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日本で排出される食品廃棄物はおよそ年間で2800万トン。このうち、食べられるのに捨てられている『食品ロス』は630万トンにものぼります。(この量はなんと、1人1日当たり、お茶碗1杯程度の食品を捨てている計算になります。)
食材を知って、おいしく、最後まで、たくさん食べられるアイディア、ご提案いたします♪
「ネギ」にはたくさんの種類があります。産地も然り。地域によっても好まれるネギが違う、ってご存知でしたか?まずは、ネギの種類と使い分けを見てみましょう。
*「千住ねぎ」
一般にスーパーで売られているネギの代表格の千住ネギは「長ネギ」や「白ネギ」と呼ばれることもあります。今でこそ、年中、そして全国的に食べられていますが、もとは東京・足立区周辺で育てられていた<江戸野菜>です。
白い部分に甘みがあり、緑の葉の部分も柔らかくて味がよいので薬味としても使えます。火を通しても煮崩れがしにくく、甘みが出て美味しくなるため、鍋料理などに向いています。白い部分が長く、しまったものが美味しい千住ネギとされています。
*「青ネギ」
「葉ネギ」と呼ばれたりもします。青ネギの若いものを「小ネギ」「万能ネギ」「細ネギ」として売られています。産地は関西地方が中心で、そのため、関西地方でネギと言うとこちらのネギが一般的になります。
薬味のほか、簡単に火が通るので炒め物やおひたしにも向いています。
*「下仁田ネギ」
「上州一本ネギ」「殿様ねぎ」とも呼ばれることもあり、群馬県下仁田町が産地です。白ネギと比べて、短く太いのが特徴です。基本的には白い部分だけを使用します。産地や収穫の時期が限られているために希少性が高く、主に関東で消費されています。
甘みも辛味も強いため、上手に旨味を引き出すには煮物がおすすめです。
*「赤ネギ」
白ネギの白い部分が表面だけ赤くなっているのが特徴で、山形県庄内地方の伝統野菜になっている「平田赤ネギ」が有名です。
見た目がとてもきれいなネギなので、マリネなどがおすすめです。
*「九条ネギ」
京都が産地で、伝統的な京野菜のひとつです。伝統的な栽培方法では、収穫に1年を必要とするそうです。ぬめりがあり口当たりが柔らかく、甘みがあるのが特徴です。このぬめりが甘みと比例しており、寒くなるとぬめりが増し、甘くなっていきます。
この甘みをうまく料理に活かすには、おひたしやトッピングにして焼く、などがおすすめです。
*「浅葱(あさつき)」
実はネギの品種ではなく、山菜に含まれます。本来は山菜と同じように、冬から早春にかけて旬を迎えますが、青ネギを若採りした違う種類で代用され、一年中、手に入れることができます。
辛味が強いので、主に薬味に使用されることが多いです。
*「わけぎ」
ネギとたまねぎの雑種で、球根で栽培されています。広島県が1番の産地で、全国の生産量の半分以上を占めています。
ネギ特有の辛味が少なく、たまねぎのような甘みがあるので使いやすいネギです。
*「リーキ」
英語名です。フランス語で「ポワロー」とも言われ、ベルギー産のものが多く輸入されています。国内では静岡県で生産されています。下仁田ネギのように茎がとても太く、葉は分厚いのが特徴です。
味がまろやかなので、ネギが苦手な人でも食べやすいかも知れません。甘みと歯ざわりを活かした料理が向いているので、軽くゆでて、サラダやスープなどがおすすめです。
ねぎにはビタミンA、C、カルシウム、βカロチンなどが含まれています。青ねぎと白ねぎでは栄養の含有量が違い、緑色の青ねぎの方が太陽にあたって育った分、栄養豊富なようです。また、タマネギにも含まれている、においの素「アリシン」が含まれています。アリシンはビタミンB1の吸収を助けてくれるので、ビタミンB1を多く含む食品と合わせると効果大。アリシンは、時間がたつと減ってしまうので、食べる直前に調理する方が栄養を無駄なく摂れます。アリシンは白ねぎの方に多く含まれています。また、アリシンには血行をよくし、疲労物質である乳酸を分解する作用があるので、肩こりや疲労回復にも効きます。
