリスクを減らすために、計画をしっかりと立てましょう。
初心者だと登山計画書を作るのが難しく感じるかもしれませんが、最近はYAMAPを含め、登山計画書作成をサポートしてくれるアプリがあります。まずはそれらを使って自分なりに作ってみて、登山経験豊かな登山仲間にチェックしてもらいましょう。
計画を立てるときには、無理のない計画にすることも重要です。そして実際に登山を開始してみて、予定よりも遅れているようであれば、山頂を目指さずに早めに折り返して下山しましょう。山は逃げたりしませんので、また計画を立て直して再挑戦すればいいだけです。
このように、まずは遭難しないためのリスク管理を徹底してください。それでも遭難する可能性があるのが、登山の難しさです。自分の安全を守るためにも、家族や友人などに迷惑をかけないためにも、遭難することも想定した準備をしたうえで山に向かってください。