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台風とは、熱帯や亜熱帯の海上で発生する熱帯低気圧のうち、赤道より北側かつ、東経100~180度にあって、最大風速が17.2m/s以上にまで発達したものを指します。
台風は「強さ」「大きさ」ともに「風」で区分しています。
台風の強さは、最大風速が33m/s(64ノット)以上~44m/s(85ノット)未満を「強い」、44m/s(85ノット)以上~54m/s(105ノット)未満を「非常に強い」、54m/s(105ノット)以上を「猛烈な」台風と決めています。
また、大きさは強風域の半径が500km~800km未満を「大型」とし、800km以上を「超大型」としています。
近年大きな被害をもたらした台風の一つに、2019年10月に伊豆半島に上陸し、関東地方を北上した「令和元年東日本台風」があります。日本に近づく前に915hPaまで下がり、上陸直前の気圧は955hPaでした。日本付近の海面水温が高くなっていたため、「大型」かつ台風の勢力が衰えないまま「強い」勢力で上陸し、大きな被害を及ぼしています。
近年、日本のすぐ南海上で台風が発生してすぐに接近したり、勢力が衰えないまま接近や上陸するケースがあるため、気象情報はこまめな確認が必要です。
台風は気象衛星ひまわりで上空から見ると円形をしていますが、横から見ると図のような複雑な構造をしています。
台風の中は、発達した積乱雲が並んで激しい上昇気流が起こっていますが、台風の中心部は実は下降気流となっています。台風の中心は「台風の目」と呼ばれ、台風の目に入ると、短い時間、青空が見えることがあります。台風の目の直径は約20km~200kmです。一般に、台風の目が小さくはっきりしているほど、台風の勢力は強いと言われています。
台風の目の側面は「アイウォール」や「目の壁雲」とも呼ばれています。台風の構造の中で最も発達した積乱雲が台風の目を囲むように立ち並んでいるため、その下では暴風雨をもたらすなど、かなり危険な状況になります。いったん台風の目に入り、青空が見えてもその後すぐにアイウォールに入ると大荒れの天気になる恐れが高いため、厳重な警戒が必要です。
「スパイラルバンド」は、アイウォールの外側の雨雲で連続的に激しい雨を降らせます。
スパイラルバンドの更に外側には「アウターバンド」が存在します。台風特有の急に雨が激しく降ったりやんだりというのを繰り返すことがあります。
大型の台風の際などは、台風から離れていても、スパイラルバンドやアウターバンドの雨雲がかかり、断続的に激しい雨や落雷、竜巻などの突風の恐れがあるため、注意が必要です。
台風情報を確認する上でおさえておきたいのが、台風進路図の見方についてです。
まずは、現在の台風位置を黄色い線で丸く囲んだ所を平均風速15m/s以上の「強風域」、赤い線で囲んだ所は更に風が強く平均風速25m/s以上の「暴風域」です。
暴風域に入ると、看板が落下したり、建物が倒壊するような猛烈な風が吹くこともあります。
白い点線で描かれたのは「予報円」で、台風の中心が通る可能性(確率は70%)がある場所を示しています。
自分の住んでいる地域が、予報円の中に入っていないから大丈夫と考えるのは危険です。30%は、この予報円の外を通る可能性があるためです。
そして、よく勘違いされますが、予報円が大きいから大きい台風がくるというのは大間違いです。予報円が大きい場合は「どこを通るのか予想がついていない」ということになりますので、台風の動きに一層警戒する必要があります。
予報円の外側には赤い実線で囲まれた部分がありますが、これは「暴風警戒域」を示し、予想された時間に台風の中心が「予報円」の中に進んだ場合、風速25m/s以上の暴風域に入る可能性のあるエリアを示しています。
台風が接近する際には、いかなる場合も十分な警戒が必要ですが、特に自分の住んでいる地域が「暴風域」に入っていたり、「暴風警戒域」に入ると予想されている場合は、屋外での活動は危険です。トラックが横転したり、建物が倒壊するなど、大きな被害を受ける恐れがあるため、厳重に警戒してください。
夏休みに海のレジャーを計画されている方もいらっしゃると思いますが、海は風が強い日に波が高くなることはもちろん、風の弱い日でも同じような波の状態が続く時、100波に1波は1.5倍、1000波に1波は2倍近い高波が出現します。
台風によるしけが長引くほど「一発大波」と呼ばれる巨大波が出現する危険性が増すため、台風シーズンは十分な注意が必要です。
海に行く際には、遊泳が禁止の場所には絶対に入らないようにしてください。
遊泳が許可されている場所でも、波の様子には十分な注意が必要です。
遠く離れた海上でも、台風情報を確認し、台風が発生している日には海のレジャーは計画を立て直すなど安全第一で行動をとるようにしましょう。