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これからの時季、見ごろが始まる紫陽花、花に見える部分は装飾花と呼ばれるガクで、よく目をこらすとさらに真花とよばれる本凝縮された小さな本当の花を見つけることができます。そんなこともあってか神秘的で、小宇宙をみているような神々しさを感じますね。
人気の紫陽花ですが、紫陽花に似た花たちも私たちを元気づけるように咲いています。
本日は、星屑がちりばめられたような花をつける、紫陽花に似たお花たちに注目し、同異を楽しみたいと思います。詳しい方なら、たくさん思い浮かばれたのではないでしょうか?
中央の小さな真花を装飾花が囲む咲き方がガクアジサイにとてもよく似ています。カンボク(肝木)は沖縄を除く日本全土に自生する落葉樹です。秋にはガマズミに似た赤い実をつけます。カンボクはもともと日本へは江戸時代に薬用樹として渡来しました。
カンボクには数種類あり、沢山の装飾花をつけるテマリカンボクは西洋紫陽花にも似ています。いずれも、3つにさけたカエデのような葉が特徴で、葉はカシワバアジサイのようにも見えますね。紫陽花より樹が高くなり2~7mになります。
花の時期:5~7月
咲き始めは緑がかっており、2~3週間で白やピンクの花にかわります。オオデマリはヤブデマリを改良した園芸品種で初夏に咲きます。紫陽花は枝の先端に花をつけるのに対し、オオデマリは主枝から、横に枝を広げ花をつけていくのが特徴です。
オオデマリは、先ほどのカンボクの中の1種類、テマリカンボクともよく似ていますが、葉の形が楕円なのですぐ見分けることができます。
花の時期:5~6月
円錐型の花をつけるノリウツギは、カシワバアジサイに似ています。そもそもノリウツギは大きく分類すると紫陽花の仲間とも言えるのですが、紫陽花の季節が終わってから真夏の花の少ない季節に咲く点では趣が異なります。
自生種のノリウツギでガクアジサイに似た花もあります。園芸種のノリウツギは、ボリュームがあり、華やかなため、近年人気が高くなっています。「ミナヅキ」や「ライムライト」といった園芸品種が「ピラミッドアジサイ」という呼称で流通しています。
ウツギ(空木)はもともと、茎が中空になっている草木の総称で、さまざまな種類があります。この季節だと梅雨の走りの長雨の天候のことを「卯の花腐し」といいますが、ウツギの仲間、卯の花ウツギの白い花が散ってしまうことをさしています。
花の時期:7~9月
鬱蒼とした長雨の中、打たれ強く咲く紫陽花とそれに似た仲間たち、その美しさは言わずもがなですが、細部の違いや多様性に注目してみるのも面白いですね。季節が変わり、私たちの生活も少しずつ変わっていきそうです。