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セミというと、夏になるといつの間にか現れて、あっという間に消えていく……、そんな儚い存在のイメージを抱いている人も多いと思いますが、みなさんはセミがどのように生まれているかをご存じですか?
アブラゼミは夏の成虫の間に木の幹に卵を産みます。その卵が孵化するのは翌年の梅雨どき。
孵化した幼虫は土の中へ潜っていきます。セミの一生の大半は土の中で過ごすことになります。なんとその長さは3~17年にもおよぶのだとか! セミの種類にもよりますが、3年も土の中にいるとは驚きですよね。成虫になるまでにかなりの時間を要しているのです。
地中で長い時期を過ごすことはよく知られていますが、地上に出てきてからのセミの寿命は、なかには1カ月の場合も!
とはいえ、地上に出てきてから短命な理由はなんなのでしょうか。
長い長い地下生活を経て、羽化のタイミングで再び木に登っていきます。ようやく羽の生えた成虫になるわけですが、最初のうちは体も白っぽく、鳴き声も小さいといいます。
セミが成虫になってからは、1週間くらいの寿命といわれていますが、環境さえ整えば1カ月くらいは生きられるともいわれています。人間をはじめ、外敵&天敵が多いため外で長期間生きるのはセミにとって、かなり難しいことなのです。例えば外敵&天敵には、人間、カラス、猫、鳥、肉食の蜂・蟻とさまざまなのです。
セミが成虫になってからの期間は限られた短い時間しかありません。その間にセミにはしなければいけないことがあります。それは、子孫を残すこと。成虫の間にしか、卵を産むことができませんので、子孫繁栄のために地上に出てきたといっても過言ではありません。
ちなみに鳴き声を発することができるのはオスのみ。メスに合図を出すために、オスはあのような鳴き声を発しているのです。あの鳴き声のおかげで、他の昆虫に比べてオスとメスが出会う確率が高いといわれています。子孫繁栄のために、生きているわずかの時間で自らの使命を果たします。
―― 私たちが目に触れる期間はわずかですが、満を持して地上に登場してくるセミ。儚くも強い一生といえるかもしれませんね。