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夏至は、太陽が夏至点を通過する日であり、南中の太陽高度が最も高い日。古代から特別な日として崇められていました。古代遺跡には、太陽を観測する装置の役割を果たすものもあり、夏至や冬至を建造物から知ることもできました。たとえばイギリスのストーンヘンジでは、夏至の朝の光がサークルの中心にある祭壇石まで一直線に差し込むよう設計されていることで、知られています。
太陽は生命の象徴。季節の節目である夏至や冬至は、祭祀が行われたことからも分かるように、祈りや感謝の日でもあったのですね。しかし、文明の発達した現代では、北欧などの一部地域をのぞいて夏至を特別な日と崇めることもなくなりました。こうしたなかで、夏至のイベントとして定着しつつあるのが、2003年にはじまった「100万人のキャンドルナイト」です。
「大地を守る会」の呼びかけではじまった「100万人のキャンドルナイト」の合い言葉は、「でんきを消して、スローな夜を」です。
夏至の日の夜8時から10時までの2時間、電気を消してキャンドルの灯りのなかで過ごしながら、それぞれがゆっくり想いをめぐらす……。たとえば大切な人、日々の暮らし、社会について、環境についてetc.……。
つまり「100万人のキャンドルナイト」とは、いつもとは違う時間の流れや趣のなかで、自分や家族と対話したり感じたり、互いにゆっくりとつながりあおうという試みなのです。暗闇のなかの仄かな灯りは、忙しい日々を過ごすうちに忘れてしまっていた、“大切な何か”を想い起こさせるきっかけになるかもしれません。
こうしたキャンドルナイトのイベントは、いまや全国各地に広がっているのです。
「100万人のキャンドルナイト@増上寺2017」は、ことしで15年目。
J-WAVE主催によるキャンドルナイトステージには、K、GAKU-MC、坂本美雨with CANTUSが出演! 東京の空の下、キャンドルのみが灯る幻想的なステージに、どんな音楽や言葉が響くのか……ワクワクしますね。
そして午後8時には、来場者のカウントダウンとともに、東京タワーが消灯! 増上寺に足を運べない人も、東京タワーが見える位置にいられれば、いつもの幻想的な東京タワーのシルエットが、ふっと闇夜と融け合う瞬間が見えるはず!
「100万人のキャンドルナイト@増上寺2017」
開催日時 2017年6月17日(土)11:00~21:00 ※オーガニック マルシェ(大地を守る会の生産者による販売をはじめ、さまざまなブースが登場)や、オーガニック フード フォレスト(オーガニック食材を使用したフードコート)などが楽しめます。
※キャンドルナイトステージはオープニング18:00、クロージング20:30
■開催会場/大本山 増上寺(東京都港区芝公園4-7-35)
■入場料/無料
■アクセス/JR・東京モノレール「浜松町」駅から徒歩10分 都営地下鉄三田線「御成門」駅から徒歩3分、「芝公園」駅から徒歩3分 都営地下鉄浅草線・大江戸線「大門」駅から徒歩5分
環境省でも2003年から「ライトダウンキャンペーン」が行われており、6月21日(夏至の日)と、7月7日(クールアース・デー)の夜8時から10時までの2時間、全国のライトアップ施設や家庭での消灯を呼びかけています。夏至ライトダウン参加施設数は全国1万3664施設。削減消費電力量は、14万9658.38kmhになる予定です。
代表的なライトダウン施設は……
■北海道/五稜郭タワー
■秋田県/ポートタワーセリオン
■東京都/東京駅、東京タワー、スカイツリー、レインボーブリッジ
■大阪府/通天閣、大阪城
■富山県/富山城・富山城址公園
■愛媛県/松山城
■福岡県/福岡タワー
■沖縄県/首里城公園
── 見慣れている街の明かりが消えると、夜空が美しく感じられることでしょう。みなさんもこの機会に、自然とのつながりを大切にしていた古代の人々のように、季節の節目である今日、地球に想いを馳せつつスローな夜を過ごしてみては。