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まず重要なのは野生動物に遭遇したときに、大声で叫ぶなどして野生動物を刺激しないことです。襲われるのではないかと思って、パニックになってしまうかもしれませんが、とにかく冷静に対処しましょう。
野生動物に遭遇したときに、心がけるポイントをリストアップしておきます。
● 大声で威嚇しない
● 走って逃げない
● こちらから近づかない
大事なのは野生動物に警戒心を抱かせないこと。野生動物がこちらの存在に気づいていないなら、ゆっくりとその場から離脱し、こちらの存在に気づいているなら、警戒をしつつ野生動物が立ち去るまでじっと待つのが基本です。
ただし、野生動物に対して100%完璧な対処方法というものはありません。遭遇する状況や野生動物の種類などが違えば、起きる事故の内容も対処方法も変わってきます。たとえば猿は目を合わせてはいけないとされますが、熊は目をそらすのはNGとされています。
これさえおぼえておけば大丈夫という万能な対処方法はないということも、しっかりと頭に入れておきましょう。
山で野生動物に遭遇してしまったら、できるだけ刺激を与えず離脱するか、相手が離れていくのを待つかのどちらかしかありません。とはいえ、野生動物を目の前にして、冷静に対処するというのは簡単なことではありません。
私も何度か山で野生動物に遭っていますが、考えごとをしながら歩いていたら目の前にイノシシがいて、驚きのあまり大きな声を出してしまったことがあります。いつでも冷静でいられるわけではありませんので、やはり大事なのは遭遇しないことです。
● メインの登山道から離れない
● 野生動物がいる山で単独登山はできるだけ避ける
● イヤホンで耳をふさがない
● 熊鈴やラジオで音を出しながら歩く
野生動物に遭遇しないために、この4つを意識して山を登りましょう。野生動物は警戒心が強いため、基本的には人が多いところには近づいてきません。このため、登山道をキープしながら複数人で歩いていれば遭遇を回避しやすくなります。
また、自分が野生動物の存在に気付けることも大事ですので、登山中はイヤホンを着用して音楽を聴くのはやめておきましょう。自然の中で音楽を聴くのは気持ちがよいかもしれませんが、没頭しすぎると野生動物がいるシグナルを見落としてしまいます。
野生動物に存在を気付いてもらうことも大事ですので、熊鈴やラジオなどで音を出しながら歩くのも有効です。ただし、それらは相手に存在を気付かせるだけで、実際に逃げてくれるかどうかは相手次第。100%安全というわけではないということも、頭に入れておきましょう。
野生動物の中でもとくに遭遇したくないのが熊です。本州に生息するツキノワグマは比較的安全な熊とされていますが、全国各地で事故が起きていることを考えると、可能な限り遭遇しないように気をつけたいところですよね。
とはいえ熊鈴を使ったところで、遭遇を100%回避できるわけではありません。ではどうすればいいのでしょう。考え方はいくつかありますが、そもそも熊の目撃が少ない山や登山ルートを選ぶというのがおすすめです。
自治体によっては下記のように熊出没マップを公開しており、どこのエリアで熊を見かけたかがわかるようになっています。
令和4年ツキノワグマ出没情報地図 |石川県
令和3年度ツキノワグマ出没マップ|宮城県
ツキノワグマについて(出没情報)|京都府
登山前に熊出没マップをチェックしておくことで、出没頻度が高い場所の通過を回避したり、できるだけすみやかに通過したりするなどの対策ができます。また、登山道に「熊出没注意」の看板などがある場所も、滞在時間を短くして安全な通過を心がけましょう。
登山中の野生動物との遭遇リスクや回避方法についてお伝えしましたが、実際に登山をしているときに野生動物に出会う確率はとても低く、むしろ遭ってみたいと考えている人もいるかもしれません。
遭遇する可能性が低いのに、それに備えるというのは無駄に思えるかもしれません。でも熊やイノシシとの遭遇は登山をする人なら誰にでも起きるリスクであり、心構えがないとパニックになって、間違った行動をとってしまう可能性があります。
野生動物との遭遇は必ず起きることだと考えてください。そのための備えとして、熊よけスプレーを持っていくのがおすすめ。熊よけスプレーは熊だけでなく他の野生動物にも使えますので、ザックの取り出しやすい場所に収納しておくと安心です。
ただし熊よけスプレーは最終手段であり、使わずに済むのがベスト。まずは遭遇しないための行動を心がけて、それでも運悪く遭遇してしまったときは、できるだけ刺激を与えないようにして、その場から離れることを優先しましょう。