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この歌詞にあるような「凧(たこ)あげ」や「独楽(こま)」を回す光景が、あまり見られなくなった平成のお正月でしたが、新しい年にワクワクドキドキする気持ちに変わりはないでしょう。
クリスマス、忘年会、年賀状、大掃除……。平成最後の年の瀬、年越しそばをじっくりと味わいたいですね。
12月になったとたん、「クリスマス」一色に染まる日本。クリスマスが終わらないことには、気分的にお正月モードに切り替わらないようなところもありますね。
日本の市民一般にクリスマスの習慣が伝わったのは明治時代後半、輸入高級食材の販売で有名な明治屋が、銀座でクリスマスセールを開催したことが始まりでした。
明治屋は、日本初のクリスマスツリーを展示し、クリスマスイルミネーションのさきがけでもあります。
そして日本にクリスマスケーキを定着させたと言われているのが、あの不二家です。1910(明治43)年に、日本で初めてのクリスマスケーキが不二家から発売されました。
1月になってもクリスマスツリーを飾っている家庭が多い欧米に比べ、クリスマスが終わればそそくさとツリーを片付け、お正月準備に切り替える日本は、尚のこと慌ただしい年の瀬ですね。
さて……江戸時代に定着したといわれる年越しそば。どうして、大晦日にそばを食べるのでしょう?
【大晦日にそばを食べる理由】
・そばが他の麺類よりも切れやすいことから「今年一年の災厄を断ち切る」
・そばが細長いことから「長寿・延命を願う」
・金銀細工師が金銀の粉を集める際にそば粉の団子を使ったことから「金を集める縁起物にあやかる」
など、諸説あるようです。
また、ビタミンB1、B2が豊富なそばは、疲労回復に効果的。大掃除、買い出しなどの年越し準備や帰省の移動など、疲れやすい時期にもってこいの利点もあるようです。
そばの対抗馬といえば、そう、うどんです。
うどんといえば関西ですが、関西だから「年越しうどん」とはいかず、年越しそばが食べられます。京都ではにしんそばを食べるのが定番とか。
ただ、2009年正月から、うどん普及を目的として、年越しそばに対抗する形で「年明けにうどんを食べる」という習慣を浸透させようと「年明けうどん」なるものが提唱されています。
【さぬきうどん振興協議会が定義する年明けうどんとは?】
・期間 - 元旦から1月15日まで。
・形式 - 純白のうどんに1点、新春を祝う「紅(梅干しや金時にんじんの天ぷら、赤いかまぼこなど)」を用いる。
・さぬきうどんをはじめとした、日本国内における名産うどんの活性化やうどんの消費拡大に貢献すること、食品業界関係で正月における新たな利益、経済効果を生み出すことを目的とし、年越しそばや雑煮のような日本の正月に伝わる食文化とは異なるものである。
年越しそばは、そばに温かいつゆをかけて食べる「かけそば」か、そばに冷たいつゆをつけて食べる「ざるそば」か、決まりはありません。
そば通はざるそばを好むようですが、寒い年の瀬、温かいかけそばが、年越しそばとしては主流のようです。
では最後に、年越しそばに好まれる具材をご紹介しましょう。
【年越しそばに好まれる具材】
・海老-かき揚げ、海老天ぷらなど
腰が曲がることから「長寿のシンボル」
・卵-卵焼きや伊達巻きをスライスして。月見そばもOK
黄色は金色に通じる。特に伊達巻きは、巻いている形状から反物(着物の布地)を連想し、着るものに困らない、繁栄、繁盛の願いがこめられる。
・油揚げ-きつねそば風にして
お稲荷さまは商売繁昌の神様。
・ネギ-刻んで薬味として
一年の労苦を「ねぎ」らう。食欲を増進し、風邪の予防、改善にも役立つ。地方によってはネギを箸代わりにしてそばをすくい、そのままネギごと食べる豪快なそばも。
年越しそばを食べる時間は、除夜の鐘を聞きながら……という方もいるようですが、年をまたがず、年内のうちに食べきるのがお約束のようです。
ではみなさま、平成最後の大晦日、年越しそばを味わって、素晴らしい新年をお迎えください!