5月半ばですが、早くも西日本や東日本付近に前線が停滞し、まるで梅雨のようにぐずついた天気となるでしょう。特に17日(土)から19日(月)頃にかけては太平洋側を中心に大雨となる恐れがあります。大雨災害に注意・警戒を。また、曇りや雨でも高温傾向が続くため、かなり蒸し暑くなりそうです。熱中症リスクも高くなるため、注意が必要です。

●5月なのに前線北上 まるで梅雨のような天気に

5月といえば、本州付近ではカラッと晴れて、初夏の陽気になることが多い時期です。一方で、南西諸島付近には梅雨前線が停滞するようになり、沖縄では一足早く長雨の季節となる頃です。沖縄の平年の梅雨入りは5月10日ごろですが、今年はまだ梅雨入りしていません。

今年は沖縄の梅雨入りを前に、本州付近で梅雨のような天気となりそうです。天気図をみますと、16日(金)頃から前線が西日本から東日本付近まで北上する予想です。これは太平洋高気圧の勢力が強まって、前線を押し上げるためです。

この前線の影響で、九州から関東では16日(金)以降は早くも梅雨のように曇りや雨のぐずついた天気となる見込みです。一方で沖縄は晴れ間の広がる日が多くなりそうです。

過去に、沖縄の梅雨入りより九州南部の梅雨入りが早かったのは、1963年と1976年だけです。もし沖縄より九州南部が早く梅雨入りすれば、49年ぶりと珍しい現象になります。

●17日(土)~19日(月)頃は太平洋側を中心に大雨の恐れ

梅雨入りとはならなくても、この先、梅雨時のような大雨災害に注意・警戒が必要になりそうです。

17日(土)から19日(月)頃にかけては西日本から東日本付近に延びる前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込むため、太平洋側を中心に断続的に活発な雨雲が流れ込むでしょう。雨の降る時間が長く、大雨となる恐れがあります。まだ5月ですが、早めに大雨への備えをしておくと良いでしょう。

●大雨の備え

大雨が予想される場合、災害による被害を少しでも小さくしたいものです。そのために、あらかじめ備えておいていただきたいことは、次の3つです。

① 避難場所や避難経路の確認をしておきましょう。いざ大雨による災害が発生すると、避難経路が通れなかったり、避難場所に行けなくなったりすることもあります。複数の避難場所や避難経路を確認しておくことが大切です。また、川や斜面の近くは通らないようにするなど、浸水や土砂災害の危険性が高い場所を避難経路に選ぶのは、避けてください。確認した避難場所や避難経路の情報は、家族で共有しておきましょう。
② 非常用品の準備をしておきましょう。非常用の持ち出し品は、リュックなど両手が使えるものに入れて、すぐに持ち出せる所においてください。避難時に履く靴は、スニーカーなど、底が厚く、歩きやすい靴を用意するのが安全です。また、水道や電気など、ライフラインが止まった時に備えて、水や食料も用意してください。
③ 側溝などの掃除をして、水はけを良くしておきましょう。砂利や落ち葉、ゴミなどが詰まっていないかも、確認しておいてください。

いずれも、大雨になる前に、なるべく早い段階で備えるよう、心がけてください。

●曇りや雨でも高温傾向 熱中症リスク高まる

もう一つ注意が必要なのが熱中症です。曇りや雨でも高温傾向で、九州から関東では夏日(最高気温25℃以上)が続出しそうです。甲府市では18日(日)は29℃まで上がり、真夏日(最高気温30℃以上)に迫る暑さとなるでしょう。20日(火)は31℃と真夏日になりそうです。湿度もアップするため、かなりムシムシするでしょう。気温に加えて、湿度も高くなることで、熱中症リスクはより高くなります。まだ体が本格的な暑さに慣れていない時期です。こまめに水分をとる、無理をせずにエアコンを使うなど熱中症対策をなさってください。

情報提供元: tenki.jp日直予報士