雲は大きく分けると、発生する高さに応じて3種類、さらに分けると10種類に分けることができます。「雨雲」「雪雲」や「ひつじ雲」などの俗称は一度は聞いたことがあるでしょう。今回は上空の真ん中付近に発生し「中層雲」と呼ばれる「高積雲」「高層雲」「乱層雲」についてご紹介します。


中層雲とは?

中層雲とは、その名の通り上空の真ん中付近(2000m~7000m)に発生する雲をいいます。中層雲には「高層雲」「高積雲」「乱層雲」がありますが、「中」層雲なのに「高」層雲?などと混乱してしまうかもしれません。少々ややこしいですが、「上・中・下層雲」の「層」は上下(鉛直)方向の「層」を意味し、高層雲・乱層雲などの「層」は水平方向の「層」を意味しているのです。


高積雲について

高積雲(こうせきうん)は、白色または灰色の丸みのある雲のかたまりが規則的に並ぶ雲です。
巻積雲(けんせきうん)と特徴や成因が似ていますが、高積雲のほうが低い位置に現れるのでより大きく見えます。よく耳にする「ひつじ雲」はこの高積雲のことを指しています。巻積雲⇒高積雲の順に現れると、次第に天候が悪化することが多くなります。


高層雲について

高層雲(こうそううん)は、灰色でやや厚みのあるベール状の雲です。空全体を覆うように広がることが多く、太陽はぼんやりと見えるようになります。巻層雲(けんそううん)と特徴や成因が似ていますが、高層雲は雲粒の大部分が水滴であるため「ハロ(暈)」は発生しません。また、高層雲は巻層雲と比べて分厚いので、日光を遮り、地上の物に影ができません。よって高層雲と巻層雲は地上に影ができるかどうかで判別することができます。


乱層雲について

乱層雲(らんそううん)は、空全体を厚く覆う暗い灰色の雲です。見ての通り、いかにも雨を降らせそうな雲です。
雨や雪を降らせることから、「雨雲」や「雪雲」と呼ばれています。雲頂部は、ところどころ積乱雲のように盛り上がっています。中層雲に分類されますが、発達して上層や下層に広がることも多く見られます。乱層雲が現れた場合は、これから天気が悪化するというよりも、すでに悪化している状態のほうが多いでしょう。
ここまでで説明した3つの「中層雲」のうち、雨や雪などの降水をもたらすのはほとんどの場合「乱層雲」です。「乱層雲」かな?と思ったら雨具を準備するのも良いですが、雲の判別はなかなか難しいので、tenki.jp雨雲レーダーをしっかり確認すると良いでしょう。

情報提供元: tenki.jpサプリ
記事名:「 【十種雲形】雲は全部で10種類 見分け方を形や高さから解説!~中層雲編~