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まず、“てるてるぼうず”を広辞苑で調べてみたところ……
「てるてるぼうず【照る照る坊主】」
「晴天を祈って、軒下などにかけておく紙製の人形。晴天となればひとみをかきいれ、神酒を供えた後、川に流す」とあります。
起源は中国の掃晴娘(サオチンニャン)と呼ばれる、ほうきを手にした紙の人形だと考えられています。これは北京に残る「晴娘(チンニャン)」の伝説からきています。
起源にある「晴娘」の伝説をひもといてみると……
── 昔、北京に晴娘という名前の美しくて賢い娘がいました。晴娘は手先が大変器用で、切り紙が得意でした。ある年の6月に北京を大雨が襲い、町に水があふれかえりました。人々は雨が止むように祈願をし、晴娘も天に向かって祈りを捧げました。すると「東海龍王の妃になれば、雨を止めてやる」という天の声が聞こえ、晴娘がその命に従うと、雨は止み、晴娘は天に召されて消えてしまいました。以来、北京では雨が降り続くと、町を大雨から救った晴娘をしのび、切り紙で作った人形を門にかけるようになったそうです ──
日本では江戸時代には、掃晴娘を模した折り紙で作った人形をつるす風習が行われていました。
では、なぜ“坊主”になったのか? その真相はよくわかっていませんが、日照りを願う僧侶や修験者が男性であったこと、また、人形の姿が坊主=男に見えたことなどから、次第に坊主へと変わっていったと考えられています。
◎てるてる坊主を作ろう!
白い布があれば◎ですが、ない場合はキッチンペーパーがあればOK!
そのほかには、ゴム(首の部分を固定)、サランラップ(頭の部分に丸めていれる)、セロハンテープ(丸めたサランラップが広がらないよう固定)、つるすひも、顔を描くマジック(晴れたら顔を書きましょうね)があれば大丈夫。
冒頭に書いたとおり、てるてる坊主は晴れたら(願いが叶ったら)ひとみを書き入れるものですので、本来は顔を書かずにつるします。それ以外は「いつつるすのか」「どんな場所につるせばいいのか」という正式な作法はないようです。しかし、願掛けですので、やはり晴れてほしい前日に、お日様が見える方角につるすのがよい、というのが一般的な考えのようです。
てるてる坊主同様、天気が左右する行事を控えていると話題にあがるのが、「雨女(男)か?」「晴れ女(男)か?」ということです。これは雨が降る確率が高い人を表現する俗信ですが、そもそも、雨を呼ぶとされる妖怪“雨女”からきています。もちろん科学的根拠はありませんが、「雨女(男)かも……」と思っている人にとっては、大切なイベントを控えていると不安に駆られるものです。
そこで、日本で唯一の「気象神社」をおすすめします。
場所は、JR高円寺駅の南口にある「高円寺氷川神社」内。陸軍気象部にあったお天気の神様「八意思兼命(やごろおもいかねのみこと)」が祀られており、大切なイベントの快晴祈願をする人や気象予報士の合格祈願をする人が多く参拝します。
気象神社(氷川神社境内末社)
■所在地/東京都杉並区高円寺南4-44-19
■交通/JR中央線 高円寺駅下車 南口徒歩4分
■気象神社公式サイト
── 6月は雨が多い時季ですから、「雨が降って当たり前〜♪」というくらいおおらかな気持ちでいることが大切なのかもしれません。でも、大切なイベントや楽しみにしていた学校行事を控えた前日は、てるてる坊主を作って「晴れ」を祈るのも楽しいものですね。