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先月26日に73歳でこの世を去った、ジョナサン・デミ監督。彼の代表作と言えば、もちろん1991年のアカデミー賞受賞作品「羊たちの沈黙」です。
現在ではすっかりおなじみになったFBIのプロファイリング(行動分析)、シリアルキラー(快楽殺人)、と言った犯罪に関するキーワードを一般の私たちに知らしめた一本です。その後、似たような映画が次々に制作され、海外ドラマでは人気ジャンルとなった「プロファイルもの」も、「羊たちの沈黙」がなければ生まれなかったかもしれませんね。
おどろおどろしい「連続殺人鬼」を扱ったスリラー色の強い映画でありながら、アカデミー賞を受賞できた(それまではスリラー映画はアカデミー賞とは縁遠いものでした)のは、ジョナサン・デミ監督の重厚な演出手腕で大人の観賞に耐える新しいサスペンススリラー映画となったからではないでしょうか。また主人公のハンニバル・レクター博士の強烈なキャラクターもそれまでにはなかったキャラクターでしたね。
筆者もジョナサン・デミ監督の追悼をこめて、再度観賞してみたくなりました。
そして、筆者はまだ観たことがないのですが、ジョナサン・デミ監督ファンから絶大な支持を集めているのがこの一本「サムシング・ワイルド」(1986年作品)です。舞台はニューヨーク。主人公のエリートサラリーマン(ジェフ・ダニエルズ)がひょんなことから、謎の美女・ルル(メラニー・グリフィス)と知り合い、彼女に翻弄され、様々なトラブルに巻き込まれていく…と言う簡単に説明すると、そういう、いわゆる「巻き込まれ型」の映画だそう。しかしこの映画は、ラブロマンスでもあり、ロードムービーでもあり、時にはスリラーでもあり…一筋縄ではいかない予想外の展開で楽しめる映画だそう。当時の社会を風刺するような暗示があったり、数多くの名曲がサントラとして使われていたり、内容も音楽も楽しめそうです。またルルの恐ろしい元カレとして登場するレイ・リオッタ(本作が映画デビュー作)の怪演も見ものだそうです。彼はこの怪演が認められ(⁉︎)、その後は悪役・変人役ばかりに…。彼は「羊たちの沈黙」の続編である「ハンニバル」(こちらはジョナサン・デミ監督ではなく、リドリー・スコット監督ですが)にもインパクトのある役で出演しているのも興味深いですね。
ゴールデンウィークでお出かけ疲れがでそうな今週は、自宅でゆっくり映画鑑賞はいかがですか?筆者は「サムシング・ワイルド」を観賞、ジョナサン・デミ監督に思いを馳せてみたいと思います。