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熱帯アジア、アフリカなどの熱帯、亜熱帯に数多く自生しています。このため日本のような高温多湿の気候にもよく適し、すでに奈良朝時代に中国から渡来したと言われています。
ケイトウは夏から秋にかけて咲きますが、この時期になると秋も深まり、ビロードのような質感をみると、冬の季節に向かいつつあることを実感します。
本日は、そんな「ケイトウ」のよもやま話をみていきます
一般的にケイトウと呼ばれるものは、炎のような鮮やかな花色で秋の花壇を彩り、古くから親しまれているなじみのある花です。
ニワトリのトサカに似ていることから「鶏頭」と呼ばれ、花房の先端が平たく帯状や扇状に大きく広がるものが有名ですが、ケイトウには主に花穂の形態から「トサカケイトウ」と、羽毛状になる「羽毛系ケイトウ」があり、それぞれ数多くの品種があります。
1.トサカ系、クリスタータグループ
最もケイトウらしいタイプの花。個体差が多く見られ、トサカの程度はさまざまです。
2.久留米ゲイトウグループ
トサカ状の花が折り重なるように固まって、球状になるタイプ。分枝はほとんどしません。
3.プルモーサ系、羽毛ゲイトウグループ
ふさふさした円錐形の柔らかな花穂が特徴。羽毛の長いものから短いものまであります。
4.キルドシー系、ヤリゲイトウグループ
羽毛が玉状に固まって咲くタイプ。
5.ノゲイトウ
トサカにならず、花穂は細長い円錐形。枝分かれしてたくさんの花穂をつけるものが多いです。
参照:みんなの趣味の園芸
ケイトウは見て飾って楽しむのみならず、空気中に発散された芳香が気の流れをととのえ、鎮痛、沈静、消炎などの効能があるとされています。
ケイトウの花を乾燥させてつくられた生薬は、肝、腎にはたらきかけて、止血、整腸作用による止痢に非常に効果的で、煎じた液体を服用するこも多いようです。この煎液は、凍傷によくきくため、湿布などに用いられます。
種は鶏冠子といい、含まれている油が目や耳の不調を改善するといわれ、根や茎は乾燥してネズミ除けに使われるているようです。
現在でも、アフリカや東南アジアでは食する地域もあるようで、かつては日本でも油いためや胡麻和えで食していたそうです。
参照:假屋崎省吾/孫維良 著「メディカルフラワーセラピー」かざひの文庫
ケイトウが詠まれたこの俳句は有名です。
「鶏頭の 十四五本も ありぬべし」 正岡 子規
このケイトウは、森鴎外からもらった数種の花の種を蒔いて咲いた花で、子規の蒔いたケイトウの種はすぐには発芽せず、表題の句を詠んだ前年に「鶏頭の皆倒れたる野分哉」という句を詠んでいます。翌年に花を咲かせたときの歌がこの歌です。子規の心中をはかると、なんともいろんな思いやイメージが湧いてきます。
花言葉は、おしゃれ、感情的、奇妙、情愛、色褪せぬ恋など。
属名であるセロシアはギリシア語の「燃える」という意味で、「花色が燃えるように赤い」ことから名づけられたもので、花言葉も色や形のイメージにぴったりですね。
朝夕が冷え込みすっかり秋も深まりつつありますね。風邪等召しませぬよう、今週も元気にお過ごしください。