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日本で排出される食品廃棄物はおよそ年間で2800万トン。このうち、食べられるのに捨てられている『食品ロス』は630万トンにものぼります。(この量はなんと、1人1日当たり、お茶碗1杯程度の食品を捨てている計算になります。)
食材を知って、おいしく、最後まで、たくさん食べられるアイディア、ご提案いたします♪
じゃがいもは世界で最も広く食べられている食材のひとつですよね。日本では総生産量のおよそ8割近くを北海道が占めています。2位は長崎県、3位は鹿児島県となっています。
広く流通している品種の「メークイン」と「男爵」。きちんと使い分けできていますか?
「メークイン」は長い楕円形でつるんとしています。きめの細かい粘質で、加熱するとしっとりした食感になります。煮くずれしにくいので、ポトフやシチューなどの煮込み料理に向いています。一方、「男爵」は、丸くゴツゴツした形をしています。粉質で、加熱するとホクホクした食感が楽しめます。コロッケやポテトサラダなど、マッシュして使う料理によく合います。
でんぷん質が多く、使われる料理のイメージから高カロリーだと思われがちなじゃがいもですが、実はじゃがいも自体はさほどカロリーは高くないんです。ご飯100gで168kcalに対して、蒸したじゃがいも100gは84kcalとおよそ半分ほど。ちなみに、蒸したさつまいもは134kcalとなっています。
栄養成分で1番の驚きなのがじゃがいもの『ビタミンC』。『ビタミンC』には美肌効果や免疫力を高めたり、貧血予防の効果があります。じゃがいもには、なんと、みかんと同じくらいの『ビタミンC』が含まれているんです。加熱に弱い『ビタミンC』ですが、じゃがいもについては、でんぷん質が守ってくれ、加熱しても壊れにくいという特性があります。
また『カリウム』の含まれている量も野菜の中ではトップクラス。『カリウム』にはむくみや高血圧の予防や改善、胃腸の働きを助ける効果があります。きゅうりやトマトなどよりも豊富に含まれています。
『GABA(ギャバ)』も100gで35mgと豊富に含まれています。『GABA』とはアミノ酸の1種で、脳の中枢神経に存在する伝達物質として働きます。ストレスを緩和したり、学習効果の向上、肝・腎機能の向上などを助けてくれます。
ただし、じゃがいもは食後の血糖値を上昇させるスピード(GI値)が95と高く、これはどら焼きと同等、チョコレートよりも高くなるので糖尿病のリスクが上がります。血糖値を緩やかに上昇させる働きのある、ごぼうやきのこ、海藻などと一緒に食べるのがおすすめです。
でんぷんに含まれる糖質も油との相性がよいため、とても美味しいのですが調理によっては高カロリーになってしまいやすいので注意しましょう。
またじゃがいもには【め】が2つあるのをご存知ですか。ひとつは「目」、いわゆるくぼみの部分です。そしてもうひとつが「芽」になります。この「芽」には天然毒素の『ポテトグリコアルカロイド』が含まれており、腹痛や下痢、めまいなどを引き起こす恐れがあるので、しっかりと取り除きましょう。
取り除き方は円を描くように根元からぐるりとえぐるように、通常のじゃがいもの色が現れるまで、しっかりと取り除いてください。表皮が緑色になっていた場合も同様に、皮を厚めにむいてくださいね。
美味しいじゃがいもをどうしたら見分けられるのか、そのポイントを挙げてみます。
・表面はシワや傷が無く、しなびていないもの(なめらかで張りのあるもの)
・芽が出ていないもの
・緑色になっていないもの
・全体がふっくらしていて丸みを帯びているもの
・しっかり硬さがあるもの
・ずっしりと重みがあるもの
家にやってきたじゃがいもたち。ずっと美味しく食べるために、どうしたら上手に保管できるかもみてみましょう。
まずはじゃがいもに水分が付いていないかを確認しましょう。洗ってから保存すると、残った水分が腐る原因になりますので、そのままで。水分があると感じたら新聞紙などの上に重ならないように広げて、陽の当たらない、風通しのよいところで乾かしましょう。
また傷があったり、傷んでいるものも他のじゃがいもを腐らせてしまいますので、この時に選別して除けましょう。
芽が出たり緑色にならないようにするためには、光の当たらない「暗くて、涼しい場所」に保管しましょう。
保管する際には麻袋や新聞紙、紙袋などに入れて湿気のこもらない工夫をしてください。外気温が5℃以下になる季節には、雨や直射日光が当たらない屋外に置いておくこともできます。虫や動物に食べられないように対策は忘れずに。常温だとおよそ1ヶ月はそのままでも大丈夫です。
