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花札は「花かるた」とも呼ばれます。「かるた」の語源はポルトガル語でカードゲームを示す「carta」であり、その起源は安土桃山時代に宣教師達が持ち込んだとされています。渡来したカードゲームが禁止されると、庶民の中で図案や構成を変えたものが作られるようになり、花かるたが生まれました。
1月「松に鶴」
2月「梅に鶯」
3月「桜に幕」
4月「藤にほととぎす」
5月「菖蒲にハツ橋」
6月「牡丹に蝶」
7月「萩に猪」
8月「ススキに月・雁」
9月「菊に盃」
10月「紅葉に鹿」
11月は「雨に柳、小野道風」
12月「桐に鳳凰」
となかなか風流で素敵なデザインです。
さて、問題の「梅に鶯」の絵柄ですが、鶯が、黄緑色に描かれているものが多いため、メジロと間違えているのではと噂されましたが、中国に黄色い『鶯』別名コウライウグイス(黄鸝、黄鳥ともいう)という種類の鶯がいたそうです。そのコウライウグイスのオスの羽根は黄色、メスは緑がかった黄色だそうです。このコウライウグイスが描かれたのではという説もあれば、そもそも赤の補色の緑をデザイン的に使っているだけではなど諸説あり、謎は謎に包まれたままです。
桜の頃は「桜餅」。ひな祭りの頃は「蓬餅(よもぎもち)」。そして、梅見の頃はなんといっても、「鶯餅(うぐいすもち)」
天正年間(1580年代)の頃、大和郡山(現在の奈良県大和郡山市)の郡山城の城主であった豊臣秀長が兄の豊臣秀吉を招いた茶会を開く際に「珍菓を造れ」と命じ、御用菓子司であった菊屋治兵衛が餅をつくり献上しました。秀吉はその餅を大いに気に入り、以来この餅を鶯餅となづけられたそうです。
鶯餅は、餡入りの御餅を青大豆のきな粉で化粧したもの。両端をつまんでとがらせ、鶯を連想させるようにかたどっています。旬のお菓子に季節の移り変わりを演出するのは日本の伝統ならではですね。
鶯が鳴くころに出回るからそのように呼ばれています。そう、小松菜です。もう出回っていますね!ビタミン、カルシウム、鉄、食物繊維に富む優良野菜、葉肉が柔らかく、くせのない味なので、この季節どんなお料理にもよくあう彩の材料です。食卓やお鍋にもよく登場するのではないでしょうか?
寒い中、いち早く春の訪れを知らせる梅の花は、1月下旬~5月上旬まで、約3ヶ月間かけて、ゆっくりと日本列島を北上します。和歌山県南部に位置する月向農園では、1月下旬~2月に梅が開花します。今見頃を迎える地域もあるのでは?
一方、鶯の初鳴きを予測する「初鳴き前線」。梅の開花前線や桜の開花前線と同様北上しますが、2月下旬に九州地方、四国地方の一部や関東地方の一部で始まります。
3月10日には中国地方、四国地方、近畿地方、東海地方、関東地方、東北地方南部太平洋側を結ぶ地域、3月20日に北陸地方北部から東北地方太平洋側を結ぶ地域に達します。その後、東北地方を北上し4月下旬に北海道地方に達するとされ、梅より遅れてやってきます。昔の鶯と今の鶯、種類が違うのでしょうか?
「花かるた」のデザインは写実的なものではなく、梅から、もう少し暖かくなった頃に聞こえる鶯(うぐいす)に想いを飛ばし、春待ちの願いがこめた図案なのかもしれませんね。