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東京・中央区にある築地市場は、東京都が設置する11ある中央卸売市場の中のひとつです。
銀座まで約1km、東京駅や日本橋までは約2kmと、都心の一等地にある市場であり、面積(敷地面積)は230,836平方メートル。実は、広さでは386,426平方メートルの大田市場の方が広いのですが、その1日あたりの取引額では、水産で16億円以上、青果で3億円以上(2014年)と、世界でも有数の卸売市場です。
築地という地名からもわかるように、この地域は江戸時代に海を埋め立ててできた「築いた地」です。江戸時代最も大きな被害をもたらしたと言われる1657年の明暦の大火の後の復興計画で、墨田川の河口に当たるこの地域の開発が行われました。大火で被災した本願寺(今の築地本願寺)もこの地に移転します。このとき、本願寺の門徒たちが海を埋め立てて、土地を築いたと言われています。
築地に市場に市場が開かれるようになったのは1923年の関東大震災以降のことです。それまであった市場が震災で壊滅的な被害を受けたため、墨田川や汐留駅など交通にめぐまれていたこの地に、臨時の東京市設魚市場が開かれました。これが築地市場の始まりと言われています。
一方、東京都中央卸売市場の公式ホームページを見ると「築地市場は、日本橋にあった魚市場と京橋にあった青物市場が移転し、昭和10(1935)年に開場しました」とあります。
臨時開設の市場が10年以上の歳月を経て、正式な開業に至るまでには、数々の課題を乗り越えてきた歴史があるようです。
その後、1980年代になると施設の老朽化や過密化が問題となり、2001年に当時の石原慎太郎都知事のもと、江東区にある豊洲への移転が決定されました。
ただし、当初の予定であれば2016年11月に予定されていた豊洲への移転は、小池百合子都知事の就任後、2016年8月に安全性などの問題から、延期されました。この辺りの事情はみなさんもよくご存じですね。
さて、築地市場というとよく「場内」と「場外」という言葉を耳にします。
「場内」というのは「場内市場」の略で、卸や仲卸など関連する業者への販売が前提となっています。つまり、プロとプロの商売の場です。市場の見学は可能ですが、マグロ卸売りの見学などは受付開始が午前5時00分から、先着120名となっています。
ただ、場内には築地市場で働く人たちが食事をするお店もあります。こうしたお店では、一般の人も新鮮で美味しい食事を味わえます。
一方、「場外」というのは築地市場の外側に隣接する「築地場外商店街」のことです。こちらは普通の商店街とほとんど同じように買い物や食事ができます。
連日観光客でにぎわう築地市場。その活気は夏の暑さを吹き飛ばしそうなほどです。
ここで注意したいのは、価格交渉はしないということ。プロたちが自信をもってすすめる品です。むやみに値切ろうとするのは粋とは言えません。また、日曜日のほかに臨時休業日もありますので、お出かけ前にチェックしておきましょう。
参考HP:東京都中央卸売市場、築地場外市場