夏場などは湿度なども高いので、冷蔵庫での保管もおすすめです。しかし、乾燥してしわしわになりやすく、また保存期間も1週間と短くなるので注意が必要です。冷蔵庫に保管する際は、新聞紙などにひとつずつ包み、野菜室に保管するのがベストです。早めに食べてしまいましょうね。
また春の「新じゃが」には水分が多く含まれていますので、ひとつずつ新聞紙で包んで常温で保管しましょう。およそ2週間が保存の目安です。
使い途中になってしまったじゃがいもは、一度、軽くゆで、粗熱が取れたら冷蔵庫へ。変色が防げます。保存容器で4日ほど持ちますが、美味しく食べるなら翌日までに食べ切ってしまいましょう。
じゃがいもは冷凍保存することもできます。しかしでんぷん質が壊れ、解凍した時には水分が抜けてパサパサになってしまします。そこでひと工夫。加熱後の柔らかいじゃがいもをマッシュしてペースト状で冷凍保存しましょう。平たく冷凍すれば、使う分だけ折り取れて便利です。またコロッケのタネとして衣をつけるところまで調理しておけば、あとは揚げるだけで簡単に食べることができます。お弁当にももってこいですね。
たくさんのじゃがいもを調理、となると「肉じゃが」や「シチュー」、「カレー」が定番でしょうか。今回はじゃがいもを『千切り』で調理した簡単レシピを2つ、ご提案♪案外、たくさん食べれちゃうんですよ。食感の違いをぜひ、楽しんでみてください。
北欧の旬を楽しむ食べ方「サーモンとじゃがいものロースト」
【材料】オーブン天板1枚分=4~6人分
サーモン 半身(600g)
じゃがいも 大3個
セロリ 1本
レモン 1個
・オリーブオイル 大さじ3
・ディル 1パック
・塩、こしょう 適量
【作り方】
1 サーモンは一口大に切り、ペーパータオルで包んで余分な水分を取っておく。じゃがいもは皮をむいて、細めの千切りにする。セロリは葉の部分と分けて、葉はみじん切り、茎は斜め薄切りにする。レモンは横半分に切る。ディルは葉と茎を分けて、茎をみじん切りにしておく。
2 ボウルに・を半量入れ、じゃがいもとセロリを加えて和える。別のボウルに・の残り半量を入れ、サーモンを加えて和える。
3 オーブンの天板にクッキングシートを敷き、じゃがいもとセロリを広げ、サーモン、レモンを上にのせる。
4 180℃に予熱したオーブンで25~30分焼く。仕上げにディルの葉をのせれば出来上がり!食べる直前にレモンを絞ってお召し上がりくださいね。
ピリッと癖になる「ぺペロンチーノじゃがいも」
【材料】4人分
じゃがいも 4個
さやえんどう 150g
にんにく 1、2片
赤唐辛子(輪切り) 1本分
オリーブオイル 大さじ2
塩 小さじ1
【作り方】
1 じゃがいもは皮付きのままで太目の千切りにする。さやえんどうはヘタを取り、細切りにする。
2 フライパンにオリーブオイル、にんにくを入れ弱火にかける。色づくまでじっくりと炒める。色づいたらじゃがいもを加えて中火にして炒める。2、3分して少し半透明になってきたらさやえんどうを加えてさらに1、2分炒める。
3 赤唐辛子を加えて、さっと混ぜ、塩で味を調えたら出来上がり!
休みの日のブランチやおやつなど、小腹を満たすのにぴったりなレシピをご紹介♪大人も子どもも大好き。きっとあっという間になくなってしまいますよ。
保存もできたらあとは楽チン「いももち」
1 皮をむいて水にさらしたじゃがいもを1cm程度の厚さに切って蒸す。
2 箸が通るくらいの柔らかさになったら、マッシャーなどで潰す。
3 潰したじゃがいもの重さの3割の片栗粉を加え、ひとまとまりになるまでよくこねる。
4 適当な量をとり、棒状に伸ばす。それを2cm程度に切り分け、手で平たく丸く成形する。
5 フライパンに油を引いて、弱火で、両面がきつね色になるまでゆっくり焼いたら、出来上がり!
*砂糖醤油にバターを絡めたり、しょうゆをつけてのりで巻いたり、お汁粉に入れたり、とお餅のような感覚で食べられます。
*4までできたら、冷凍保存も可能です。
お好みのフレーバーで「フライドじゃがいも」
【材料】作りやすい分量
じゃがいも 5個
塩 大さじ1
パンケーキミックス 150g
砂糖、お好みのシーズニング 適量
【作り方】
1 じゃがいもは小イモならそのまま、大きなものは2、3cm角に切る。
2 沸騰したお湯に塩を加えて、串が通る柔らかさになるまでじゃがいもをゆでる。
3 パンケーキミックスに水を適量加えてドロドロの状態の衣を作る。
4 ゆでたじゃがいもを衣にくぐらせ高温の油でさっと揚げる。
5 砂糖小さじ1をビニール袋に入れ、揚げたてを10個ほどずつ入れて、全体にまぶさる用に振れば出来上がり!
*砂糖とともにシーズニングにシナモンや抹茶などを加えても美味しいです。砂糖の替わりにケチャップでも。
参考
東京ガス
キューピー
農林水産省
別冊うかたま / 農山漁村文化協会
天板1枚で、ごちそうオーブン料理 上島亜紀 / 株式会社学研プラス