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つるし雛の始まりは、江戸時代までさかのぼります。
江戸時代の雛人形は娘の嫁入り道具としての役目もあり、どんどん高価なものとなり、庶民にはなかなか手に入らないものでした。豪華な雛人形はお金持ちの象徴でもありました。
そんな中、雛人形は買えなくても、我が子にも幸せになってもらいたいという気持ちを込めて、作り始められたのがつるし雛です。
雛人形にはもともと「身代わり」という意味がありますが、つるし雛は特に赤ちゃんにとっての大切なお守りだったようです。赤ちゃんが生まれると、両親はもちろん、祖父母や親戚も集まって小さな人形を作り、糸を通して飾りました。つるし雛を飾ることで、我が子が神様に連れて行かれたりすることのないように、という願いが込められているのです。
つるし雛の風習は、静岡県、福岡県、山形県の3つの地域が、歴史的な背景や由来・文献等の残るゆかりの地となっており、併せて「全国三大つるし飾り」とも呼ばれています。どの地域においても、その起源は江戸時代末期ではないかと考えられています。
・福岡県「さげもん」
福岡県では、袋物を下げるという風習があります。これを「さげもん」と言います。
つるし雛の一つひとつの飾りが袋物になっており、ここに縁起のいいものを入れて飾ります。多くのつるし雛は形を模した人形を飾ります。ですが、福岡県の「さげもん」は人形ではなく、吊るした小さな袋に本物を入れて飾るというのが通例となっています。
・静岡県「雛のつるし飾り」
つるし雛の多くは、紙細工や布で作った人形を飾るのが一般的。木工細工をつるし雛に吊り下げるのが静岡の特徴です。静岡県では、雛人形に使われる木工細工を多く作っていたためです。つるし雛に飾る際には、雛人形に飾るお道具を更に小さくした木工細工を作り、それを飾ります。ミニチュア版の細工も見ものです。
・山形県「傘福」
つるし雛は、木の枠組みにぶら下げたり、電灯の笠のような形をしたものにぶら下げたりして飾ります。山形県では傘にぶら下げて飾るのが通例で、これを「傘福」と呼び親しまれています。
つるし雛を見ていると、人形だけでなく、これは何だろう?という様々なものが吊るされています。
・幸運が舞降りる!?~伝統芸能の舞「三番叟(さんばそう)」を表現した人形
「三番叟(さんばそう)」とは、能楽の中でも特に神聖視されている狂言「翁」の一部です。主たる内容は天下泰平を祈り、五穀豊穣を寿(ことほ)ぎます。当時のあらゆるめでたさや幸せの願いが込められた舞でした。つるし雛には、伝統芸能の「三番叟(さんばそう)」という舞を表現した人形が飾られます。
・五穀豊穣祈願~野菜や米、食べ物
農民にとっての幸せとは、五穀豊穣です。米や野菜が豊作に実れば、それらを売り歩くなどしてお金が手に入り、肉や魚などのご馳走を購入するということにつながります。つるし雛には、そんな五穀豊穣の願いが込められています。
・生活や衣服に困りませんように~糸巻
食べ物の他にも衣食住にまつわる様々な人形が作られています。
例えば糸巻(いとまき)は、裁縫が上手になるように、着るものに困りませんようにという願いが込められています。
・人生を照らすホオズキ
鬼灯(ほおずき)には、人生を明るく照らす提灯の意味があります。住むところや食べることに困らない、明るい未来がありますようにという願いが込められています。
【引用】
吊るし雛の種類・いわれ
かわいい吊るし雛大集合
雛祭りの定番食材といえば、ハマグリ。ハマグリの由来は形が栗を思わせることから「浜の栗」それがハマグリになったとか。
ハマグリの2枚の殻はどんなに沢山集めても「元の一対でなければ決して合わない」ことから「一夫一婦、仲の良い夫婦になるような良縁がありますように」という願いが込められています。平安時代から貝合わせはお姫様の遊びでしたので、お姫様のように苦労しない富ある生活への願いも込められているかもしれませんね。
また、ハマグリには、鉄分など女子に不足しがちな栄養素も多く含まれており、冬~春にかけて旬の時期です。お吸い物だけでなく、シンプルに焼くだけでも美味しく、様々なレシピが楽しめます。
和洋中のハマグリレシピはこちら(キッコーマン)
ハマグリの殻は、美しいフォルム、つるりとした材質です。頂いた後は、殻に布や和紙、折り紙を貼り付けて、ハマグリ雛を作ることもできます。
貝殻で来年用のお雛様を作って、置いたり吊るしたりを楽しんでみるのもいいですね!
春の気配もそこまでやってきています。健やかにお過ごしください。