冷え込みが厳しくなり、師走らしさが一段と増してきました。

年末に近づくと何かと気忙しく、なんとも落ち着かない気分になりますが、帰省やスキーなどの旅行を楽しみにしている方も多いことでしょう。

留守宅を狙う空き巣にとって、冬は日照時間が少ないので暗い時間が長く格好の季節。年末年始は振り込め詐欺が増える時期でもあります。

楽しいお正月を迎えるために、気をつけたい防犯対策をチェックしてみました。

玄関のカギは開けるのに時間がかかるので複数あると有効


侵入窃盗は1日に約126件も発生!

「空き巣(あきす)」とは、住民が不在の家に侵入して金品を盗むこと。

就寝中に侵入して金品を盗むのは「忍込み(しのびこみ)」といい、食事などをしている間に侵入して金品を盗むのは「居空き(いあき)」といいます。

これらの一般住宅を対象とした「侵入窃盗」は、平成16年以降減少していて、平成27年は46,091件でした。前年比ではマイナス4.2%の減少です。

とはいえ、1日に換算すると約126件もの侵入窃盗が発生し、被害にあっていることになります。

日本のあちこちでそんなに空き巣事件が起こっているなんて、驚きですね。

自分や家族が被害にあわないように、今一度、防犯対策を確認しておきましょう。


防犯対策のポイントは「時間」「音」「光」そして「目」

物理的な防犯対策には次のようなものがあげられます。

・ドアに補助錠など複数のカギをつける

・ピッキングやサムターン回しに効果的な防犯性能の高い建物部品(CP部品)※をつける

・窓にロック付きのクレセント錠をつける

・窓に防犯フィルムを貼り付ける、もしくは防犯ガラスにする

・面格子や窓シャッターを取り付ける

・侵入できる窓の外側に、足場になるようなものを置かない

このような対策を講じている家に侵入するには「時間」がかかるため、泥棒は嫌がるのです。

すぐにできる対策として、網戸を窓サッシが合わさる中央に配置しておくという方法があります。泥棒は鍵を壊すために網戸を動かしますが、その手間の「時間」そして、網戸を動かしたときに生じる「音」を嫌うからです。ナイフやハンマーでも壊れない網戸を設置しておくとさらに安心です。

また、セキュリティ会社のステッカーが貼ってあると、防犯対策をしている「目」があることをアピールできます。

帰宅が遅くなるときは消費電力の低い電灯をつけておいたり、センサー付きライトがあれば「光」を味方につけられます。来訪者はカメラ付きインターホンで必ずチェックし、録画機能付きならばさらに「目」での確認が可能に。

玄関先や庭に砂利などが敷いてあると「音」がするため、泥棒除けにもなります。

マンションの場合、オートロックシステムがあるから安心と思わず、見知らぬ人が後に続いて入ってこないように「目」を光らせましょう。


留守を悟らせない工夫と日頃のお付き合いを大切に

新聞や郵便物などが郵便受けに溜まっているのは、泥棒に留守を知らせているようなもの。長い間留守にするときは新聞の配達を止めたり、郵便を預かってもらうなどの対応が必要です。

同様に、鉢植えの植物が萎れていたりすることで、留守を悟られることがあります。不在でも水やりができるグッズなどがありますので、念のためガーデニングにも工夫をしておきましょう。

また、ゴミ出しや買い物などで家を出るときは、たとえ短い時間でも施錠を忘れずに。日頃から施錠をクセにしておくといいですね。

自分ひとりではなく、家族全員で協力し、地域の人々と連携することも大切です。ご近所付き合いが頻繁な地域ほど、犯罪も少ないといわれています。明るい声のあいさつが犯罪を遠ざけてくれるのです。

新聞が溜まっていると留守だとわかってしまう可能性が……


年末年始に増える振り込め詐欺とは?

年末年始に増えるのは、ATMを利用した『還付金詐欺』です。

「医療費控除の払い戻しがある」「給付金がもらえる」などと巧妙な言葉を使ってだまそうとします。特に、高齢者の方がだまされるケースが後を絶ちません。そのやり口は多岐にわたり、対応方法もケースバイケースですが、次の点は押さえておいてください。

まず、家の電話は留守番電話をセットしておきましょう。留守番電話だと犯人は話す前に電話を切ってしまうからです。相手を確認できるナンバーディスプレイも有効です。常に相手を確認してから電話に出るようにし、知らない相手には応答しないことをお勧めします。

覚えておいてほしいのは、『ATMで還付金が戻ることは絶対にない』ということ。

もし、このような連絡を受けた場合は、すぐにご家族や警察に連絡し、確認するようにしてください。

また、銀行などでそのような方を見かけた場合も声をかけたり、銀行に知らせるなど、お互いに被害を防ぐようにしたいものです。



── 年末年始は家族が集まる貴重な機会です。家族が揃ったときに、防犯対策や振り込め詐欺対策をしておいてはいかがでしょう。独自のルールをあらかじめ決めておくことも一案です。空き巣や振り込め詐欺被害から身を守るには、普段からの家族のコミュニケーションやご近所付き合いが何よりも有効な手段なのですから。

みんなで協力しあって、平和で穏やかな年末年始を過ごしたいですね。

※防犯性能の高い建物部品(CP部品):平成14年11月に警察庁等関係省庁と民間団体が結成した「官民合同会議」において工具等を使用した試験を実施し、一定の防犯性能があると認定された建物部品(ドア・ガラス・サッシ・錠・シャッター・ウィンドフィルム等)です。

参考URL:警視庁HP

情報提供元: tenki.jpサプリ
記事名:「 年末年始は振り込め詐欺が多発!空き巣にもご注意を!