ねぎの旬は冬。冷えた体を温め、疲労回復に効果のある野菜といわれています。風邪をひいた時に、ねぎと少量の味噌・しょうがに熱湯を注いで飲むと、体が温まり、発汗が促されて熱が下がるといわれています。風邪だけではなく、冷え性の方にも良さそうですね。
ねぎ特有のにおいは肉や魚の臭みをとり、薬味として使っても食欲増進に効果があります。鍋にするときには、青ねぎはあまり火を通さずに食べる直前に入れるのが栄養を効果的に摂るポイントです。
美味しくて元気な野菜はもちろん長持ちしますよね。どんな点が見分けるポイントかを知っておきましょう。
・白色と緑色の境目がくっきりしているもの
・白色部分が引き締まったもの
・白色部分の太さが均等なもの
・傷のないもの
・ツヤがあり、みずみずしいもの
・根元の切り口が新鮮なもの
青ネギは、
・葉がピンとしている
・緑が鮮やかでツヤがあるもの
・根の部分は白く、みずみずしいもの
保管方法は、新聞紙で包んで冷暗所で立てて保存します。 土がついているものは、土に埋めておけばさらに長持ち。使いかけの場合は、白と緑の部分で切り分けてからビニール袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。青ねぎは、湿らせた新聞紙に包んで冷蔵庫の野菜室で保存します。また、両方とも、みじん切りや小口切りにして冷凍しておけば、薬味などにすぐに使えて便利。およそ1ヶ月ほど持ちます。
青ねぎ、白ネギ、どちらでも調理可能なレシピをご紹介。違う種類を食べ比べてみても面白いかもしれませんね。
定番の「ぬた」
材料(つくりやすい分量、およそ2人分)
・ねぎ 100g
・塩 ひとつまみ
☆かぼすの絞り汁(なければ純米酢) 大さじ1
☆みそ 大さじ1
☆うるめ削り、かつお節 お好みで
<作り方>
1 沸騰した湯に塩を入れ、ネギをさっと茹でる。
2 すぐに冷水にとり、ざるに上げる。
3 軽く水気をきり、長さ3、4cmに切る。
4 ちいさめのボウルに☆印を入れ、よく混ぜる。
5 器にネギを盛り付け、4をかけたら出来上がり。
食べるときには酢味噌をよく絡めて食べてくださいね。
ご飯に乗せても美味しい「卵とじ」
材料(およそ2人分)
・ネギ 100g
・卵 1個
・うるめ削り、かつお節 ひとつまみ
・ごま油 大さじ1
<作り方>
1 ネギは長さ3、4cmに切る。卵はよく溶いておく。
2 フライパンを火にかけ、ごま油を引き、うるめ削り・かつお節を入れる。香りが立ってきたら、ネギを加えて中火で炒める。
3 ネギの白い部分が柔らかくなるまで炒め、塩を加える。ネギをフライパンの端に寄せ、溶き卵を入れる。
4 卵がふんわりと固まってきたらネギとさっくりと混ぜ合わせて出来上がり。
ラー油などをかけても美味しいですよ。つまみにも!
たくさん消費、元気が出るメニュー「ネギ焼」
材料(およそ2人分)
・ネギ 150g
・中力粉、地粉 100g
・塩 小さじ1/2
・水 50ml
・桜海老 10g
・菜種油 大さじ2
・しょうゆ 大さじ1
・青海苔 適宜
<作り方>
1 ネギは小口切りにする。
2 ボウルにネギと桜海老を入れ、粉と塩を加えて混ぜる。水を少しずつ加えながら、さらに混ぜる。
3 フライパンに油を引いて、2の半量を流し入れて、お玉の背などで丸く伸ばして中火で焼く。
4 表面が乾いてきたら裏返す。フライ返しなどでフライパンに押し付けるように焼く。
5 両面にこんがりと焼色がついたら焼き上がり。残りも同様に焼く。
6 青海苔をふり、熱いうちにしょうゆを回しかけたら出来上がり。
残ったご飯を粉と一緒に入れても美味しいですよ。朝ごはんや夜食などにも手軽で美味しいです。
他にもシチューやグラタンの具、お肉と一緒にしゃぶしゃぶ、もかなりおすすめですよ。
参考
JA全農やまぐち
別冊うかたま/農文協
オレンジページムック 心地いい暮らしがしたい/オレンジページ