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ハマナスは、日本の中部以北をはじめ、サハリンや朝鮮半島の海岸沿いに自生するバラ科の低木樹で、寒さに強く、英語でJapanese Roseとよばれることもあります。
「知床旅情」の歌詞にもあるように、日本でもっとも多く見られる北海道では、昭和53年(1978年)、ハマナスを「北海道の花」として指定しました。これは、北海道110年を記念して一般公募を行ったところ、ハマナスが「純朴」「野性的で力強い」「花の色が鮮明で葉も美しい」「生命力が強く育てやすい」など、北海道のシンボルとしてふさわしいという意見が多数集まったことによります。北海道の大自然を象徴するかのように、海岸沿いに彩りを加える鮮やかなハマナスは、まさに北海道のイメージにぴったりといえるでしょう。
〈参考:産学官連携ジャーナル 2006.12「北海道の花“ハマナス”の商品化」〉
〈参考:北海道「花めぐり・庭めぐり “ハマナス”」〉
北海道では初夏から初秋にかけて花が咲くハマナスですが、花が終わると、ミニトマトのような真っ赤な実をつけます。
この赤い実は、トマトのようにそのまま食べられるものではありませんが、甘みと酸味がわずかにあります。ビタミンCや食物繊維などが豊富に含まれているので、果実酒にしたり、ジャムにしたりして味わうことができます。
ハマナスはツツジのようにきれいに刈り込んで形を楽しむというよりは、自生している自然のままの姿のほうが見ごたえがあります。そんなハマナスですが、北海道には、ハマナスの群生が見られる公園が多数あります。広大な公園に咲くハマナスを見て、梅雨のない北海道で、大自然を堪能してはいかがでしょうか。
●はまなすの丘公園(石狩市)
●小清水原生花園(小清水町)
●春国岱原生野鳥公園(根室市)
さらに北海道には、知床に咲くハマナスが歌詞に盛り込まれている「知床旅情」の歌碑が二つあります。どちらの歌碑も、もちろん知床にあります。
●しおかぜ公園(羅臼町)
●ウトロ港の三角岩近く(斜里町)
「マルセイバターサンド」でおなじみの十勝の菓子店、六花亭のチョコレートの包み紙や、ラッピング用の包装紙には、北海道を象徴するかのように、鮮やかなピンクのハマナスが描かれています。ハマナスというと、「知床旅情」の歌詞よりも、六花亭を思い浮かべる方も多いかもしれませんね。
梅雨のない北海道ではこれから、ハマナスから始まり、ラベンダー、ユリ、ヒマワリなどの花の時期がやってきます。風が爽やかな初夏の北海道。その大自然を象徴するかのようなハマナスの群生を見に、初夏の北海道に行ってみませんか。