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コーデュロイとは、綿をビロード織りしたパイル織物の一種です。同じ綿ビロード織りした素材に「ベッチン」がありますが、コーデュロイは縦うねが入っているところが特徴です。日本では「畝(うね)」を意味するcordと、ビロードの和名である「天鵞絨(てんがじゅう)」を組み合わせた「コール天」と呼ばれることもあります。主にウールやコットンを原料としており、パイル織りした生地をカットし、水で揉み込んで畝を作り出した後、ローラーで焼いて光沢感を出していきます。素材としては非常に保温性が高く、ジャケットやスカート、パンツなどのファッションアイテムのほか、帽子やシューズなどに用いられることもあります。
なお、コーデュロイの特徴である畝は、幅が広いものから狭いものまでさまざまあり、1インチ幅に何本の畝があるかを基準に「WALE(ウェル)」という単位で表されます。一般的に、8ウェル程度は太畝、15ウェル程度は細畝に分類され、見た目の雰囲気もがらりと変わります。
コーデュロイは、1960年代にアメリカンカジュアルスタイルや、アイビールックの定番として入ってきて以降、現代に至るまで秋冬ファッションの定番として不動の人気を誇っています。ファッションのトレンドは時代によって移り変わるものですが、コーデュロイが長年愛され続けているのには、主に2つの理由があります。
■1. 秋冬シーズンを暖かく過ごせる
コーデュロイの畝が作る凹凸には、生地と肌の間に空気の層を作るはたらきがあります。暖かい空気を外に逃がさず、長時間キープしてくれるので、秋冬の冷え対策に役立ちます。また、生地の表面に立っている毛羽は見た目が柔らかく、暖かそうな雰囲気を与えるため、秋冬のイメージにぴったり合うところも人気の秘密です。
■2. コーディネートの幅が広い
コーデュロイは、畝の幅によって見た目の印象が大きく変化します。太畝のコーデュロイは見た目の存在感が強く、ボリュームを出したいときに向いています。一方、細畝のコーデュロイは質感がきめ細かく、さらりと着こなせるところが特徴です。それぞれ相反する特徴を持っているので、その日のファッションに合わせて使い分けできるのもコーデュロイならではの魅力です。
秋冬コーデにコーデュロイ素材を上手に取り入れるポイントを3つご紹介します。
■1. 存在感を出したいなら太畝のコーデュロイパンツ
着心地はもちろん、見た目の暖かさも重視したいのなら、太畝のコーデュロイパンツを取り入れるのがおすすめです。茶やオレンジ、くすみのある赤色などをチョイスすると、温かみと落ち着きのあるコーディネートに仕上がります。逆にトップスは、無地のシンプルなものを合わせると、全体のバランスが良くなります。
■2. きれいめに仕上げたいときは細畝のコーデュロイスカート
カジュアル過ぎず、きれいめなコーディネートを目指したいときは、細畝のコーデュロイスカートを取り入れてみましょう。畝の存在感が薄く、ベロアのような上質なイメージを与えるので、エレガントな雰囲気に仕上がります。ざっくりしたニットなど、カジュアルテイストなトップスと合わせてもきれいなシルエットを作れます。
■3. コーデュロイジャケットは着崩しアイテムにぴったり
コーデュロイジャケットはややカジュアルな印象が強く、そのまま着るのは抵抗がある…という場合は、ガーリーなトップスやワンピースの着崩しアイテムとして活用しましょう。花柄やドットのワンピースは、年齢を重ねると一枚で着用しにくくなってしまいますが、カジュアルなコーデュロイジャケットを羽織れば、甘めのコーディネートをきゅっと引き締める役割を果たしてくれます。
コーデュロイは表面に毛羽が立っているぶん、外気のホコリやゴミが付着しやすい傾向にあります。とくに黒やネイビーなどの素材はホコリが目立ちやすいので、秋冬コーデに取り入れるときは、着用前にホコリやゴミが付着していないかチェックしましょう。なお、ホコリやゴミを落とすときにガムテープを使用すると、毛並みが崩れてツヤが失われたり、畝がつぶれてしまったりする可能性があります。コーデュロイ素材のお手入れには、必ずエチケットブラシを使用し、畝や毛並みが崩れないよう注意しましょう。
参考:ITOKIN『コーデュロイ』
コーデュロイは保温性が高く、見た目にも温かみを感じる素材なので、肌寒さを感じ始める秋冬にぴったりです。そのぶん、気温が高い日に着用すると暑苦しさを感じてしまいやすいので、気温の低い日に取り入れるのがおすすめです。
コーデュロイを着て良いかどうか迷ったら、日本気象協会が運営する天気予報専門メディア「tenki.jp」で公開されている服装指数をチェックしてみましょう。その日の予想気温や気温に合わせ、エリアごとにどんな服装が適しているのか提案されているので、服装選びの参考になります。とくに秋は天気や気温が変わりやすいので、お出かけ前に服装指数をチェックし、暖かいコーデュロイを上手に取り入れてみましょう。