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コロンボ計画への加盟以降、日本は積極的に開発途上国支援を行っており、ODA(政府開発援助)は米国、ドイツ、英国に続いて4番目に多く、1年間で1兆円以上の支援をしています。そこで、ここでは「国際協力の日」にちなんで、なぜ日本がこれほどの国際協力をしているのかについて解説していきます。
国際協力の日は「国民一般に国際協力への理解と参加を呼びかける」ことを目的に定められた記念日です。国が国際協力に力を入れようとしても、その重要性を国民が理解していないと多額のODAに税金を使うことができませんし、青年海外協力隊を募っても人材が集まりません。
そこで国は、国際協力の日を中心に、日本が行っている国際協力に関する情報を発信し、知識や理解を広めるためにグローバルフェスタJAPANなどのイベントを開催しています(2020年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、グローバルフェスタJAPANは開催されません)。
その積み重ねもあり、1965年に5名のラオスに派遣から始まった青年海外協力隊は、アジアへは累計15,543名、世界92カ国に累計45,776名を派遣。現在派遣中の隊員数は1,493名と多くの日本人が現地で支援を行っています。※2020年3月31日時点
ODAも2018年に贈与相当額ベースで約141億6400万ドルに達しており、アジアで最も多くの支援を行う国となっています。でも、なぜこのような支援を日本などの先進国が行わなくてはいけないのか疑問に感じる人もいるかも知れません。
そこで、開発途上国へ支援をしなくてはいけない理由について、わかりやすく解説していきます。
【参考】
ODA|外務省
事業実績/派遣実績|JICA海外協力隊
経済的に豊かな国が貧しい国を助ける。あたり前のような思想ですが、この思想が定着したのは第2次世界対戦後のことです。それまでは強い国が弱い国を植民地として支配するのが、世界の流れでしたが、戦後、多くの植民地が独立したときに発生した経済格差を緩和するために、国際協力がスタートしました。
国際協力の日のきっかけになったコロンボ計画は、イギリス連邦諸国の経済格差を緩和するために始まりました。経済格差による貧困は子どもたちが勉強をする機会を奪い、医療インフラが行き届かないため病気にかかりやすく、さらには内戦を引き起こすこともあります。
他所の国のことだから関係ないと思うかもしれませんが、開発途上国の環境問題やエイズ問題などは地球全体にとっての問題で、それらに悩まされている国を支援し経済発展させることで問題解決に近づきます。
また、開発途上国では日本製品が欲しくても高くて買えない状態にありますが、国が発展し豊かになれば、日本の電化製品や食品、自動車などを購入してくれるようになり、日本経済にもプラスに働きます。
途上国を支援することは地球規模での投資であり、より良い世界を作るためになくてはならないものなのです。ただ、日本が多額のODAをしているのはそれだけではありません。実は日本も同じように支援を受けて復興した過去があります。
【参考】
国際協力の学び方|立命館大学
「ガリオア・エロア資金」を知っている人はどれくらいいるでしょう。これは第2次世界対戦後に、アメリカが占領国に対して行った援助資金のことで、日本は1946年から6年間で18億ドルの支援(13億ドルは無償)を受けています。これは当時の金額で約12兆円にもなり、日本の復興を支える資金となっています。
さらには1953年から1966年までの間、世界銀行から復興支援として合計8億6,290億ドルを借りています。この資金は黒部第四水力発電や東海道新幹線、東名高速道路、名神高速道路、愛知用水など、日本のインフラを支える開発に使われています。
このように戦後、様々な形で支援を受けたことが日本の発展に繋がっており、経済支援の重要性を身にしみて知っている国だからこそ、自国の経済が悪化したときでも、日本は積極的にODAや海外協力隊の派遣を続けてきたというわけです。
自分たちが支えてもらったのだから、次は支える側になる。それによって地域の経済格差がなくなり、日本などの支援によって開発途上国を卒業した国が今度は支える側になっていきます。実際に中国やインドといった国はすでに援助する側になっています。
こうして世界の経済格差が埋まり、ゆっくりとでも貧困問題が解決していく。そう思うと、自分たちの税金が国際協力に使われるのも理解できますよね。今の日本があるのは国際協力のおかげで、未来の経済格差のない世界も国際協力があってのこと。
個人でできることはそれほど多くありませんが、せめて国際協力の日くらいは日本がどのような支援を受けてきたのか、そしてどのような支援をしているのかを話題に周りの人たちと話をしてみてはいかがでしょう。
【参考】
国際協力の目的について|JICA
日本の戦後復興|外務省