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まず初詣の服装。神様に挨拶に行くわけですから、紋付袴とまでは言いませんが、少なくとも清潔感のある服装を心掛けましょう。上司の家に招かれたときに、どのような服装を選ぶかを考えてみましょう。上下ジャージみたいな服装にはならないはずです。
寒さ対策をしっかりとするのはもちろんですが、そのうえで目上の方に対して失礼のない服装を選びましょう。
清潔感のある服装で神社を訪れたら、まずは鳥居の前で一礼してください。鳥居の向こう側は神様の領域です。いわば上司の家に上がるようなものですので、お邪魔しますと口に出さないまでも、態度で示すという意味で丁寧に礼をしましょう。戻るときも同じく一礼してください。
参道はよく言われていますように、できるだけ中央部分は避けて歩くのが基本です。中央部分は神様の通り道とされていますので、神様に敬意を払って左右に分かれて歩いてください。ちなみに鳥居をくぐる際には、鳥居の左側にいたら左足から、右側にいたら右足から踏み出します。
参拝するときにはお賽銭を投げる習慣がありますが、人によっては「投げる」というのが失礼ではないかと感じているかもしれません。実はお賽銭には2つの考え方があり、投げるのも投げないのもどちらも正解とされています。
お祓いのためにお賽銭を納める:投げる
お供え物としてお賽銭を納める:投げない
このように、お賽銭の目的によって投げるか投げないかが変わってくるとも言われています。初詣は神様への挨拶ですから、お賽銭はお供え物という扱いになるので、できるだけ投げ入れないほうがいいかもしれません。賽銭箱にそっと納めるようにしましょう。
ちなみにお賽銭の金額に決まりはなく「ご縁がありますように」と5円にするのもいいですし、1年間お世話になったと思えば、いつもよりも多めに納めるのでも構いません。ただし、たくさん納めたからといって願いごとが叶うわけではありません。
そもそも初詣は願いごとをする行事ではなく、過ぎた1年の感謝と新しい1年の無事を祈願する行事。自分の気持に応じた額を納めましょう。
【参考】
お賽銭について|神社本庁
初詣でおみくじを引いて1年を占うという人もいると思いますが、結果があまり良くなかった場合に、もう1度引きたくなりますよね。そういうときに覚えておいてもらいたいのは、おみくじで大事なのは吉凶ではなく、何が書かれているかということです。
基本的におみくじは、何に対して聞きたいのかを明確にしてから引きます。これから1年の運勢でもいいですし、学業との向き合い方などでも構いません。聞きたいことを決めて、それに対する神様のアドバイスですので、何度も引くというのは神様に対して失礼というものです。
神様に聞きたいことごとにおみくじを引くのはOKですが、神様の答えに対して「それは受け入れたくない」と反発するのは、そもそものおみくじの在り方に反します。何度引いても構いませんが、本当にそれでいいのか自分なりによく考えて決めましょう。
おみくじは神社に結んでも、自分で持って帰ってもどちらでも構いません。神様との縁を結ぶために結び所に括り付けるもいいですし、お守りとして持ち歩くのも自由。自分の納得する方法を選びましょう。
初詣は日本の美しい伝統行事のひとつです。そこには長く守られてきた作法があり、その作法にはきちんと意味があります。作法にがんじがらめになる必要はありませんが、効率的であることを重視された時代だから、見落とされている所作がいくつもあります。
そもそも、なぜ自分が初詣に行くのかを自分なりに考えて、そして目的に見合った行動を心掛けてください。神様に挨拶をするのであれば、服装も清潔感のある落ち着いた色合いのものを選び、神様に失礼のない参拝を意識してみましょう。
大切なのは神様を敬う気持ちです。その気持ちがあれば、所作は自然と丁寧になるはずです。寒いからといって背中を丸めるのではなく、背筋を伸ばして美しい歩き姿を意識しましょう。きっといつもよりも、気持ちのいい初詣になるはずです。
ただし混雑している時間帯ですと、丁寧な所作を心がける余裕がなくなるかもしれませんので、初詣は混雑しない地元の氏神様に行くか、三が日にこだわらない分散参拝がおすすめです。ゆっくりと自分のペースで参拝をして、気持ちよく1年をスタートさせてください。