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2月も終わりに近づくと日中の寒さも少し和らぎ、春の訪れを感じる日が多くなります。そんな折にスーパーに出かけると、新玉ねぎや新ごぼうを見かけるようになりました。
実はこの「新ごぼう」、煮物やサラダ、てんぷらなど、いろいろな食べ方を楽しめますが、日本以外で食べている国はほとんどないことをご存じですか。今日は、そんな「ごぼう」についてピックアップしました。
独特の香りと歯ごたえを持ち、さまざまな調理法に合う「ごぼう」。キク科の多年草で、私たちが食しているのは根の部分です。大変なじみのある野菜ですが、実は、日本人以外で野菜として食べる国はほとんどありません。その代わり、欧米ではハーブ、中国では生薬や漢方薬として使われていますし、最近は「ごぼう茶」もよく耳にする言葉ですね。
薬草として利用しているのは、根や種の部分で、主に発汗・利尿作用、浮腫、咽頭痛に効果があると言われています。
漢方薬に使われるくらいですから、栄養があることに間違いなさそうです。どんな効果が期待できるのか、ご紹介します。
●食物繊維
ごぼうには、水溶性食物繊維「イヌリン」と不溶性食物繊維「リグニン」がバランスよく含まれています。イヌリンは、糖の体外排出を促し、血糖値を下げる効果に期待が持て、ダイエットや糖尿病の予防にも効果的だと考えられています。
また、イヌリンは、腸内環境を整える効果にもすぐれており、腸内の悪玉菌を抑え、善玉菌を増やす効果に期待が持てます。一方のリグニンは、コレステロールを減らす働きがあり、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などを予防する効果に期待が持てます。
●アミノ酸
ごぼうはアミノ酸を多く含む野菜です。ごぼうに含まれるアルギニンやアスパラギン酸は、疲労回復、免疫力向上、精力増強に効果があるとされています。
●ミネラル
ごぼうは、カリウム、マグネシウム、亜鉛、銅などミネラル成分も豊富に含まれています。ミネラルは体の維持・調節に欠かすことのできない栄養素です。なかでもごぼうはカリウムの含有量が多く、カリウムは利尿作用が高くむくみ予防に効果的とされています。
●ポリフェノール
水にさらすと出る色は、ポリフェノールの成分です。ごぼうは抗酸化作用の高い野菜と言われています。アク抜きをすると、皮につまったせっかくのうまみ成分が抜けてしまうため、実は、アクの抜きの必要はないのです。泥や汚れはたわしなどでこすってよく洗い、皮はむかず、包丁で表面をこそげ落とす程度でOKです。
ごぼうの旬は晩秋から冬ですが、秋に植えたごぼうを大きくなるまで育てず、若取りしたごぼうが、これから初夏にかけて出まわります。
これが「新ごぼう」で、やわらかく風味がよいのが特徴です。これからおいしい季節を迎える新ごぼうは、さっとゆでてサラダやあえ物などにしていただくのがおすすめです。
●サラダ・あえ物の作り方
新ごぼうを細切りやスライスして、酢を少量加えた湯で2分程度ゆでる。
ザルにあげ、粗熱が取れたらお好みのドレッシングやマヨネーズであえる。
そのほか、煮物やかき揚げにしてもおいしくいただけます。
── これから旬を迎える新ごぼう。新ごぼうならではの歯ごたえと香りをお楽しみください。