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「フラワームーン」は、月の満ち欠けとともに生活していたネイティブアメリカンが、12か月の満月に付けていた名前に由来します。
「4月の雨は5月の花を咲かせる(April showers bring May flowers)」という英語の諺には、降り続いた雨(悪いこと、大変なこと)の後には素晴らしい結果が待っているという意味があります。「メイフラワー(Mayflower)」は、5月に咲き誇る花をあらわす言葉。古より、人々は花の季節を心待ちにしていたことが伝わってきますね。
日本でも、5月は艶やかな花の季節。花の女王と呼ばれるバラは見頃を迎え、美しさの象徴とされてきたボタンが大輪の花を咲かせます。同じボタン科のシャクヤクも、高貴な美しさで目をひきます。母の日に贈るカーネーションは、5月を代表する可憐な花。今月は、季節の花を飾って、満月を楽しんでみてはいかがでしょうか。
4月に続き、日の出前の東の空には多くの惑星が姿を見せています。日の出の1時間前、南東のやや高い空に土星、東よりの空に火星と木星が並んで見え、東の低空には金星が明るく輝いています。
5月22日から27日の6日間に渡って、4つの惑星の近くを月が徐々に欠けながら巡る様子が見られます。22日に下弦前のやや膨らんだ月が土星の右下に見え、翌23日に下弦の月が土星の左下に移動します。25日になると火星と木星に接近し、27日にはさらに細くなった月が金星の右側に並び、美しい光景となります。
27日の午後、月が金星を隠す「金星食」がおこります。観察できるのは、宮崎県、鹿児島県の一部、沖縄県、東京都小笠原村など、一部の地域のみ。昼間の現象となるため、肉眼では見ることはできませんが、双眼鏡や望遠鏡を使うと観察可能です。その際は、太陽を見ないように注意しましょう。
同じ月に2回満月があるとき、その2回目の満月のことを「ブルームーン」と呼ぶことがあります。一方、「ブラックムーン」は、同じ月に2回新月があるとき、その2回目の新月のことを言います。5月は1日に1回目の新月があり、30日の新月は2回目。この日の新月は、ブラックムーンにあたります。
2、3年に1度しか訪れないブラックムーン。次回は2年後の2024年12月で、1日と31日が新月になります。
・参考文献
『アストロガイド 星空年鑑 2022』 アストロアーツ
・参考サイト
国立天文台「ほしぞら情報」
アストロアーツ「いろいろな月の呼び方」