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モヘアとは、トルコのアンゴラ(アンカラ)地方を原産とする「アンゴラ山羊」から採取した毛のことです。もともとの原産地であるトルコを筆頭に、南アフリカやアメリカが三大原産国といわれており、中でもアメリカ・テキサス州は世界的なモヘアの生産地として有名です。
素材の特徴は、絹のようなつややかな光沢と柔らかな手触り、長い毛足で、スーツやニットなどに多用されています。
■ウールとの違い
モヘアは同じ動物の毛であるウールとしばしば混同されがちですが、アンゴラ山羊から採取されるモヘアに対し、ウールは羊の毛全般を意味します。どちらもニットに多用される繊維ですが、ウールにはクリンプと呼ばれる縮れた繊維の固まりがあり、暖かい空気を含んで保温力を高める効果があります。
一方、モヘアにはクリンプはありませんが、起毛した繊維が含む空気の量はウールよりも多く、さらに高い保温力を発揮します。また、ウールは繊維の表面がうろこ状になっていますが、モヘアは角のないなめらかな状態になっているため、肌触りが良いところが特徴です。さらに、モヘアはウールよりも吸湿スピードが高いため、秋冬ニットだけでなく、春夏ニットにも用いられます。
モヘア素材を使ったニットに見られる主な特徴を4つご紹介します。
■1. あったかくて蒸れにくい
毛足が長く、起毛したモヘアは、温かい空気をたっぷり含んで保温する性質を持っています。さらに吸湿性も高いことから、汗などで蒸れにくく、一日中さらりと快適に着こなせるところが特徴です。
■2. 上品な光沢がある
繊維の表面がなめらかで、かつ縮れもないモヘアのニットは、つややかで上品な印象をもたらします。ローゲージニットのようなざっくりとした編み目でも、モヘアそのものの光沢のおかげで、きれいめカジュアルなニットに仕上がります。
■3. 肌触りが良く、チクチクしない
ウールのように、表面がうろこ状になっている繊維は肌に触れるとチクチクするので、インナーが必須です。その点、繊維の表面が平滑なモヘアは、肌触りが良く、素肌の上に着用してもチクチクしません。インナーなしで着用できるので着ぶくれしにくく、スマートに着こなすことができます。
■4. 見た目がもこもこして暖かみがある
モヘアのニットは毛足が長いため、見た目がふんわりもこもこしています。暖かみのある柔らかい表情になるので、ソフトな印象を与えたいときにおすすめです。
モヘアは他よりデリケートな素材なので、適切な方法でケアしないとすぐに生地が傷んでしまいます。お気に入りのモヘアニットを長持ちさせるためにも、正しいお手入れ方法を覚えておきましょう。ここではモヘア素材のニットの適切なケア方法をご紹介します。
■1. タオルで毛並みを整える
モヘアは毛足が長いぶん、繊維同士が絡まりやすく、放っておくとすぐに毛玉ができてしまいます。一度着用したら同系色のタオルを使用し、毛流れに沿ってやさしく撫で、毛並みをきれいに整えましょう。ニット専用のブラシもありますが、モヘアは毛が抜けやすいので、ブラシを使ったお手入れは避けた方が無難です。
■2. 洗濯は手洗いが基本
モヘア素材のニットは摩擦に弱いので、洗濯は手洗いするのが基本です。
洗面器に張ったぬるま湯におしゃれ着洗い専用の洗剤を溶かし、洗濯用ネットに入れたモヘア素材のニットを15~20回ほどやさしく押し洗いしましょう。そのまま5~10分ほど浸け置き洗いしたら、水を替えて2~3回替えながら、洗面器の中で泳がすようにすすぎます。最後のすすぎ時に柔軟剤を入れると、モヘヤ特有のふんわり感をキープしやすくなります。
すすぎが終わったら、大きめのバスタオルで挟んで水気を拭き取り、風通しの良い場所で陰干しにします。ハンガーにかけると、重みで生地が伸びてしまいますので、平干し専用ネットなどの上で平らに干しましょう。
■3. 着用するたびに2~3日休ませる
モヘア素材のニットは、一度着用したら2~3日は通気性の良い場所に陰干しし、繊維を休ませましょう。連日着用すると、毛並みが乱れて毛玉ができやすくなるほか、光沢も失われるので要注意です。
保温性や吸湿性に優れているモヘア素材のニットは、寒い冬を快適に過ごせる人気のアイテムです。ただ、他の素材よりやや耐久性が低いので、連日の着用は避け、こまめにお手入れすることを心がけましょう。
特に寒い日にモヘア素材のニットを着ていきたい!と思ったら、天気予報専門メディア「tenki.jp」で10日間の天気や予想気温、服装指数をチェックしてみましょう。いつ・どんな服装をしていけばよいか考えるときの参考になります。
※新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で外出の自粛を呼び掛けている自治体がある場合は、各自治体の指示に従いましょう。
※外出の際は、手洗い、咳エチケット等の感染対策や、『3つの密』の回避を心掛けましょう。