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梅雨が明ければ本格的な夏がやって来ます。今日23日は「大暑(たいしょ)」。暑さが極限に達するとき、と江戸時代に作られた『暦便覧』にあります。あまり気温の上がらなかった梅雨から急激に暑くなると、身体も変化を受けとめきれないおそれもあります。今回は暑さにむかっての準備と楽しみを考えてみたいと思います。
暑さと湿気には体力をグンと奪われるような気がします。こういうときは胃腸も活発に働いてくれません。食欲も落ちてきますね。だから夏の「土用の丑の日にはうなぎを食べて力をつけよう」ということになったと言い伝えられていますが、食べればいい、というものではありません。
元気いっぱい! 食欲全開! なら、美味しいうなぎを味わうことをオススメします。でも、バテたかな、疲れがたまっているな、という時は「食べるより休め!」です。熱いお風呂で汗と疲れを流して、消化のよいもので胃を休め、そして睡眠を充分とることが肝心です。消化力が戻ってきたら、つまり「お腹が空いた!グーグー鳴ってるよ」となったらしめたもの! 何を食べても美味しく感じられます。土用の「丑の日」ににかけて「牛の日」と洒落て楽しんでみませんか。ローストビーフやしゃぶしゃぶだったらお店に並ばずにゆっくり味わえるかもしれませんよ。
それでもやっぱりうなぎがいいな、という方はぜひ、山椒をかけるのを忘れないで下さい。山椒は生薬として胃腸を温め、消化を促進する効果があるのです。うなぎは栄養満点! なのですが油が多く消化はそれほどよくありません。それを助けるのが山椒の役割なのです。胃腸の働きが弱くなる夏には山椒は薬味としてほかにも大いに役立ってくれそうですよ。
夏の到来とともに全国各地で花火大会が開かれるのを耳にします。夜空にヒュルヒュルと上がっていく火の軌跡、しばしの無音に続いて響く破裂音、広がる花火の彩りと輝きに息を飲むと同時に、なだれ落ち消えてゆく火の粉の儚さ。一瞬の夢の花の饗宴は夏の夜ならではの楽しみですね。海や川で開かれる華やかな花火のワクワク感はちょっと特別なもの。日常生活のなかでささやかに楽しめる花火もいいものです。夕食後のくつろぎや、久しぶりに訪ねてくれた親せきと一緒に楽しむ花火も、ほのぼのとした思い出になることでしょう。
家庭で楽しむ花火で気を付けたいのが、花火から出る大きな音や煙がご近所の迷惑にならないようにすることです。そしてついつい騒いでしまう、これもほどほどに気を遣いましょう。「30分くらい花火をしますので」と声かけすれば、ご近所さんも「花火してるのね」と遠くから一緒に楽しんでくれるかもしれません。
手元で揺れる火の玉をじっと見つめていると、昼間あった嫌なことも忘れ、心が静かに癒されていくなぁと感じること、ありませんか。
「手花火のうしろにいつも母の声」高尾方子
「この暑さのなか、あの方はどうしているかしら?」て思ったりしますよね。メールもラインも、もちろん電話もありますがちょっとあらたまって「暑中見舞い」を書いてみるのはいかがでしょうか。儀礼的になってしまいがちな年賀状とは違って、暑中見舞いを頂くとなんだか特別に大切にされているような気がしてくるから不思議です。
絵の得意な方はちょっとしたイラストを、いい写真がとれたなと思ったらぜひ入れてみてください。あなたの今年の夏のようすが垣間見えるような、そんなささやかなものをもらったら私は嬉しいなぁって感じます。
梅雨明けから立秋までが「暑中見舞い」の時期だとか。でもご安心ください。それを過ぎたら「残暑見舞い」とすればいいのです。季節のご挨拶はどんな時でも受け取れば顔が輝きます。気の向いたときにでも1枚、出してみませんか。