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こうじと言えば、2010(平成22)年に塩こうじが爆発的なブームを起こしたのを覚えていらっしゃるでしょうか? 当時と比べると市場規模は縮小しましたが、塩こうじを使ったレシピは料理サイトや料理本によく見かけます。調味料として定着した感のある塩こうじの魅力を再認識し、インフルエンザなど流行病に強いカラダづくりに役立てましょう。
麦や米、豆などの穀物を蒸したものに、こうじ菌(コウジカビ)を繁殖させたもの。味噌や醤油、酒をつくるのに欠かせない菌です。2006年、日本醸造学会は「日本人が古来から大切に育み、使用してきた貴重な財産」であるとして、こうじ菌を国菌として認定しました。
こうじは漢字で書くと、「麹」と「糀」の2種類あります。
「麹」は、中国から伝わった漢字で「糀」は、明治時代に日本で作られた漢字です。
「糀」は蒸し米にこうじ菌をまぜて発酵させて作った米こうじにのみ使われます。
●こうじの種類
米糀:米から作られるこうじ
米味噌、日本酒、みりん、酢、甘酒の原料となります。
麦麹:麦から作られるこうじ
麦味噌、焼酎の原料となります。
豆こうじ:豆から作られるこうじ
豆味噌の原料となります。
こうじ菌は、増殖するために菌糸の先端からデンプンやタンパク質などを分解するさまざまな酵素を生産・放出します。こうじ菌に含まれる酵素は、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、ペクチナーゼなど、30種類以上。
まさに、こうじは酵素の宝庫といえます。
さて、酵素にはどんな働きがあるのでしょうか。
◎酵素の働き
・栄養素の消化・吸収を高める
食物の栄養を分解して消化・吸収を助ける働きに期待が持たれています。
・腸内環境を整える
酵素からオリゴ糖が生成され、腸内の善玉菌を増やします。腸内環境が整えられ、免疫力アップに期待が持たれています。
・ビタミンを生成する
こうじ菌は自身の代謝の過程で、ビタミンB1、B2、ナイアシン、パントテン酸などのビタミン類を生成。肌の代謝を促進する効果に期待が持てます。
・食べ物のうまみを引き出す
タンパク質をうまみ成分であるアミノ酸に分解します。
・食物をやわらかくする
鶏肉や豚肉、牛肉など食物をやわらかくする働きがあります。
以前ブームとなった「塩こうじ」は、塩とこうじを混ぜて作った調味料です。市販の「塩こうじ」ありますが、簡単に作ることも可能です。
●材料
米糀(麹) ※生でも乾燥でもどちらでもOK
塩……米糀(麹)の30~35%
水……適量 ※米糀(麹)と塩がひたひたになる程度
●作り方
上記を煮沸消毒したフタ付きのビンに入れて混ぜ、1週間は常温保存。1日1回かき混ぜます。米糀(麹)がやわらかくなったら出来上がりです。あとは冷蔵庫で保存して、なるべく早く使い切ります。
米糀(麹)と同量の醤油で作った「醤油こうじ」もおすすめです。
●使い方
肉や魚など食材に塩こうじを塗って保存袋に入れて、30分~ひと晩冷蔵庫に置き、調理します。きゅうりなどの野菜は、保存袋に入れて、塩こうじでもみ込み、30分~1時間冷蔵庫に置いておきます。
── 先日(1月24日配信)ご紹介した乳酸菌の記事同様に、菌は健康なカラダづくりに欠かせない栄養素をたっぷり含んでいます。体調を崩しやすい冬こそ、ぜひ“菌活”を行いましょう。