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今回は、食材の組み合わせのひと工夫で消化を促し、胃腸をいたわる食べ方をご紹介します。
肉や魚、クリームたっぷりのケーキやアイスクリームなど、動物性のたんぱく質や脂肪は、私たちの体内で消化されにくく、代謝の過程で老廃物が発生します。それが毒素となって身体にたまると、さまざまな病気を引き起こす要因に。それでも、旬を迎えたさんまや季節限定のジビエを味わうことや、ご褒美スイーツを楽しむことは、生活に豊かさをもたらしてくれますよね。食の楽しみを手放さずに、身体に毒素をため込まない食べ方には、5つのルールがあります。
1.食べたものを完全燃焼させるために、消化酵素のはたらきをもつ食材を合わせる
2.毒消しの作用があるスパイスやハーブを添える
3.毒素や化学物質の吸収を防いでくれる、食物繊維の多い食材を食べ合わせる
4.唾液に含まれる消化酵素の力を引き出すために、よく噛んで食べる
5.動物性食品の割合を、全食品の一割程度におさめる
食材の食べ合わせと食べ方がポイントのようですね。では、さっそく具体的な方法を確認しましょう!
消化酵素のはたらきをもつ食べものには、カリウムを多く含む野菜や果物があります。毒消しに用いられるハーブとスパイスは、しそ、みょうが、わさびやしょうが、にんにくなどお馴染みの食材ばかりです。肉や魚など、食材別に最適な組み合わせを知っておきましょう。
◆肉の食べ方
動物性の脂肪は体内にたまりやすいので、それだけ消化酵素を必要とします。3倍以上の葉野菜や大根、じゃがいもなどと一緒に食べるのが基本です。フライなど揚げものにはレモン汁が効果的。
さらに種類別にみると、牛肉にはブロッコリー、ピーマン、じゃがいもがおすすめ。鶏肉には椎茸やネギ、コショウ、にんにくなどのスパイスを。豚肉にはしょうががぴったりです。
◆魚の食べ方
基本の食べ方は肉と同じ。たっぷりの野菜や海藻を食べ合わせましょう。海岸沿いでとれる小さい魚よりも、遠洋にすむ大きい魚は、より強い毒消しが必要になります。
磯魚にはみょうが、さんまには大根おろし、少し遠いところにいるかつおにはしょうが、遠洋でとれるまぐろなどにはわさびを添えます。酸化の早いさばは、酢の力で酸化をとめます。このように、昔からの魚の食べ方は実に理にかなっていることがわかりますね。なお、わさびは生の本わさびでないと効果がありません。チューブ入りのものは避けましょう。
◆乳製品の食べ方
日本人の体質は、まだ乳製品の消化吸収に十分適応できていないそう。少量を楽しむのが無難といえそうです。
牛乳なら加工されていない生乳を、チーズなら天然の酵素でつくられた上質なものを選びましょう。また、グラタンやクリームソースのパスタなどバターやチーズを使った料理には、きのこが毒消しにひと役かってくれます。
◆アルコールの飲み方
お酒が好きな人は、やはり肝臓を労る食べ方が大切。昔からいわれるように飲む前にはしじみ汁、二日酔いには柿などビタミンCを多く含むものが役立ちます。
お酒の種類では、身体を冷やす蒸留酒よりも日本酒やワインなどの醸造酒がおすすめです。おつまみには、日本酒には自然塩が好相性。塩気のきいた植物性のもの、つくだ煮などを合わせましょう。ワインは肉や魚と合わせると、双方の性質を中和する組み合わせになります。
食べ方の工夫に加えて、冷たい飲み物はなるべく避ける、お風呂に入って身体を温める、外出時は羽織りものやストールを用意するなど、身体を冷やさないようにするのが、胃腸の悩みを防ぐベースになります。身体の冷えは内蔵の冷えに繋がり、胃腸の動きも悪くなってしまうのです。
基本的な冷え対策をしっかりして、食べ合わせの工夫で体調を整えて、実りの季節を健やかに楽しみたいですね。
参考文献
大森一慧 『からだの自然治癒力をひきだす食事と手当て』 サンマーク出版 2008