毎日使う調味料ですが「ちょっといいものに変えてみたい」と思っても、購入する際にはたくさんの種類があってどれを選んで良いものか迷ってしまいます。素材の味を楽しめたり、体にとって優しい調味料ってどんなものなのでしょうか?調味料の製法についてや選ぶ際のヒント、調味料を活かして美味しくいただくレシピなどをご紹介します。


お塩で体が測れる?

味覚は自分の体が欲している塩加減をキャッチできるセンサーです。体の中のミネラルや塩分は常に消費されていて、それを適切に補うために「美味しい!」と感じるセンサーとして味覚が備わっているのです。塩には、体を温める役割と体を緊張させて働きを活発にする役割があります。激しい運動などで汗をかいたり体力を消耗した時などは塩分が多い食べ物が美味しく感じられ、逆に、体力をあまり消費しない仕事などの方は薄味を好んだりする傾向にあります。

実は、美味しいと感じる塩加減は決まっています。

料理によって若干異なりますが、基本的には人間の血液の塩分の割合、0.9%とほぼ同じなのです。料理ごとに良いとされている塩加減を並べてみました。参考にしてみてください。

スープ、そうめん、味噌汁など → 薄味で(0.6〜0.8%)

野菜やパスタの茹で、炒め物、揚げ物、肉や野菜のソテーなど → 基本で(1%)

ご飯と食べるおかず、シチュー、ラーメンなど → 濃い味で(1.5〜2%)

浅漬、常備菜、魚の塩焼きなど → かなり濃い味で(3%程度)


どんな料理にどんなお塩が合うの?

料理によっても選ぶお塩で味や出来具合いが変わってくるんだそうです!料理から見た相性の良いお塩。選ぶ際のポイントにしてみてくださいね。

・お肉や魚、パンなどに乗せる装飾用には

純度の高い、粗めのお塩を。素材に乗せても溶けにくくなります。

・浅漬などの漬け込み用には

しっとりとしていて、粗塩より大きめのものを。素材にじんわりと浸透します。

・麺作りやパン作りには

溶けやすいお塩を。発酵を適度に調節してくれます。

・煮物やカレーなどの煮込み料理には

ミネラル含有量の多いものを。味に深みを出して輪郭を整えてくれます。

・フライドポテトや枝豆など振り塩には

ミネラル含有量が多く、水分が少なく、粒の細かなものを。食材にバランス良く付いてくれます。


お塩を知って、選んでみよう

昭和47年以来、工業化が果たされて化学的な製法で高純度に精製することができるようになったお塩。健康ブームで減塩指導も行き渡るようになり「減塩」と表記される製品も多く見かけるようになってきた近年ですが、塩分が長期的に不足すると冷え性や機能低下が起こりやすくなります。また塩分の不足した料理では生理的に満足できないので体は量をたくさん食べて補給しようとしてしまうことも。結果、食べ過ぎによって他の栄養素を過多にとってしまうことにもなりかねません。ミネラルがたっぷり含まれた良いお塩を使ってキリッと適度に味付けされたお料理を少量、というのが現代の理想の食事でしょうか。

塩にはたくさんの種類がありますが、原材料で分けると大きく2つ。「海塩」と「岩塩」です。海塩は岩塩よりミネラルが豊富なのが特徴、対して岩塩は海塩よりも塩辛いのが特徴です。

作り方によっても種類があります。「精製塩」「加工塩」「天然塩・自然塩」に分類され、含まれている栄養成分が異なることが一番の大きな違いでしょうか。

精製塩は塩を濃度の濃い海水で洗ったあと、少量のミネラルを取り除き精製されて作られた塩のことで、製造過程で成分調整なども行われないため、成分はほぼ100%塩化ナトリウムとなります。成分表示にも「塩化ナトリウム99%以上」と表示されており、3つの種類の中で一番栄養価が低いものです。

加工塩は、海外の原塩やイオンの力で海水から採取された塩を海水で溶かして加熱することにより作られた塩のこと。加熱の際ににがりを追加してミネラル分を補い、成分調整しているのが特徴です。成分表には、製造方法の工程欄に、溶解・平釜(または立釜)などと表示されています。

天然塩・自然塩の中でも「天日塩」は、海からくみ上げた水をそのまま太陽や風などの自然の力で乾燥し、結晶化させて作られた塩です。一切熱を加えずに作られるため、塩化ナトリウム・カルシウム・マグネシウムなどのミネラルが失われることなく、そのまま含まれるのが特徴。また「平窯塩」は天日干しの途中で煮詰めたものになります。

市販されている塩の多くは、パッケージの義務表示に加え、原材料、原産地、製造方法、栄養成分等の細かな情報が記載されています。どの塩を選べばよいのか迷った場合に、パッケージに記載されている情報を参考にしてみてください。

塩の主成分は塩化ナトリウム。そのほかに、マグネシウムやカルシウム、カリウムなどのミネラルが含まれています。ナトリウムの割合が高いほどしょっぱくなります。成分によって味も変わりますのでミネラル分をチェックしてみましょう。

「天日塩」という表記に関しては日本では数少ない製法で希少でもあるため、材料は輸入されたものの場合も多く、原材料名もチェックしてみるとよいかもしれません。

能登・輪島塩の塩田の様子


良いお塩で味わう、「野菜スープ」と「浅漬」

簡単で滋味深い、お塩を活かしたレシピを2つご紹介します。

☆キャベツとえのきだけ「野菜スープ」

・材料(2人分)

キャベツの葉 60g(およそ2枚)

えのきだけ 100g(1袋)

昆布だし汁 3カップ

自然塩 小さじ1と1/2

・作り方

1 えのきは根元を落とし長さ半分に切り、ほぐす。キャベツは千切りに。

2 材料を全て鍋に入れて強火にかける。煮立ったら中火にして、柔らかくなるまで煮る。

☆冬にもってこい!白菜と生姜の「浅漬」

・材料(作りやすい単位)

白菜 200g(2枚)

皮ごと薄切りの生姜 4g(2枚)

自然塩 小さじ1弱

七味唐辛子 小さじ1

・作り方

1 白菜を葉の部分と芯の部分に切り分け、それぞれを細い短冊切りに。生姜は極細の千切りにする。

2 白菜・生姜を合わせて、塩をまぶし、しんなりと水分が出たらぎゅっと絞る。

3 七味唐辛子を振り入れ軽く混ぜる。

参考 オレンジページムック粗食がおいしい。/オレンジページ

情報提供元: tenki.jpサプリ
記事名:「 ちょっといい調味料を使って、いつもの食卓をアップグレード!<お塩編>