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小学校中学年の授業では、日照時間、気温などの環境データと「へちま」の成長の関連づけながら観察します。
また、実がなる雌花と実がならない雄花の違いや、類似の植物(ゴーヤやツルレイシ)と「へちま」との違いなどを比較することで、「へちま」を中心に植物ついて詳細を知っていく学習を行っています。「へちま」を種子をつくる植物として、その他に、落葉させ木から芽をだす植物、葉のまま越冬する植物など比べ、越冬の仕方の違いを知るために秋冬まで観察を続ける場合もあります。こんな風に、「へちま」は子どもたちの学びに深くつながっているのですね。
さて、この「へちま」は私たち大人の生活にも身近な存在です。ここではへちま水の作り方、へちまたわしの作り方をみてみましょう
【へちま水の作り方】
秋9~10月に、地上30センチくらいの場所の蔓(つる)を切り、地上約30センチの方の切り口を、曲げてビンに差し込んでおくと、根から吸い上げた水がビンに溜まり、これを、へちま水と呼びます。
根のまわりに、水を十分冠水しておくと1晩で約1リットルの、へちま水が採れます。
【へちまタワシの作り方】
秋に果実をさらして乾燥させ、皮を除き、繊維だけにして、タワシを作ります。
お湯につけて和ら画すると、汚れも落ち、表皮もとりのぞきやすくなります。
この、へちまタワシは、江戸時代から静岡県の浜松、袋井が産地として有名です。
江戸時代の大奥では、へちま水の化粧水が御用達で「糸瓜水(しかすい)」とよばれていました。
文政五年・小石川御薬園の「御製薬差上帳」という記録には、一夏に一石一斗三升という記録があります。これは、現在の石油かん11杯分に相当する量になり、相当なへちまを栽培していたことがうかがえます。
古くには、果実から繊維がとれることから、漢名で糸瓜(いとうり)と呼ばれていましたが、そのうちに「い」が抜けてしまい、トウリ(と瓜)と呼ばれるようになりました。そして、この「ト」とは、イロハニホヘトチリでいくと、「ヘ」と「チ」の間にあるから、「へちま(へち間)」になったという、面白い名前の由来があります。
大言海(だいげんかい)には、「糸瓜(いとうり)ヲ約メテとうりトモ云フ、とハ伊呂波(いろは)歌ニテ、ヘトちトノ間(ま)ナレバ云フ」という記述があるのだそうです。
沖縄では、ナーベラー(沖縄へちま)やトカドヘチマ(十角糸瓜/とかどへちま)など、比較的繊維が少なくて瓜に似たお味の「へちま」が食されています。。
ちなみに、トカドヘチマは「ヘチオク」とも呼ばれており、その名の通り、オクラとヘチマから品種改良されできた品種です。
また、ナーベラーという呼び名は、若いうちに食さず実を大きくすると繊維が固くなり鍋洗いのたわしに使われることに由来していると言われます。なんだかおもしろいですね。
沖縄の家庭料理で大人気の「ナーベラーブンシー」は夏バテ防止のスピード料理。
「へちま」を薄く皮をむいて輪切りにカットして、スパムや豚バラ・しま豆腐と一緒に、かつおだし(白だし)・味噌・みりんで味付け、炒めます!
卵などをいれても良いですし、ゴーヤチャンプルのようにめんつゆやオイスターソースなどで味付けしてもよいですね。これはご飯やお酒がすすみますね。
インドなどでは、「へちま」は、天ぷら(フリッター)やカレーでも食されています。
クセの無いお味の「へちま」は意外にメニューのレパートリーに広がりがあるんですね。
葉の形や実の収穫など楽しみ方が異なり、グリーンカーテンは毎年種類をかえても面白いかもしれないですね。
この季節は朝夕の水やりがたっぷり必要です。
引き続き暑さが続きますが、紫外線対策や水分補給などに工夫をほどこして、賢く元気にお過ごしください!