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秋は、さんま、栗やさつまもいも、梨や柿などさまざまな食材が旬を迎えます。きのこも秋をイメージする食材のひとつですが、実はすべてのきのこにこのイメージが当てはまるわけではないようです。そこで、今日はきのこをピックアップしましょう。身近な食材「きのこ」の知らなかったことが、今日、判明するかもしれませんよ!?
きのこは、カビと同じ菌類です。「きのこ」という名称は俗称で、私たちが食べている部分は胞子をつくるための器官(子実体)で、植物でいえば花にあたります。
きのことひと口にいっても、その種類は多種多様。日本国内で自生しているきのこは、数千種類以上あるといわれていて、そのうち市場に出まわっているものは15~20種類程度だそうです。
また、野生のきのこを採取して食べるのも秋の楽しみのひとつですが、2001〜2010 年における調査※では、10年の平均食中毒発生件数は 56.9 件となり,中毒者数 192人、さらに毎年死者が出ているようです。特に9月から10月にかけて食中毒の発生件数が増大する傾向にあるので、野生のきのこを採取して食べる時は十分な注意が必要です。
※厚生労働省「毒キノコによる食中毒発生状況」
きのこに学術的区分はありませんが、栄養の摂取方法の違いで次の2種類に分類できます。
腐生性きのこ類:シイタケ、エノキダケ、ナメコなど
朽木や落ち葉などを栄養源として成長するきのこ
菌根性きのこ類:マツタケ、ホンシメジなど
生きた植物の根に菌根をつくり、共存しながら成長するきのこ
人工栽培されているきのこのほとんどが腐生性で、こちらは一年中市場に出まわります。
きのこは秋の季語にもなっていますが、実際は一年中生えます。野生のきのこは、気温と湿度の影響を受け、6~7月の梅雨と、9~11月の秋雨の頃に大量発生します。
人工栽培が確立されていないマツタケは、自然に発生したものを収穫するしかないため、旬は秋といえます。9月に東北・北陸・長野、10月初旬に京都、中旬に山陰、下旬に四国・九州と北から順に旬を迎えます。
マツタケは香りを楽しむきのこですが、その香りは時間とともに失われていくため、できれば近県のものを入手しましょう。天然物は希少価値が高くそれだけ高価なため、最近では9割以上が輸入品となっており、韓国産や中国産が多く出まわっています。日本では人気のあるマツタケですが、欧米では独特な香りがいや、と敬遠される向きをあるようです。
ここでは、きのこを調理する際のコツをご紹介しましょう。
【1】なるべく洗わない!
洗うと水っぽくなり香りも飛んでおいしくなくなります。汚れが気になるときは湿らせたキッチンペーパーで軽くふきましょう。
【2】強火で炒める!
弱火で炒めると水っぽくなりおいしくなくなります。炒め物にする際は、強火で炒めましょう。
【3】おすすめの調理法はスープ!
きのこに含まれるビタミンB群は、煮ると煮汁に溶けだします。スープにすると栄養分をしっかり摂ることができます。
【4】冷蔵庫の野菜室で保存!
きのこは日持ちしないので冷蔵庫の野菜室に入れて、3日程度で使い切りましょう。キッチンペーパーで包んでラップをすると蒸れを防げます。
【5】天日干し・冷凍で保存!
太陽の下で天日干しすると保存期間が長くなるうえ、きのこに含まれるビタミンDが増加します。また、冷凍するとうまみ成分が増すともいわれています。きのこを入手したら、食べやすい大きさにスライスして保存するとよいでしょう。
── きのこは身近な食材ですが、まだまだ解明されていない点も多く、不思議な食材ともいえます。これから秋が深まるにつれて、いろいろな種類のきのこが店頭に並ぶことでしょう。どんなきのこがあるのか、注意して観察してみるとおもしろいかもしれません。