明日23日の明け方は「きぼう」の観測のチャンス 今週は日本上空を毎日通過
明日23日の明け方は、日本の上空を「きぼう」のある国際宇宙ステーション(ISS)が通過し、北海道から九州の広い範囲で見える可能性があります。また、今週は毎日のように日本の上空を「きぼう」が通過するため、見えるチャンスが多くあります。いつ見えるのか?天気は?気になるポイントをまとめました。
●明日23日明け方は「きぼう」が日本の上空を通過
明日23日(月)の明け方は、「きぼう」/国際宇宙ステーション(ISS)が日本の上空を通過します。
国際宇宙ステーション(ISS)は、地上から約400km上空に建設された実験施設で、「きぼう」とは、その中の日本実験棟の名前です。ISSはサッカー場くらいの大きさで、1周およそ90分というスピードで、地球の周りを回っていて、条件が揃えば地上から肉眼で見ることができます。
明日23日は3時2分頃から見え始め、日本海を北上し東北北部から北海道東部を通過します。そのため北海道から九州の広い範囲で見ることができます。札幌では南の方向に、そのほかの地域では北よりの方向に見ることが出来ます。
上の図は、「きぼう」が見え始める時刻と、最大仰角(最接近)時の方角です。
札幌、秋田、仙台、大阪、金沢、広島、福岡は「◎」、東京「〇」と条件が良いので、「きぼう」を見つけるチャンスです。沖縄も「△」と見ることができそうです。ただ、「きぼう」が高度が低い所を進むため、空が開けた所で見るようにしましょう。
●気になる今夜の天気は
気になる今夜の天気ですが、23日3時頃は、梅雨前線が延びる東北北部から北陸、近畿、中国、四国、九州では曇りや雨の所が多く、「きぼう」を見るにはあいにくの天気となりそうです。北海道や関東甲信、沖縄では晴れる所が多く、見えるチャンスはありそうです。東北南部の太平洋側や東海でも一部で見えるチャンスはあるでしょう。
「きぼう」が見える3時前後は、日中ほど暑さはなく、北海道や標高の高い所ではヒンヤリすることもあるでしょう。屋外で観測されるかたは、念のため羽織るものがあると良さそうです。
また、今週は毎日未明から明け方の時間帯に、日本の上空付近を「きぼう」が通過するため、明日23日に見ることが出来なくても、チャンスは何回かある見込みです。
●きぼうが見える条件
国際宇宙ステーション(ISS)が地上から見られる条件は以下の3つです。
① 晴れていること
ISSは雲より高い宇宙空間を飛んでいるので、曇っていると地上からは見えません。
② 自分の上空をISSが通過すること
ISSは同じ軌道を回っていますが、地球が自転によって回転しているため、ISSが通過する位置は変化しています。自分の上空付近をISSが通過するタイミングで見ることができます。
③ 自分のいる場所は夜で、ISSが昼であること
ISSは自分で光っているわけではなく、太陽の光を反射して明るく輝きます。ISSが地上から見えるためには、ISSには太陽の光が当たっており、地上は夜となっていなければいけません。上の図のように、ISSは地上400km上空にあるため、地上の日が落ちてからしばらくの間は太陽に照らされています。同様に、地上の日の出よりも先に上空の ISS には太陽の光が当たります。日の出前や日の入り後の約 2 時間は、地上は夜ですが400km上空はまだ昼の状態で、この時間帯に ISSが自分の上空付近を通過した時にISSを見ることができます。