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能登半島の中ほどに位置する中能登町には多くの古墳があり、その中の一つである杉谷チャノバタケ遺跡から1987(昭和62)年、「日本最古のおにぎり」が出土し、当時、とても話題になりました。
出土されたものは、おにぎりというよりは、包まれて蒸されたチマキ状の塊で、もち米が使用されていました。炭化して黒っぽくなってはいましたが、米粒がはっきりとわかる状態で、形は縦長の三角形。調理加工した米としては日本最古で、それがいつの間にか「日本最古のおにぎり」と呼ばれるようになりました。
2005(平成17)年、石川県の鹿西町(ろくせいまち)と鳥屋町と鹿島町が合併し、現在の中能登町になりました。日本最古のおにぎりが旧鹿西町で出土されたことから「ろくせいちょう」の「6」と、毎月18日が「米食の日」と制定されていることから「18」で、6月18日がおにぎりの日となりました。遺跡から“おにぎり”が出土したことにより、中能登町は「おにぎりの里」として親しまれ、毎年6月18日にはおにぎりに親しむイベントが行われています。まさに、日本最古のおにぎりの出土が、町おこしの一役を担っている、というわけです。
海苔でおなじみの山本山は2019(令和元)年、好きなおにぎりの具についてアンケート調査を行いました。それによると、1位が鮭、ついで明太子、梅干し、昆布の順となりました。
1位 鮭(21.6%)
2位 明太子(13.3%)
3位 梅干し(12.7%)
4位 昆布・昆布佃煮(8.9%)
5位 たらこ・焼きたらこ(8.6%)
6位 ツナマヨ(7.4%)
7位 すじこ(5.4%)
8位 おかか(鰹節)(3.5%)
9位 塩のみ(3.4%)
10位 梅おかか(3.3%)
サンドイッチのように具を挟むおにぎらずや、写真映えするカワイイおにぎりなども話題になっていますが、こうやって10位までのランキングを見てみると、鮭がダントツの1位。全体的には、昔からの定番の具に人気が集まっているようです。
参照
山本山:おにぎりの具の人気ランキング
山本山が行った好きなおにぎりの具のアンケート調査では、全国地区別でのランキングも見ることができます(以下、1位=(1)、2位=(2)、3位=(3))。
北海道:(1)鮭 (2)すじこ (3)梅干し
東 北:(1)すじこ (2)鮭 (3)梅干し
北 陸:(1)昆布 (2)鮭 (3)梅干し
関 東:(1)鮭 (2)明太子 (3)梅干し
信 越:(1)鮭 (2)梅干し (3)すじこ
中 部:(1)鮭 (2)梅干し (3)明太子
関 西:(1)鮭 (2)梅干し (3)昆布
中 国:(1)鮭 (2)ツナマヨ (3)昆布
四 国:(1)鮭 (2)昆布 (3)梅干し
九 州:(1)明太子 (2)鮭 (3)梅干し
沖 縄:(1)ポーク卵 (2)鮭 (3)明太子
これを見ると、どの地区にもベスト3に鮭が入っています。おにぎりの具において、鮭は全国どの地区でも不動の人気を誇っていることがわかります。
鮭が獲れる北海道・東北・信越では、すじこがランクイン。九州では明太子が1位なのも、うなずけます。中国地区でツナマヨがランクインしているのも特徴的ですね。
そして、もっとも目を引くのが沖縄のポーク卵。堂々の第1位です。沖縄で「ポーク」とよばれる、豚肉を加工した缶詰は、沖縄県人のまさにソウルフード。本州などではスパムともよばれています。このポークと卵焼きを、おにぎらずのようにご飯でサンドしたのが、ポーク卵おにぎりです。沖縄ではポーク卵おにぎりの専門店も登場するほどの人気ぶり。ポーク卵のおにぎり。いったいどんな味がするのでしょうね。
参照
山本山:おにぎりの具の人気ランキング
参考
石川県中能登町:中能登百物語(おにぎりの歴史)
石川県中能登町:6月18日はおにぎりの日です
中日新聞:日本最古 一目で「おにぎり」 第一発見者・栃木さんに聞く
一般社団法人おにぎり協会:おにぎりの歴史
琉球新報:肉厚ポークに卵焼き 一度食べたらやみつきに「ポーク卵おにぎり」は沖縄のお母さんの味
沖縄地方では梅雨が明けましたが、まだ多くの地域では梅雨真っ只中です。貴重な晴れ間には、好きな具を入れたおにぎりを持ってお出かけしたいですね。