知っているようで知らない地球のトリビア第2弾。

今回は地球の内部についてです。私たちが暮らしている地球は身近な存在でありながらその内部を探るのは難しく、38万4400km離れた月に到達するより、地表から数十kmのマントルに到達するほうが難しいといわれるくらい、ハードルが高いのです。

それでも近年、地震の波の伝わり方などからさまざまなことがわかってきました。さらに、2013年からは海底での掘削調査から地球の内部構造を調べたり、生命の謎に迫ろうという国際プロジェクトも進行中です。

月に行くより難しい?地球の内部についてご紹介します


地球の内部は、実は太陽と同じくらい熱い!

地球の内部は、大きく分けて「地殻」「マントル」「核」の3つで構成されています。

●「地殻」は一番外側の部分です

場所によっても厚さが異なりますが、大陸では20~70kmくらい、海の底では4~7kmくらいといわれています。

●「マントル」は地殻の下、約2900kmまでの層です

体積は地球の約83%を占めています。地球の中心部に近くなるほど温度は高く、核の近くでは3000から5000度、地殻に近い部分でも数百度はあります。固体ではありますが、緩やかに対流しています。地殻とマントルの間には部分的に1000度を超えるところもあり、マグマ溜り(だまり)と呼ばれています。

●そして、地球の最も中心部にあるのが「核」です

核はさらに外核と内核があり、外核は液体ですが内核は固体と考えられています。中心付近の温度は5000度から6000度と推定されています。これは太陽の表面の温度と、ほぼ同じくらいの熱さです。

核の温度は約6000度、太陽の表面と同じくらいの熱さです


方位磁石が使えるのは、地球が大きな磁石だから

ところで方位磁石は、磁石のN極が北を、S極が南を指すという性質を利用して方位を知ることができます。

ではなぜ、磁石の両極が決まった方向を指すのかというと、地球がある意味大きな磁石だからです。

その仕組みをごく簡単に説明すると、地球の中では鉄をはじめ金属が溶けた液体が、地球の自転によって回転しています。金属は電子を含んでいるため磁場が生まれ地球が磁石のような性質を持つことになるといわれています。

ただ、この理論はまだ完全なものではないようです。昔の地層からは、これまでに何度も磁石のN極とS極が入れかわっていることがわかっていますが、その理由は解決されていないようです。

地球が大きな磁石?でもNとSは何度も入れかわっています


地球の中は月より遠い?

地球の内部構造を調べる方法としては地震があります。地震波の伝わり方の変化から、地殻とマントル、核の境界や状態などを推測します。また火山のマグマや隕石などから成分を調べたりとさまざまな方法を用いてきました。

1961年にはモホール計画といって、マントルまで穴を掘るという計画もアメリカで行われていました。しかし数百メートル掘ったところで計画は中止となります。その一方で、同じころに人類を月に送るアポロ計画は実現。この対比から、マントルは月より遠いといわれるようになったのです。

人類は月には到達したけれど、マントルまでは未到達


新たに大規模な地球の採掘調査が、2013年から進行中

2013年から、大規模な地球の採掘調査が行われています。国際深海科学掘削計画というもので、日本の地球深部探査船「ちきゅう」をはじめ、アメリカ、ヨーロッパの掘削船が世界中の海底を調査しています。そこで得られた地質資料から地球の謎に挑戦するという計画です。

この計画の一環として、地球深部探査船「ちきゅう」を用いて、地震や津波が発生するメカニズムを解明するための調査も進められています。

── マントルまで到達するには、月に到達するのと同じくらい、もしくはそれ以上に難しいといわれています。近いようで遠い。「自分のことほどわからない」「男と女は別の生きもの」という比喩に似ている気もします。

ちなみにトリビアとして、地球という言葉が日本に伝わったのは江戸時代。

また、パニック映画を得意とするハリウッドが手がけ、大ヒット作となった映画「ザ・コア/THE CORE」(2003年)は、地球の内部へのイマジネーションがかきたてられる刺激的シーンが続く意欲作です。ご興味のある方はご覧になってみては!

海底から地球掘り進むプロジェクトが進行しています

情報提供元: tenki.jpサプリ
記事名:「 知っているようで知らない地球トリビア2〈地球の内部〉