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「春節」(2017年は1月28日)から数えて15日目にあたる「元宵節」は、新年最初の満月の日。日本の小正月と同様、旧正月を締めくくる節目の日となります。
また、元宵節は道教の三元信仰(旧暦1月15日の上元、7月15日の中元、10月15日の下元)と、提灯を掲げて仏を祭る仏教上の習俗が混交したもので、そこから「灯籠節」「上元節」とも呼ばれています。
この日、中国の家庭では提灯に火を灯し、満月を眺め、提灯に貼られた謎々解きなどをしながら一家団欒の夜を過ごします。街のあちこちでも華やかな提灯やランタンが灯され、新春の到来を祝う灯籠祭や獅子舞などの伝統行事が催されます。
近年では観光化されたイベントも多く、なかでも有名な「ハルビン氷灯祭」や「台湾ランタンフェスティバル」は、毎年、国内外から多くの観光客が訪れる一大イベントとして定着しています。
元宵節を祝う習慣は、漢の時代に始まりました。唐の時代になると、皇帝の宮殿や街道などに大小さまざまな提灯が飾られるようになり、人々はその光景を「星が降るようだ」と称したといいます。
その後も、元宵節の行事は民間の祭としてますます盛んになり、明の時代には春節から元宵節までの15日間、街中で提灯を灯し続けたそうです。
その当時、若い男女にとって元宵節は、恋人に出会うための「恋人節」でもありました。
若い女性が自由に外出できなかった封建的な時代、未婚の男女が出会う機会はほとんどありませんでしたが、元宵節の日は提灯見物という口実で遊びに出かけ、お目当ての相手を探すことができたからです。
幻想的な月明かりと無数の提灯の光に包まれて、将来を誓う大切な人と巡り合う……これほどロマンティックな出会いのステージはないでしょう!
中国では元宵節に「元宵」という団子を食べる風習があります。これは小豆餡と胡麻・サンザシなどの木の実を、もち米の粉で包んで煮たもので、お湯に入った「温かい中華スイーツ」のような食べ物です。
「元宵」を食べる風習は、春秋時代に始まったといわれていますが、当時は粘り気のある白いお粥(かゆ)状のもので「浮元子」と呼ばれていました。その後、「浮元子」はお湯に浮かんだ甘い団子に変化し、名前も「元宵」「湯圓」「湯団」「湯円」などと呼ばれるようになりました。
満月のように丸い団子は「団円」=「一家団欒・家庭円満」の意味もあり、幸福を象徴する縁起のいい食べ物とされています。
明後日の元宵節を控え、15日間の春節期間もフィナーレを迎えます。
この時期、横浜中華街や神戸南京町、長崎新地中華街でも、街中が提灯やイルミネーションで華やかに彩られ、春節の祝賀ムードもいよいよクライマックスに!
2月11日の元宵節当日は、横浜中華街の横浜媽祖廟で「元宵節灯籠祭」(17:30~)が行われ、キャンドルの灯りのもと中国舞踊や獅子舞なども披露されます。
ぜひこの機会に足を運んで、新春を祝うチャイナタウンの異国情緒を満喫してみてはいかがですか?